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焦点距離の芸術:撮影構成における創造性と多様性

 映像制作における焦点距離とコンポジションの教科書的なガイドラインを提供します。これらのガイドラインは、被写体、背景、全景、そして空をどれくらいの割合で含めるべきかについての一般的なアドバイスです。


超広角レンズ(14mm-24mm)

  • チルト: 高い建物や内部空間を撮影する際、被写体(建物や内部の特徴)を画面の約1/3、背景と全景(建物の上部や空間の広がり)を残りの2/3で構成するとバランスが取れます。空は全景の一部として、全体の約1/4を占めるようにします。

  • パン: 広い景色を撮影する際、地平線は画面の下1/3か上1/3に配置し、残りの部分を空や地面でバランス良く分割します。動きを加える場合は、画面全体にわたって興味深い要素が均等に分散するようにします。

広角レンズ(24mm-35mm)

  • パン: 都市の景色や風景を撮影する場合、被写体を画面の約2/5、背景と全景を3/5で構成し、空は全景の約1/3を占めるようにすると良いバランスになります。

  • チルト: 自然な視野での上下移動を行う際は、被写体を中心に据え、背景と全景の比率を約半分ずつに保ちます。空は視覚的なバランスを考慮して調整します。

標準レンズ(35mm-70mm)

  • FIX、パン & チルト: 標準レンズでは、より伝統的なコンポジションのルールが適用されます。画面を三等分する「三分割法」を利用して、被写体を1/3、背景と全景を2/3で構成します。空は全景の中で自然に調和するように含めます。

望遠レンズ(70mm-200mm)

  • FIX: 被写体に焦点を当てる場合、画面の大部分を被写体が占め、背景は被写体を際立たせるためにぼかしを利用します。全景や空は、被写体のコンテキストを提供するために限定的に含めます。

  • パン & チルト: 被写体を中心に据え、背景や全景は被写体の細部を強調するために配慮深く選びます。空の含め方は、撮影しているシーンの雰囲気や目的に応じて調整します。

超望遠レンズ(200mm以上)

  • FIX: 非常に特定の被写体に焦点を当て、背景は最小限に抑えるか、完全にぼかして被写体を際立たせます。全景や空は通常含まれません。

  • パン & チルト: この焦点距離でのパンやチルトは非常に限定的で、被写体に完全に焦点を当てることが多いため、背景や全景の割合は非常に少なくなります。

 これらのガイドラインは基本的な出発点として役立ちますが、撮影状況や創造的な目的に応じて調整することが重要です。視覚的なストーリーテリングにおいては、ルールを理解した上で、それらを柔軟に適用または破ることが重要です。

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