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とさか世界一周旅行記 4日目

2015/10/3 5:10(ロサンゼルス)
2日のうちに書けなかった。疲れ果てて16時から今日の4時まで爆睡していたからだ。今日の文もちゃんと今晩中に書くとして、今は2日の間にあったことを振り返る。
まず、昨日の日記を書き終わった後に、グランドキャニオンを見るための予定を立てた。これがなかなか難しい。というのも、バスを逃したりツアーに間に合わなかったりするとすべてが水の泡になるからだ。そのため細心の注意を払ってブッキングを行った。アンテロープキャニオンも組み込みたかったのだが、時間を取りすぎるのと金銭的に厳しいので断念した。次の訪問にとっておこう。
驚いたのは、ラスベガスの安宿がめちゃくちゃ安いことだ。10ドルで泊まれる。
これらを終え、ようやく街に繰り出す。ハリウッドを見に行こうかとも思ったが、グリニッジ天文台へのシャトルバスが翌日のみ出ているとのことで、翌日に回して今日はビバリーヒルズへ。
バスの一日券を買いたかったが、細かいお金が無くて途方に暮れる。ATMも20ドルずつしかおろせないとのことで、近くのお店で飲み物でも買うしかないのかと悩んでいたが、ダメもとでCould you break 20 dollars?とお願いしてみたら普通にやってくれた。ここまでのところ、なんだか全体的に親切な人が多い印象を受けている。日本と比較してどうかはわからない。
さて、バスに乗って、7daysのフリーパスを頼んでみると、バスでは一日券しか買えないとの旨をなんかすごい文量で伝えられる。とりあえず、じゃあ一日券買いますよ、といってお金を入れる。こっちが理解してない感じでもお構いなしで喋るのはなぜなんだろう。今のところ、集中して聞けば聞き取れるが、作業したり考え事しながら早口で話されると理解できない、という感じ。
さて、乗り継いでビバリーヒルズへ。乗り換え地点で時間があったので近くのスーパーマーケットへ入ると、甘くないお茶が売られているのを見つけた。デカいので、買うとしたら帰りかなと思いながら店を出る。
ビバリーヒルズへ向かう途中、隣に座ってきた女性の横幅がすさまじく、アメリカを感じた。あとなぜかめっちゃipadの画面をのぞき込んできて気まずかった。
この時ipadでビバリーヒルズの安い昼食を調べていたのだが、比較的安価な店でも10ドル以上したので断念。まあおそらく立地のせいで高い部分が大きいのだろう、味として感動的なレベルではないだろう、と勝手に判断して、昼食は持参した食パンに決定。
ビバリーヒルズは、さっきまで自分がいた宿泊先周辺の乱雑な感じとはうってかわって、本当にきれいな建物や彫刻が置かれた公園などがあり、金持ちの街という感じだった。高級なブランドがずらっとならんでおり、居心地が悪かった。個人的な感想として、ディスプレイは日本より上手いなと感じた。個々のアイテムの見せ方やその配置に関して、最適解を選んでいった結果自然と全体が映えて見える、という感じ。余計な思考が介在していない印象。
さて、この日もめちゃくちゃ暑く、一時間ほど歩いたらもうへとへとになっていた。実は最後に寝てからもずいぶん時間が経っていた。特に喉が渇いていたので、ビバリーヒルズ最大のフードコートでスムージー的なものを飲もうと思い、マップを調べる。
すぐ近くのバス停から向かえるとのことで、ベンチに座ってバスを待つ。バスに乗ると、想定とは反対の向きに走り出した。しまった。この段階ですでに元気はゼロなので、降りて乗り換えるよりももうこのままバスに乗って適当なところへ行くことにする。
ビバリーヒルズから遠ざかるにしたがって街並みが変わっていくのは面白かった。道路が露骨に汚くなっていく。
ぼーっと外を観察していると、途中でバスが長時間止まった。早口でやりとりが行われておりよくわからなかったが、どうやら乗ってるバスか違うバスかどちらかでトラブルがあったらしい。結果的に、後続のバスに乗り換えることになった。そこでもぼーっと外を眺めていると、ある時とても印象的な建物が目に入った。LA County Museum of Artだそうだ。うわさには聞いていたけど、こんなにでかい美術館があるのか、という感じ。
そこから何駅か通り過ぎて、スーパーマーケットが見えたところで降りる。飲み物を買った。先ほど入ったスーパーと構造がほぼ同じで、たくさんの棚が並び、左には花屋、右にはスタバと惣菜とパン屋があった。お茶もあったがデカいし高い。ふらふらなので飲み物を買い、茶葉も買って店を出る。
さて、美術館にたどり着く。その手前にデカい自然館があり、広場で典型的なアメリカのクソガキ(言葉は悪いが、所謂それ)がいて笑った。野鳥が友達のパンを奪ってつついているときに、Do it!Do it!と囃し立てていた。
美術館は、まず周囲の建物やモニュメントが綺麗だったので、それらを見て回る。広い。そして、値段を見てみるとStudentsは10ドル。払う価値があるのか調べてみると、ここは西海岸最大とのこと。即決し、チケットを買う。一階はPacific art。造形がとても好みでゾクゾクした。デフォルメの仕方が極端に非人間的で、そこにある意図に思いをはせるととても心が震える。胸が大きくペニスもある人形が多く、両性具有信仰があったのかなどと想像した。
二階はモダンアート。これもすさまじい。全部について言語化はできてないが、いくつか気づいたことを。まず自分が美術作品を見る時は、ゾクゾクするかを判断したうえで、した場合はそれについて説明を付ける。そのパターンはいくつかあり、最も多いのは「これ思い付いたら自分もやりたくなるな」というもので、最も感動が深いのは「これを計算してやっているのか。。」というもの。この表現が適切かわからないが、「この人なら創造主になれる」というくらい、一枚の絵に世界を作り上げているものが好きだ。また自分でも意外だったが、彫刻などの三次元の芸術にはそんなに感動しなかった。
三階は西洋画とancient art。西洋画は疲れ果てている脳では物語が再生できずほぼ感動しなかった。もったいない。
ancient artはこれぞという感じ。african textileの緻密さはすごい。これを人間がやるのか。古代エジプトの動物に対するリスペクトも素晴らしい。
4階はIsramic artとSouth asian art。イスラームの現代芸術が展示されており、そんな分野があることすら初めて知った。カリグラフィが見れなかったのは残念だった。さて、南アジアのアート。これはもうとにかく最高。青ガラスの色も好きだし、金細工の細かさも好き。武器の美しさは本当に魂を取られそうになる。先ほどの古代芸術にせよ、なぜ食べるにも困っていたはずの当時にここまで芸術が発達したのかというのがとても興味深い。というより本当に心底感動する。人間性に対する一つのアプローチになるはずだ。
踊るガネーシャの踊ってる感やばい。シヴァの暴力性もひしひしと感じる。
ホクホク顔でその建物から出たが、実はあと6つほど建物がある。中国芸術もラテンアメリカ芸術もまだ見ていない。見たかったが、もう脳みそも体も限界だった。旅の途中にもっと大きな美術館にも出会えると思い、その場を泣く泣く立ち去る。
宿に着き、泥のように眠り、今に至る。さあ、取材前後のブッキングを終えて、ハリウッドへ行こう!

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