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オゾン水スプレーについて私が思うこと

コロナ禍に入ってからというもの、オゾン発生器やオゾン水生成器の需要が急拡大していますが、今回はオゾン水を生成するオゾン水生成器のスプレータイプ「オゾン水スプレー」について少し書きたいと思います。

オゾン水スプレーとは

オゾン水スプレーとは、オゾン水を生成するオゾン水生成器の一種です。
一般的なオゾン水生成器は、家庭用のものであれば水が入ったボウルやバケツに。業務用のものであれば浴槽程度のタンクなどにチャポンとオゾン水生成器を入れ、そこで機器を稼働させシュワシュワ〜と電解式によってオゾン水を生成します。
もともと、除菌可能な液体をスプレーして使いたいという需要が高いことはファブリーズなどを想像してもらってもご存知の通りです。その需要は非常に高いです。
そこで、「生成したオゾン水をスプレーしたい」という方が非常に多く、従来のオゾン水生成器でオゾン水を生成→空のスプレーボトルに入れる→シュシュっとスプレーして除菌やウイルス不活化に利用されていました。
ただ、それって慣れたら問題ないのかもしれませんが、ボウルを出して、オゾン水生成器を出して、オゾン水を作りスプレーボトルに入れ替えたり、その過程が何かと面倒ですよね。。。
そこで、スプレーボトル内で生成したオゾン水をそのままシュシュっとスプレーできるオゾン水スプレーが登場したという経緯です。
このオゾン水スプレーは従来から各メーカーで開発が進んでいました。
しかし、コロナ禍において需要が一気に拡大したことで、その開発スピードも加速し、本年8月頃から複数のメーカーが販売開始をしています。

噴霧後の溶存オゾン濃度は大丈夫?

このオゾン水スプレー製品ですが、オゾン専業メーカーだけではなく、正直ちょっと聞いたことがないような企業も販売しているわけですが、ほとんどのメーカーが生成可能なオゾン濃度をアピールするばかりで、肝心の噴霧後のオゾン濃度に言及されていません。

オゾン水というのは水の中にオゾンを溶存させるわけですが、気体のオゾンも液体のオゾン水も共通して言えることは「不安定」だということです。不安定と聞くと、なんだかすごく悪い、あるいは劣っているように感じるかもしれませんが、そうではありません。オゾンはその不安定さゆえ、消臭や除菌、ウイルス不活化をしてくれるわけです。(このあたりの詳しいメカニズムはまたの機会に)

オゾン水は不安定なものですから、生成後そのまま放置していると約21分毎にそのオゾン濃度は半減します。これを「オゾン水の半減期」と言います。
何もしなくても濃度が半減していく液体、それがオゾン水です。(だからこそ残留性がなく安全性が高いというメリットももちろんあるのですが)

で、大事なことを書きます。
スプレーで噴霧されたオゾン水。
噴霧後のオゾン濃度は著しく低下すると考えるのが一般的です。

にもかかわらず、噴霧後のオゾン濃度がどの程度の濃度(ppm表記など)になるのか公表されていない、製品パッケージに表記されていない製品が大半。。
大事なことはボトル内のオゾン濃度ではなく、噴霧されたあとの液体のオゾン濃度でしょう。と思うわけです。

たとえば、ボトル内で1.0ppmのオゾン水が生成されるとします。
普通に製造されたスプレーボトルでは噴霧後のオゾン濃度は半減以下でしょう。いえ、もしかすると1/3程度になっていたとしてもちっとも驚きません。何度も言いますが、なんせ、オゾン水は非常に不安定ですから。。(しかも瞬間的に力をかけて噴霧させるから余計に濃度は低下します)
※最悪、噴霧後はただの水に戻っているなんてことも十分あり得ます。

オゾン製品を流行りモノにしてはならない

オゾン水スプレーの中には、もちろんしっかりした製品もあります。
しかし、かなりの製品が正直「デタラメだなぁ〜」と感じるわけです。そういうデタラメな製品を販売している企業のほとんどがもともとはオゾンと関係ない企業ばかりではありませんか。
流行りにのっかり、売れるものを売る。
それは、短期的なビジネスでは正しい戦略なのかもしれません。
しかし、せっかくオゾンが広く知られ始めている今、こういうデタラメな製品が一般消費者の手に届き、効果を体感できなければ「なぁ〜んだ、オゾン水の除菌力って大したことないじゃん(落胆)」あるいは「オゾン水が除菌力高いなんて嘘っぱちだ!」なんてことになり、オゾンやオゾン水の信頼が落ちたら嫌だなぁ〜と個人的には思うわけです。

オゾンやオゾン水はこれまで公衆衛生に広く貢献してきたという事実があります。
そして、高濃度・低濃度問わず、気体のオゾンも液体のオゾンも、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を不活化することが証明されました。

だからと言って、すべてのオゾン発生器やオゾン水生成器、オゾン水スプレーが優れた効果を期待できるわけではありませんので、ご注意いただければと思います。

どうか、オゾン製品が流行りモノにならず、求めている方々の手に、品質が高いオゾン製品が届きますように。

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