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喫茶店の風景!


2002年頃の中山市の喫茶店 何か日本のレトロな雰囲気さえ感じるレイアウト                               

                                  23.12.31 さかい 悠

 日本では珈琲を飲みながら、スマホを見る、本を読む、友達との会話、そして何よりぼんやりとしながら時を過ごす。
私の喫茶店の利用方法は余暇を楽しむ大切な場所でもある。
 珈琲専門店、珈琲チェーン、昔ながらの喫茶、更に範囲を広げれればマックやコンビニなども珈琲を飲む選択肢がある。
 昨今、物価高で珈琲の値段も高くなった それでも500円前後で珈琲が飲め、かなりの時間を過ごす事が出来る。 時間つぶしや一寸した空き時間に利用するに大変重宝、私など1日4杯も5杯も飲む者にとって、その中の1杯くらいは雰囲気を求めて、外で飲みたくなる。

 仕事で中国に駐在した頃は日本以上に外で珈琲を飲む頻度は多かった。
今回も中国駐在時代の2000年〜2012年頃の喫茶店の様子、使い方 珈琲の゙味など、ご紹介したい。

 赴任初期 2000〜2001年頃、珈琲を飲むには大きなホテルまで出掛けないと飲めない 私の駐在場所は広東省の中山市であるが大都市に比べ規模はそれほど大きくない。
 赴任初期は街の様子を探索する余裕も無かった 工場立ち上げの為、仕事に追われそれどころではないと言った方が正しいかもしれない。
 広州や深圳など、大きな街は珈琲専門店が当時でも多かった 外国人比率も含めて珈琲の認知度も高かった為である。 もう一つの理由は中国人に珈琲を飲む習慣が少ない。
 一般的にお茶、お湯など珈琲以外の物が多い 中国人が仕事の合い間に珈琲を飲むことは少なかった。
 日本から工場見学に来るお客なども日本のインスタント珈琲を出す場合も多い。
当時は街中で珈琲専門店を見かけることも無い。

2003年頃の中国の喫茶店 窓から外の様子がよく観察できる 珈琲を飲むより軽食を注文する雰囲気である。
同じように2003年頃のカウンターと席の様子 少し雰囲気が出てきた感じである。

 更にもう一つ理由がある ホテルで出される、珈琲はとにかく濃く、苦い。
私は基本、ブラックで飲む、しかし砂糖、ミルクを使用しないと飲めない程 濃い。
中国人もわざわざ苦い珈琲など頼む者はいない 飲むとすれば甘い飲み物、お茶が一般的である。

 初期の頃はそんな状態、しかし2002年頃より、街に喫茶店らしき店が出始める。
メニューに珈琲もあり、注文が可能 しかし彼らの注文は圧倒的に珈琲以外の物が多い 珈琲に限っては相変わらず濃くて、苦いは変わらない。

 当時の喫茶店の様子は日本と同様、もっぱら会話を楽しむ場所 スマホなど普及していない時代 会話と軽食を取る場所。
 その頃から、ケーキ類を置く店も出始め、私も珈琲と一緒によく注文した、特にチーズケーキが美味しい 珈琲とセットで注文する。

珈琲とチーズケーキのセット つまみにお菓子が付いてくる 美味しい味でした。
この様なお洒落なケーキを置いている店も出始めた頃のセットです。

 そうこうしているうちに店側もいろいろと客の要望に沿うアイデアを出す店も出始める。例えば、客の好みに合いそうなカップを揃える店 日本でもこの様なサービスをしている店が今でもある。 お洒落なカップをたくさん揃えて客に飲み物とカップを選ばせる志向である 中にはお客が持ち込んだマイカップを預かる店も出てきた。

たくさんの珈琲カップをそろえている店 カップの絵柄を見るだけでも楽しい!

 更に珈琲の味が解るようになると、こだわりの豆を焙煎してくれ、販売する店も出始めた。
当然珈琲豆を売るにはそれなりの知識、手順を知る必要が有る。そうなると珈琲の本当の味が解るようになり、ファンも増える 美味しい本格的な珈琲の味を求めて、店を選ぶ事に成る。
我々駐在員にとっても嬉しい傾向 その頃から一気に珈琲専門店があちこちに出始めた。

店内正面に珈琲豆を売る店も出始めた 当然頼めば豆も挽いてくれる。

 次に店の雰囲気を紹介しよう!
初期の頃は雰囲気より、飲む、食べる、休憩する事を目的とした店が多かった。
店の作りも、それほど魅力を感じるところはない 初期はそれでも良かった。

 本格的な店が出来ると味にこだわる店、雰囲気が良い店、オーナーとの人間関係など店の特徴が出てくるようになる、当然 味と雰囲気が良ければ尚良い事である。
私などはパソコンを持ち込み、半分仕事も兼ね、飲食も楽しんだものである。
アパートで一人、パソコン相手の仕事は何となく味気ない 人により集中する為 騒がしいところは敬遠する人もいる。
 私の場合は多少の騒がしさは気に成らない BGMが流れ、微かに隣の話し声が聞こえる程度なら全く苦に成らない。
 昨今 日本の大手など、会社のオフィスはこの様なスタイルでレイアウトされている会社も有ると聞く。

店内にお洒落な壁絵が目を引く 静かでBGMが流れている とても仕事がはかどる。

 適度な静けさを保ちつつ、BGM、店の独特の音の世界がより能率が上がる事さえある。
事実、この様な環境で書類作成など、私は効率が上がる方である。
 時には考え事をしながら店の調度品を見たり、通りの様子、行き来する人を観察したりで日本とはまた違った、街の雰囲気が気分転換にもなる。

珈琲の上に生クリームが乗っている ここも雰囲気の良い喫茶店でお気に入りの店であった。

 この様に中国人にも珈琲の味の良さが解るようになると、大手チェーンを含めて出店が相次ぐ事と成る。
 2008年以降の中国の喫茶店事情はどんどん変貌してくる、特に若者若しくはファミリー層に客層が変わってくる。
 珈琲以外に志向を凝らしたメニューが増えた事も有る。
珈琲の味もさることながら 雰囲気がとても良い 内装も凝った作りで居心地が良い。
絵画を飾る、昔のレトロな写真を掲示する、店の壁いっぱいに魅力ある壁紙を演出するなど、昔のイメージが、がらりと変わる、若者層に受けるレイアウトと成って来た。

店内にはたくさんの絵が飾れていて、ここもお気に入りの店の一つ。

 昔の喫茶店のイメージは その場所で飲む、 くつろぐことが本来の姿であった しかし昨今はテイクアウト つまり カップを持ちながら街を歩く姿も多くなった。
 それも ファッションと言うべきなのか 特に大手チェーンのコーヒーカップを持って歩く姿は まさに 現代的と言っても良い 私はもっぱら 店で飲みながら 相変わらずパソコンを叩いている雰囲気が良い

この店は土日の午前中は必ず、この席でパソコンを叩いて過ごした店である 午前中は客も少なく静かで居心地の良い場所。
広い敷地に庭や池を作り、室内でも外でも飲食が出来る 若い中国人の夫婦が経営している。

 もう一つ 喫茶店の利点はタバコを吸う者にとって喫煙の場所が有る しかし 昨今 禁煙が 主流で屋内でなかなかタバコを吸えない 有っても喫煙席に追いやられてしまう 私のようにタバコを吸わない者にとっては 喫煙ルームで隔離してくれることは格段に過ごしやすくなった。隣の席でタバコをふかす客など迷惑だったが、今ではおかげで過ごしやすい。

 さて 駐在時代を終え 日本に帰国すると喫茶店の雰囲気はどうあるべきかと今更ながら考えてみた。 まずは 美味しい珈琲を飲むということが必須 くつろぐということも大事な要素。
 日常の見慣れた環境を変えて ぼんやりとする時間が取れる場所も喫茶店の要素であると私は思っている 雰囲気の良い店は何度も通いたくなる。

 人によりそれぞれに求めるものは違う しかし喫茶店の空間は特別感でなくても、ゆったり出来る環境が必要と思っている 求める雰囲気は人それぞれで良い。
 賑やかな店が良い人もいる、全く静かな環境で自分の雰囲気を作る人もいる、または 展示品 その店の特徴に好みがあり 通う人もいる、当然 マスター、従業員の人柄に惹かれ来る場合もある。
 サービス、特徴をうまく使って客を集める店もある、日本で モーニングサービスなどが一例である。

 異国での生活はやはり家族と離れ 孤独になりがちだが何か特徴が有れば癒される、それで孤独から解放されればそれはそれで良い。
 同じ店に通えば なじみ客も出来、当然店の人たちとも懇意になる、そのようなことで会話が生まれ孤独感を紛らわすこともあり得る いろんな使い方がある。
 やはり うまく その特徴をとらえ使う、味も然ることながらゆとり、癒しの効能も大きな要素である!

 日本に帰り環境は変わってもやはり 今でも美味しい珈琲を求め喫茶店巡りをしながら 雰囲気を味わうことを止めようとも思わない そして今後も変わることはないだろう。
 自分にとっては癒しのひと時だから! 

さて今日も香り豊かな味を求めて、徘徊して見ようか!


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