店先の風景
2024年06月30日 さかい 悠
2012年4月 広西省桂林近くの集落に立ち寄った折 通りの中に一軒の骨董店らしき店を見つける。
当然 最初は冷やかしのつもりで覗いてみる。
どれ位、古いものなのか? どの程度の価値が有るのかも解らない 品物は古そうだが実際の年代も不明 詳しく聞きたいがそこまでの語学力は無い。
店先には誰もいない 普段からそんなにお客が来るような店でもない しばらく眺めていると、店主らしき人が驚いた表情で奥から出てきた。
まさかお客がいるとは思っていなかったのだろう!
途端に笑顔で『どうです? 何か気に成るものが有れば棚から出しますよ!』と言いたげな表情で話しかけてきた。
特に気に入ったものが無いが『一寸 見せてもらうよ?』と確認した!
店主は快く「どうぞ どうぞ」と愛想が良い。
今回はいろんな店先の風景と置いてある品物を紹介しよう!
今から12年前の2012年、観光で出かけた土産物屋、郷土品など店先にある品物が今回の主役。
地方に観光で出かけると珍しい物を含めて、興味をそそる品に出会う 店先の風景が興味深い。
一方 生活に必要な食料品、生活雑貨、衣料品、そしていろんな場面で使う道具類を売る店先も、合わせて紹介して見よう。
先程の陶磁器店の様に旅先にはいろんな物珍しいものが並んでいる。
旅に出ると地方独特の特産品も興味深い。
街の漢方薬屋で買えば、それなりの値段になる 地場では格安で購入出来る。
購入する人は高齢者が多い 中に若い人もいるが聞いてみると祖父母に頼まれ買っていくというお客もいる 食べるもの、民芸品、工芸品などを買うより、ずっと利口な買い物。
もう一つ地方でよく見かける、品物でお茶が有る 丸い形の包装、平らな写真の様なものが売られている たくさんの種類が有り、値段もピンからキリまで何十倍、何百倍もの値差が有る。
私の様な素人では、品質、銘柄は勿論、味の良しあし全てに識別は不可能。
唯一方法として、試飲をさせてもらい、自分の嗜好に合ったものを選ぶのが得策である。
そのほか地方の土産物屋の通りは玩具類、置物、工芸品、お菓子類が山のように積まれている。
何処かに配る為なのか、両手いっぱい袋を提げ歩く観光客の姿が目に付く。
果たして貰った人が喜ぶのだろうか? 因みに私はこの手の物は全くと言って良いほど、興味がない。勿論買わない!
さて、旅先から戻り、普段の生活の中ではどんな店先の風景が有るのだろう 同じく覗いて見よう。
食品の買い物はどこの街にも何か所か大きな市場がある。
昨今は日本と同様、食品スーパーがあり、パック詰めされ包装も綺麗尚且つ値段も解りやすく表示されている、いちいち計り売りの手間もいらない その点は品質、価格も安心して買い物が出来る。
反面、地方や個人商店などは衛生的に疑問を感じる店もまだまだ多い。
一方 地方に行くと個人商店、露店などは衛生的にも良い環境とは言えない
あれから、10年以上も年月が立ち食品衛生上の規則も改善されている事であろう。
主食以外の間食類の店も多く成り、お洒落で味も魅力的な店が多くなってきた。
次の店先は生活雑貨、日用品である。
この手の店も、大型店のテナントとして、出店が増えている、街中の個人商店は苦戦。
洋服類の店も少し覗いて見よう。
次に電化製品を扱う店も以前と比べると格段に種類、機能を備えた品物が増えている。
次の写真は街中でよく見かける 電気工事などで使われる部品と材料関係を扱う店。
次に家の中で必要なものとして、家具類を扱う店も覗いてみよう。
いろんな品物を売る店先を見てきた 最後に少し変わった品物を扱う店も紹介する。
こうしてみると、街中の店先は日本とほとんど変わらない風景と品物類である。
やはり、品物的には地方に出かけた折に目にする店先の方が興味を引く品物が多い。
以前雲南省に出掛けた時、無理やりお茶屋さんに連れていかれ、あれこれと品物を紹介されたが、全く買う気が無かったが最終的に試飲をして自分の口に合うお茶を買った事がある。
日本に持ち帰って、家族にも飲ませたがなかなか好評だった。 ただ値段がべらぼうに高かった事だけは覚えている。
試飲もせず、言い値で買う観光客も多いと聞く 少なくてもお茶など高価なものは試飲、味わうなど、最低限するべきであろう。
それでも、中には試飲して持ち帰り試してみると実際飲んだ味と違う場合も有るといったトラブルも聞いたことが有る 特にツアーで立ち寄る店はご注意を!
さて先ほどの骨董屋(陶磁器)の店先を詳しく見て見ると、少し大きめの壺が有ったり、手頃な茶碗ほどのもの 更にぐい吞みの様な小物まで並んでいる。
形、大きさも様々 模様も色付きの物から無地の地味なものまで結構、品揃えが多い。
店先の物は一般的に見栄えの良いもの、手に取って手軽に買ってみたいものが並んでいる。
ここで店主に一言『これいくら?』なんて言おうものなら、きっと執拗に離れないと感じた。
事実、本当にいいもの、興味が湧きそうなものは鍵付きのガラスケースに収まっていることを見てしまった!
それと一般的に高いものは簡単に手の届くところには置かない ガラスケースもそうだが店の奥に古びた棚に同じように品物が並んでいる。きっとここには店主のお気に入りもの、高価なものが並んでいるはず。 簡単に観光客には見せないだろう!
※最初の写真を拡大するとこの店の良いものとそうでない物が見えてくる。
余程 常連客、若しくは高値で買ってくれそうな客だけに見せる 私の様な通り客には店の正面に並んでいる、その他 雑物で商売が成り立つのであろう!
お値打ちに良いものを求めるには何度も通い、信用してもらうしかない!
それはこの店に限った事ではない やはり商売は売り買いだけでなく、信用と信頼がどの国でも必要な事であろう。
日常に使う、酒のお猪口又は食器など、自分の気に入ったものが有れば買ってみたい気もする。
そうなると今一度品定め、値段交渉のやり取りで時間がつぶれてしまう。
次の予定も有るのでやはり『ひやかし』で今日はやめておこう!
店主に礼を言い歩き出すと途端に『何か気に入ったものが有れば安くしておくよ!』声が掛かる。
手っきり、なにか品物を手に取り、値段交渉してくると思っていたのか?
店主に観光でこちらの通りを見て回っている 器に興味があり、寄ってみた 時間が有ればもう少しじっくりと見たいが残念!
またの機会にすると告げると店主は残念そうな顔をした そして思い直したように棚から名刺を差し出し、是非次回機会が有れば寄ってくれ! 何なら希望の物が有れば連絡してくれ 探し出して連絡する事は可能となかなか商売熱心である。
そう言えば、あの名刺どこにいったっけ? やはり自分の中でもひやかしだった気がする。
ただ奥の棚の品物はどんなものか今一度見て見たい気もした。
あれから10年以上年月が経過した あの店は果たして今でも商売しているのだろうか?
仮に商売はしていても、品物は既にそっくりと変わってしまっている。
人生はその時、その時が旬と思うことが有る 品物も然る事ながら 人との出会い、判断が必要な出来事、全てに過去、現在、未来が有る事を考えながら、店先の変貌を時に思いを巡らしてみた!
店先にはいろんな風景がある そして一つの品物をめぐり、いろんなドラマが毎日のように繰り広げられている。 取り留めた写真の中に見落としがちな、いろんな事実が垣間見た気がする。
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