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ブルーロックの「全員FW」の思想は、DevOps組織論を体現している

ーー俺はちゃんとやってるのに、あいつのせいでうまくいかない

人間だもの、そして組織だもの、そういうこともある、そう思うこともあるでしょう。でも、そんなことを思っていても前進しない!!

自分は本当にベストを尽くしているのか。
自分にもっとできることはないのか。

そう考えられないことには、前に進まない。いや、まだ足りない。

「 俺 が 全 部 や る ん だ よ !! 」

てなことを考えながら、以下のマンガをご覧ください。

FWしか出てこない、FW同士でサッカーするマンガ「ブルーロック」

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ブルーロック!!
マガジン連載中のサッカーマンガです。めっちゃ面白いんですよ!

それにしても見てくださいこのアオリ。

エゴイストFW育成マンガ!誰より俺が点を取る。それがサッカーだろ??

ですって。

そうなんです、その言葉通り、この漫画にはFWしか出てきません。FW11人対FW11人で試合やったりします。もうすごいことです。

その理由を、コーチの人は以下のように語っています。

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「サッカーはもともと点を取るスポーツです」
「本来は11人全員FWで当たり前なんです」
「お前らの中にバカみたいに刷り込まれてるポジションや戦術なんてのはサッカーの進化の歴史の中で成立してきたただの役割」

ですって。

そりゃサッカーは点取らないと始まらない。つまり、全員が点を狙って当然。全員がゴールを目指して当然。

逆に言えば、ゴールを狙わないポジションなどあり得ない。

役割分担が生む「無責任」と「対立」

わたくしサッカーのことは詳しくないのでそのことの是非はわかりませんが、組織論ではしばしば語られますね。「役割分担が無責任を生む」。

要は、「自分の範疇だけ責任を果たしていれば、後は知らない」という状態。サッカーに例えると、

「俺はDFだからディフェンスだけすればいい。点を取るのはFWの仕事。」

みたいな。一見正しく自分の役割を理解しているようではありますが、「点を取ること」については無責任になってしまっていると思うのです。これがひどくなると、

「俺はしっかりディフェンスして1点に抑えたのに、FWが1点も取らないせいで負けた。俺は悪くないのに

的なことになります。サッカーじゃなくてもありそうな話ですね。

ソフトウェア開発組織における「サイロ化」

そう、特に、ソフトウェア開発とかでもよく語られます。

DevOpsという開発組織論のような、仕事の進め方の理論セットのようなものを指す言葉があるんですけど、その本にも「サイロ化」などの表現で、よく出てきます。

書籍から引用すると。

部門や組織のサイロは、同じ企業の他のチームと知識を共有する気がないチームの空気を表している。サイロ化されたチームでは、目的や責任を共有せず、それぞれがばらばらの役割を重視する。
~中略~
避難や責任、仕事を他のチームに押し付ける。サイロ化した環境ではこのような光景によく出くわす。

DevOpsの大きなテーマの一つは、こうした組織間の対立を解消し、目標に向けて正しく努力できる状態を作ること、だそうです。

たとえば。

Dev(開発者)「不具合のリスクがあるので緊急の改修は避けたいです」Ops(運用者)「現場の不満が出てる。改修をすぐにでもやりたいです」
Dev(開発者)「最新の〇〇使いましょうよ、まずは」

ある人は利益を求め、ある人はシステムの安全性を求め、ある人は挑戦や話題性を求める。どれも否定はできないのですが、それぞれの領域での責任だけを見ているがために、状況が先に進みづらい状態。まさにこういう状態を解消することこそが、DevOpsの重要の要素の一つだということです。

全員がゴール(=成果)に責任を持つことから始める

そこでも一回、ブルーロック!

「俺のゴールで勝つ」
「チームメイトなんて知ったことか、俺が決める」

と、全員が思っている状態。さて、これはサイロ化状態でしょうか。

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まあチームとしてはまだまだ未熟、問題外ですが、少なくともこの状態なら誰も「俺は頑張ってるけどあいつのせいで負けた」なんてことを言いだすことは絶対にないですね。

これはこれで対立が起こるでしょうが、責任の押し付け合いの対立、より、責任の取り合いの対立の方が100倍いいなと、個人的には思うわけです。

「全員がゴールに責任を持つ」ことから始めて、そのあとで役割や分担を決めればいいでしょっていう。そうすることで必然的に、「勝つためのディフェンス」「ゴールのためのディフェンス」「あわよくばすきを見て自分がゴールを決めるためのディフェンス」になってくるんじゃないかと、思うんですよね!(まだブルーロックはそこまで行ってないですが)

共通のビジョンや目標、を持ち、競争と共同を

もう一度DevOps、の話に戻ると、つまりサッカーで言う「ゴール」「勝利」のような共通の目標をもち、全員がそれに向けて責任を持つことから始めることがビジネス、ソフトウェア開発組織などについても重要だということですね。

も一回書籍から引用すると、

devopsを本当の意味で機能させるためには、信頼と共感という基礎が必要だ。
~中略~
このような協働関係を作るためには、共通のビジョンや目標を確立し、コミュニケーションできなければいけない。共通のビジョンは、細部こそ違っていても、すべてのチームが目指す大枠を支える共通点である。

ビジネスにおける「ゴール」は、サッカーほど単純じゃないですが、えてして、システムやサイトがかかわるビジネスを成功に導くこと、だったり、ユーザーに素敵な体験を届けること、だったりするのかなと思います。

全員が、「俺の仕事でそれを実現するんだ」という気持ちで実践に当たれば、「守りながら攻める」「攻めるための守り」みたいなものもできてくるんじゃないかと思うわけです。

「俺がチームを勝たせるんだよ」
「俺の仕事で目標を達成するんだ」

くらいの気概でもって、時には競争したり奪い合いしながらでも、全員がゴール(=目標)に向かっている状態、こそが実は健やかで強いチーム、といえるのではないかと思います。

ブルーロックのこれからに期待!!!
いよいよ全員FWからできたチームが公式戦(?)やるんでしょ。
だれがどんなディフェンスするんだろう、というのが特に楽しみ。

では!!

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