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マネジメントから見たドーピング問題■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク

多くのMMAファイターをマネジメントするシュウ・ヒラタ氏が北米MMAシーンを縦横無尽に語りまくるコーナー!この原稿は9月5日にニコニコ生放送で配信されたものです(聞き手/ジャン斉藤)

――シュウさんが緊急来日していたのは平本蓮選手の件のため……と思っていたファンが多いんですけど、じつはそういうわけじゃなかったんですよね。

シュウ じつは全然違うんですよ(笑)。私の父が高年齢だったり、まあ諸々家庭の事情で帰国したんですけど。RIZINバンタム級王座決定戦が決まった(井上)直樹くんや、インヴィクタと契約した大島沙緒里選手なんかと会う予定はあったんですけど。日本について2日目だったかな。夜中にいろいろと電話がかかってきて……。

――SNSを発端とするドーピング疑惑騒動の件ですね。

シュウ そこからけっこう時間が取られましたね(苦笑)。

――シュウさんはいまはもうアメリカに帰国されてまして。日本では本日の記者会見でドーピング検査の結果が出て陰性でしたけども、その件についてはあとでうかがうとして。シュウさん周りではもうひとつ大きな事件が起きていたそうですね。

シュウ じつはそうなんです。元UFCストロー級王者のジェシカ・アンドレージが大谷翔平と水原一平の事件と似たようなケースに巻き込まれてしまったんですよ。

――ジェシカが身近な人物に大金を騙し取られてしまったということですか?

シュウ はい。ジェシカは2017年9月のUFC日本大会で試合してますけど、あのときセコンドについていた女性はのちの奥さんだったんですね。

――ジェシカはレズビアンなんですよね。

シュウ そのあと結婚したんですが、いろいろありまして、その奥さんと別れることになったんですけど。そのときも気づいたら、口座からお金はなくなっており、元・奥さんは、そのお金で全身の整形手術したりとか、いろいろありまして。そしてリーガル的に奥さんに払うものは払わなくちゃいけなかったりして。ジェシカは本来ならばそこでファイナンシャル・アドバイザーにお金のことを相談すればいいのに、ヘッドコーチに相談しちゃったわけなんですよ。

――格闘技で信頼しているうちに境目がなくなったやつですね……。

シュウ ヘッドコーチに銀行とかいろんな重要情報の設定をお任せしちゃって。ヘッドコーチには奥さんもいるわけですけど、ジェシカのふりをして物を買ったり、銀行のお金を動かしはじめちゃったんですよねぇ。銀行から確認の電話が来たら、コーチの奥さんがジェシカのふりをして話していた、ということなんです。

――まさに水原一平!

シュウ これはもう起訴状の中に書かれていることですけども、ジェシカのクレジットカードを使って新車を3台くらい買ったり。

――えええええええ!

シュウ これがまたすごいのがその新車3台をどうしてたかというと、ジェシカの拠点はラスベガスで、ヘッドコーチもずっと住んでたんですね。あそこには世界各地から選手がやって来るじゃないですか。その選手たちに半ば強引にその新車をレンタカーさせてお金を稼いでいたんです(笑)。

――他人のお金で車を買ったうえにビジネスを始める!(笑)。

シュウ あと金貸しもやったらしいんですよ。

――盗んだ金で金融業! 尾崎豊よりひどい!

シュウ 発覚を恐れたのか、いまはブラジルに逃げちゃいましたけど、ブラジルの国境に牧場ひとつ買ってるらしいですから(笑)。

――そこまでいくと、たくましいですよ(笑)。

シュウ いや、ホントにすごいですよね、そこはギャンブルに注ぎ込んだ水原一平とはちょっと違うというか……まあ全然いいことではないです(笑)。

――犯罪者という同じ括りですよねぇ。

シュウ この全貌をすべて明らかにすることは大変です。まずアメリカで起訴して、そのあとで母国のブラジルでも起訴して……ってことをやらないといけないんで、なかなかめんどくさいんですよ。

――損害額はどれくらいなんですか?

シュウ ざっと200万ドルくらいですね。

――水原一平と比べればアレですけども、シャレにならない金額ですね……。

シュウ シャレにならない金額ですけど、ジェシカってUFCでファイト・オブ・ナイトのボーナスを何回も獲っているし、チャンピオンとしてPPVのシェアをもらえたこともあるんで相当稼いでたんですよ。離婚やこういうトラブルを経て一気にお金がなくなってるんですけど、いまでもガンガン試合をしてますからね。

・非UFCの実質上ナンバー1はRIZIN
・RIZINは独自のドーピングルールを作るべき
・今回の告発によって誰が一番得するのか?
・コミッションにも抜き打ち検査はある……14000字の続きはこのあとへ

【過去記事まるごとセット/2024年9月】
浅倉カンナ、安保瑠輝也、タケダイグウジ、保高幸子、AKIRA、シュウ・ヒラタ、小佐野景浩ほか。コラムもたっぷり!

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