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堕ちたデスマッチファイターは、わずかな希望にバンプを取り続ける

アメリカのインディプロレスの“現在”を伝える連載! アメリカインディープロレス専門通販「フリーバーズ」(https://store.shopping.yahoo.co.jp/freebirds)を営む中山貴博氏が知られざるエピソードを紹介していきます! 今回のテーマは堕ちたデスマッチファイターは、わずかな希望にバンプを取り続けるです!

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かったるくなった。すべてが面倒くさくなった。

なんで俺はこうなっちまったんだ……。

道端に止めた車の中で男は後悔に苛まれた。だが、意識が朦朧としてくると、今度は一変して、大歓声を浴びた、あの3年前の夏が走馬灯のように駆け巡っていくのであった。

念願が叶い、初めて訪れた日本で、憧れの葛西純と戦った。あれは幻だったのか。そんなことを考えているうちに、だんだん目の前が真っ暗になり、意識を失っていった

2022年11月17日、アメリカ・ペンシルベニア州のほぼ中央部、ハンティンドン郡の丘陵地帯を走る片側一車線の走行反対側道路の路肩に、一台のSUV車が止まっていることを州警察のパトカーが発見する。不審に思った警官が車に近寄り、車内を覗くと、運転席と助手席でぐったりしている2人の男を見つける。これまでの経験から車内で2人が行っていたことに見当がついた警官は、車のドアを開け、眠っている2人に拮抗薬を投与する。

ペンシルベニア州警察は、助手席に乗っていた59歳のバリー・リーチをヘロイン所持のため身柄を拘束する。

顔の左右に大きなタトゥーが入っている運転席の男も、警官の尋問により、車内でヘロイン10袋を吸引したことを認める。また、ズボンのポケットに覚醒剤(メタンフェタミン)を隠し持っていたため現行犯逮捕。ほかにも車内からは様々な危険薬物が発見されたのであった。

運転席の男の名前は、ブランダン・グレイバー。この年の2月に行われたGCWでのデスマッチを最後に表舞台から消えていた、あのGレイバーだ。薬物所持等の罪で逮捕された2人はハンティンドン郡刑務所に投獄された。逮捕された際、Gレイバーが持っていたのは、マリファナやヘロインなどの各種薬物や精神安定剤、そして、2万円ほどの現金だけだった。

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