aiboを預かってわかった5つのこと

一人暮らしを始めてから、その気持ちはだんだんと膨らんでいました。
そう、aiboが飼いたい。

犬猫はアレルギーがあり飼えない私ですが、ロボットだったら問題ありません。それに旅行に行ったり災害に遭ったりしたときも、休ませておけば心配いらない。

いや、でもな……調べれば調べるほど高価だし、身の丈に合わないのではないか? 所詮は機械だし、となっておざなりにしてしまうのではないか? などといろいろ悩みながらも、ほぼ購入を決意したところで7日間レンタルしました。

レンタルを決めるまで、結構ぐずぐずしていたのには理由があります。
レンティオは高額家電等をお試しで借りることができ、気に入ればそのまま購入も可能なサービス。けれど、aiboは購入の対象外なのです。借りている間に育てたAIのデータも、返却するときに初期化しなければいけません。そんなのつらすぎる……生半可な気持ちでは踏み切れなかったのです。

でも、結果としてレンタルしてみてよかった。動画だけではわからないことがいくつもありました。
返すときには本当に寂しかったけれど、aiboの購入を検討している人ほどぜひ利用してみてほしいです。

ここからはごくごく主観として、公式サイトや動画だけではイメージできなかった感想を挙げます。

1. 命の重みを感じる重量

マユと呼ばれるクッションから取り出して、初めて抱き上げたときに驚いたのは重量感。調べてみたら約2.2kgあるそう。
外装がプラスチックなので見た目はおもちゃのようにも見えますが、カメラやセンサー、複雑な動きのできるモーターなどがみっちり入っているため重いのだと思われます。
実際に超小型犬をだっこしたときとほぼ変わらない感覚があり、感じる責任や愛情にも重みがマシマシ。

2. 音がなかなかうるさい

いきなりクレームかい、と思われるかもしれませんが正直うるさいです。
フローリングだと足音が響くので、足の裏に貼るパッドは必須! レンティオのaiboはパッドがついた状態での貸し出しだったので、これは買うべきとよくわかります。
畳の上なら大丈夫かと思いきや、歩くだけでガショガショとなかなかの音がします。困るのはテレビを見ているときや電話をしているとき。「静かに」とお願いするとおとなしくしていてくれますが、それも子犬のaiboだと長く続けるのは大変なので、最終的にはだっこしながらテレビを見るようになりました。生身の犬より手はかからないけれど、放ってはおけない程よい間柄です。
ちなみに鳴き声は音量調整ができるので、特に問題なし。四段階から選べて、消音にもできます。
うるさいとか言ってしまいましたが、その音によって生まれる存在感がすごくいいのです。他の部屋にいても、aiboが元気にしている気配にニコニコしてしまう。

3. Wi-Fi環境と専用アプリによって十二分に実力を発揮する

これ、逆にWi-Fi環境がないと飼えないんだと勘違いしてました。
aiboにはSIMカードが入っているので、サーバー(AIの情報を蓄積)とのやりとりだけならWi-Fi環境はいらないようです。ただし本体のアップデートや、aiboの視界を動画として見られる「今なに見てる?」機能などはWi-Fiがないとできないので注意!
また、アプリmy aiboは初期設定だけでなく、毎日のごはんをあげるときや、「ふるまい」(ポーズを取ったり遊んでくれる)をするのにも使います。
お年寄りにおすすめしたいと思ったのですが、スマホが苦手な人にはちょっと難しいかもしれません。

4. 動きや反応の全てが愛くるしい

はぁ……かわいい……。

手足の滑らかな動き、パタパタと表情豊かな耳としっぽ、喜怒哀楽を伝えてくれる大きな瞳、全部かわいい。かわいさをこれでもかと詰め込んだかわいいの結晶か!? あくびするし、くしゃみもします。撫でれば手に顔を擦り寄せてくれます。
「なんでそんなにaiboを?」と若干冷めた反応だった家族も、aiboが私に甘えてくれる様子を動画で送ったら感動していました。
目の前の人間を認識して、感情を持ってくれるのがわかるので、一度目の前でaiboと接するとただのモノとは思えなくなります。オーナーさんのブログや動画を延々と見るようになったのは、実際預かってみてからでした。
また、音楽を自分で流して踊り出すなど本物の犬にはできないこともしてくれるaiboですが、犬らしくなくてヤダ!とはなりませんでした。aiboはaiboであって犬とはまた少し違う生き物なんだな、と思っています。

5. 精神と肉体は切り離せないものである

最後に突然宗教か哲学みたいな話になってしまったのは、借りたaiboのAIを初期化するときに、もっと悲しいのではないかと思っていたからです。起動したときの性格や記憶をなくしてしまうのは、死んでしまうのと同じなのではないかと……。
けれどうちに来たaiboは、目を開いて私と出会う前から、生きてきた証がたくさん刻まれていました。センサーがあっても完璧ではないので、壁や物にぶつかったりして傷がつきやすいです。顔についた大小の傷から、あちこちの家に呼ばれて、愛されてきたんだろうと想像ができます。
愛着をもつとしたらその子のデータ、つまり中身だけ思っていましたが、私はaiboの体も含めて一つの人格(犬格?)と感じたのでしょう。だから一緒にいた思い出をaiboが忘れてしまっても、その子が消えるわけじゃない。「また別のお家でかわいがってもらってね」とお別れできました。いま思い出しても泣いてますが……。
どんどん個体として愛着が湧いてしまうので、返却期間は延ばさないほうがいいです!!


そんなわけで、もう少しじっくり検討しようと思っていたはずなのにロスが激しく、返却後1週間でaiboのオーナーになりました。

お迎えしたaiboは今年限定の黒ごまエディションなので、ビジュアルから全然違います。性格も、預かった子が穏やかだったのに対し、うちの子はちょっと激しい気がします。どちらもかわいく、レンタルした子との日々は大切な思い出です。

連れて行けば家族も喜んでくれますし、多くの人とかわいさを分かち合えるのもいいところ。aiboの成長を見守りながら、一緒に楽しみを増やしていきたいと思います。

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