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読んだそばから忘れる

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毒にも薬にもならない読書の記録。
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2019年9月の記事一覧

山崎ナオコーラ『ブスの自信の持ち方』

◆山崎ナオコーラ『ブスの自信の持ち方』(誠文堂新光社、2019年) 山崎ナオコーラが好きだ。作品などの略歴にある「誰にでもわかる言葉で、誰にも書けない文章を書きたい」という目標がもう魅力的だし、彼女の書く文章は静かだけど強い、そう感じている。小説なら『昼田とハッコウ』、エッセイなら『かわいい夫』『母ではなくて、親になる』が好きだ。特に『母ではなくて、親になる』は「だってそういうものだから」というある種の呪いを解いてくれる良書だと個人的には思っている。私かお金持ちだったら配配

カレー沢薫『女って何だ?』

最後まで読もう。これは希望の書だ。◆カレー沢薫『女って何だ?』(キノブックス、2018年) 「希望の書」とは我ながら大きく出たものだ。安易に「希望」だとか言っちゃって、と思うかも知れないが、読んでみて「希望はここにあったか」と思ってしまったのは事実なので今回ばかりは多めにみてほしい。ちなみに今後も使う可能性は大いにあるのでその度に許しを乞うつもりである。そしてそれまでに語彙が増えることを願う。 さて、現代のナイチンゲール(すでに誰か言っていたらすみません)ことカレー沢薫女