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ワニロス。

100日後に死ぬワニを、ご存知だろうか。

漫画家・イラストレーターのきくちゆうきさんが手掛け、ネットで話題となっている日めくり漫画だ。

↓貼るまでもないかもしれないけど、リンク
https://twitter.com/yuukikikuchi/status/1206558270195822593?s=21

「100日後に死ぬワニ」は、100日後に死ぬことを知らないワニがのほほんと暮らす日常を描いた4コマ作品。きくちさんが昨年12月12日に自身のSNSに投稿してから「100日後どうなるの?」「死ぬって教えてあげたい」「切ない」と目が離せなくなった閲覧者が続出。日を追うごとに注目が高まっていき、ツイッターフォロワー数は190万人(3月20日午後3時現在)を突破した。(yahooニュース記事より)

※以降の内容は、ネタバレを含みます。

連載が3/20に終了し、「ワニロス」という言葉が生まれたらしい。

僕は、先週金曜に100話分を一気に読んだ。
感想は、月並みながら「ワニの分まで、一日一日を大切に生きよう。」だった。

書籍化、映画化も決まっているらしい。
なんでこんなにも、忙しい現代人の反響を得ることが出来たのだろうか。

①格好の「明日の話題」だった 

現代人は、常に「明日の話題」を探し求めている。

ワニくんは、そこにすっぽりとハマった。

「終末が判っているワニくんの人生」は、
「終末が判らない自分の人生」との、格好の比較対象となる。

誰にでもある「制限時間」を明確に数字で示すことによって、「何気ない今日という日の価値」が、殊に際立っている。

「自分がこのワニの立場だったら、どう行動したのだろう?」と、いつしか読者は自分を重ね始める。毎日それを繰り返せば、自然と愛着も湧き、いつの間にかワニくんは、自分の知り合いのように思えてくる。

恋愛要素なんかが絡むと、もう、放ってはおけなくなる。

ワニくんが不器用であればあるほど、「ワニくん頑張れ!」ってなもんだ。

明日誰かに話したくなる。共有したくなる。
そこに、Twitterという最強の共有ツール。
「リツイート」の1タップで、友達100人に一気に拡散することができる。

②現代人は忙しい

僕たちは、普段の生活で、どの程度自分自身の「制限時間」を意識しているだろうか?

仮に僕が、余命が判っていたとして、
「100日後に死ぬhiromu」を連載していたら、
こんなにも共感が得られただろうか?

僕ら現代人は、忙しい。

一日のうちの5分くらいであれば、考える時間をつくれるかもしれないが、毎日何時間も「答えがそう簡単に出ないもの」について考えている時間も、心の余裕も無い。
「僕の人生の価値」がどの程度あるのか、考えるのには、5分という時間は全く足りないが、
「架空のワニくんの人生の価値」に想いを馳せる程度であれば、一日5分もあれば、ある程度は事足りる。

「100日後に死ぬワニ」という作品は、僕に
「ワニくんの分まで、一日一日を大切に生きよう。」と思わせてくれた。

厳密に言うと、
「考える時間がない」という問題に、気付かせてくれた。

今日という日の、価値について。
大切な人と過ごす時間の、価値について。
その、残り時間について。

週末、大切な人と、話をする時間を作ってみようかな。

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