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侵略者、現る!! 宇佐美正パトリック「みんな食ってやります」


RIZIN福岡に参戦する宇佐美正パトリックインタビュー! 高校時代にボクシングで輝かしい実績を残してMMAに転向。LDH martial arts所属として3勝1敗のレコードを残していたが、先日LDH martial artsを離れフリーとなった。9月の超RIZIN&RIZIN38では矢地祐介戦の噂もあった宇佐美にボクシングから現在までの道のりを語ってもらった(聞き手/松下ミワ)


――先ほどは、RIZIN.39の会見お疲れさまでした!

宇佐美 めっちゃ緊張しました! めっちゃ早口になっちゃいました!

――ハハハハハ! パトリック選手って試合だと舞台度胸のかたまりみたいな印象ですが、意外と緊張するんですね。

宇佐美 いやあ、そうなんですよ。試合のときはその瞬間にドンと変われるんですけど、会見なんかはやっぱりまだ慣れないですね。

――でも、あれだけのRIZINファイターが並んでいたにもかかわらず、パトリック選手にはもの凄く「華」を感じました。

宇佐美 ホントですか? ありがとうございます!

――ファイターとしてそういうのも意識されているんですか?

宇佐美 いや、もう自分はとにかく強さを徹底して磨いているんで、そういう余計なことは考えてないんですね。だからこそ、いまそう言われてよけいにうれしかったです。でも、今日の会見ってフェザー級タイトルマッチの調印式もあったせいか、ピリついた感じでしたよね。それが逆に「やっぱ凄くいい雰囲気だな……」って。

――パトリック選手自身も「RIZINで戦いたい相手がいる」という刺激的な発言がありましたよね。

宇佐美 そこはもう言いたいことはしっかり言わないと。そうじゃないと絶対に実現はできないので。だから矢地(祐介)さんとも戦いたいですし、強い人を食って自分をもっとあげていきたいです。

――矢地選手ご本人がいる中でその発言ができるのは凄いです。

宇佐美 だからこそ言わないと。ああいう場所だからこそ言わないと実現しないと思うんですよ。今回組んでもらったのは佐々木信治選手とのカードですけど、このまましっかりKOで勝ったら年末にも組んでもらえる可能性もありますから。

――そんなに早く戦いたいんですね。

宇佐美 組んでほしいです。まあ、矢地さんとは言わず、ある程度名前のある選手とは絶対にやりたいですね。

――これまでRIZINライト級はどういうふうに見ていたんですか?

宇佐美 やっぱりレベルは高いと思っていました。有名な選手も集まってきますし、チャンピオンのホベルト・サトシ・ソウザ選手も柔術の力がかなり凄いと思うので、やっぱり凄いというか。それに、ボクも直接会場に来て観たこともありましたから。つい先日の超RIZINとRIZIN.38もさいたまスーパーアリーナで観ましたし。

――超RIZINとRIZIN.38はめちゃくちゃ盛り上がりましたが、自分があの舞台に上がるとなると、やっぱり興奮します?

宇佐美 もちろん興奮もしますけど、自分の中ではまずそこに上がらないと意味がないと思っています。そして、上がることが目標ではなく、しっかり勝たないとと思いますね。やっぱりボクは本当に世界に行きたいので。ROAD to UFCとかでは、自分のやってしまった過ち(計量前の体調不良による欠場)がいろいろあるので……。まあ、いろいろツイッターのDMとかでも凄いのが届いたりしましたし。

――え、DMでけっこう辛辣なコメントが……?

宇佐美 でも、それを見返すというとおかしいですけど、それはしっかり結果で「あ、宇佐美やるやん」と思われるような試合をやろうと思っていますね。

――今回、佐々木選手との試合は契約体重が75キロですよね。

宇佐美 そうなんです。じつは、もともと違う選手と対戦予定だったんですけど、それがダメになってしまって。「じゃあ、ほかに誰かいないか」となったときに佐々木選手が75キロでなら、ということだったんで、ボクも「それでOKです」と。ここでしっかり勝ったらアピールできるチャンスにもなるのでね。

――いろいろ条件を呑むことで、チャンスを掴むというか。

宇佐美 だから、まずはしっかりKOで派手に勝つことです。

――そんなパトリック選手といえば、ボクシング仕込みの豪快な打撃が印象的ですが、キャリアのスタートは空手からなんですよね?

宇佐美 そう、空手です。空手を始めたのは3~4歳ぐらいからですね。

――それは、日本拳法の経験があるお父さんの影響だったんですか?

宇佐美 そうですね。最初は「道場に行ってみようか」ということで、お父さんがボクと弟を連れて道場に行ったんですけど、そのときに「おもしろそやな」と。

――ということは、けっこう自分の意志で始めた部分が大きかった。

宇佐美 はい。自分がやりたいと思って始めました。まあ、キツイなあと思うこともあったんですけど、全然苦ではなかったですね。

――そして、そのあとがボクシングですか?

宇佐美 いや、空手のあとはキックボクシングです。キックボクシングは小学校から始めたんですけど、当時ボクはK-1に出ようと思っていたので。ただ、K-1自体が大変な時期がありましたよね?

――ちょうど旧K-1から新生K-1に体制が移る頃ですかね。

宇佐美 なので、今後をどうしようかと考えたときに、小学5年生で格闘技を全部1回やめたんです。それで、小学6年生の1年間は水泳やダンスとか格闘技以外のものもやってみたんですけど、いろいろやった結果、たどり着いたのがボクシングだったという(笑)。

――また格闘技に(笑)。やっぱり好きなんですね。

宇佐美 それもあるし、ちょうど2020年の東京オリンピックが開催されるということで。だから「これ、オリンピックに出てプロに転向したら一気に世界が変わるよな」と。当時は重量級だったんで自信もありましたしね。

――ボクシングでは何キロだったんですか?

宇佐美 一番軽い階級のときは64キロでしたけど、64キロ、69キロ、75キロで戦っていますね。まあ69キロが基本でしたけど、高校のときは64でも全国2回獲っています。

――2回どころか、高校では6冠だったと聞きました。

宇佐美 ああ、それは64キロと69キロの階級ですね。だから、インターハイ2連覇、国体2連覇、あとは選抜大会2連覇で合計6冠です。

――す、凄すぎます!

宇佐美 いやでも、ボクにとって一番意味があったのは世界3位になったことですね。AIBA世界ユース選手権の重量級で銅メダルを獲れたのは、やっぱり自分の中で一番大きかったです。

――それだけタイトルを獲っていれば、相当自信があったんじゃないですか?

宇佐美 自信はありました(キッパリ)。でも、それに浮かれている自分もいて、なんかちょっと自分がキライでもありましたね。なんか、調子乗っている時期もあったんで。でも「もう絶対に誰にも負けへんやろ!」と思っていたときに、オリンピック選考会で負けてしまって。ボクに勝った相手が優勝しちゃったんですけど、それで「もう東京五輪出られへんのや……」と思ってどん底まで落ちてしまって。

――そうだったんですね……。

宇佐美 そこで、どうしようかと思ったときにMMAにたどり着いたんですけど、それも身近にストラッサー起一選手がいたので。それで、MMAの基本とかは起一さんに教えてもらっていましたね。

――ストラッサー選手とは、もともと知り合いだったんですか?

宇佐美 ボクのお父さんがずっと起一さんを応援していたんですよ。で、たまたまボクも起一さんと会う機会があって。ボクが初めて起一さんに会ったのは中学生のときですね。

――じゃあ、MMAという競技が視界に入ってきたのはそのぐらいの時期で?

宇佐美 いや、MMA自体はもっと前から知っていました。もう、ボクが空手をやっているときからですよ。

――となると、3~4歳とかですか?

宇佐美 そう。朝起きるじゃないですか。そうすると、テレビに映っているのはボクシングの『EXCITE MATCH(エキサイトマッチ)』かUFCかのどっちかでしたから(笑)。

――お父さんがWOWOW加入者だったから、どっちも観てた(笑)。

宇佐美 だから、ホンマに格闘一家という感じですね。弟(宇佐美秀メイソン)も格闘技の実力は凄いですし、昔からそうですけど、お父さんには厳しい練習をやってもらっていたんで。休みの日も、どっかに出かけるというよりかは格闘技の話をずっとしていたりして。

――365日格闘技でも、イヤにならないもんですか?

宇佐美 たまにちょっと「あれ、これ休みかな……?」と思うこともあるんですけどね(笑)。まあ、好きなので全然です。

――それにしても、よくこれだけの栄冠を手にしていながら、コロッとMMAに転向できましたね。

宇佐美 いや、MMAはめっちゃ楽しいですよ!

――ボクシングに未練はなかったんですか?

宇佐美 うーん、正直オリンピックに行けていたら未練はあったと思うんですけど、行けなかったので「もうないかな」と。たとえば、いまからプロになっても、世界に行くまでに凄く時間がかかるし。そうなったときに、もっと自分の持ち味を活かせるところはどこだろう、と。空手、キックボクシング、ボクシングといろいろやってきた中で「あ、やっぱMMAじゃん」って。そんな感じですね。

――ご自身としてはMMA転向は自然な流れだったんですね。

宇佐美 自然です、本当に。

――そのときに、LDHのオーディション『格闘ドリーマー』のチャンスが来たという。というか、あの企画の中で行われた合宿は厳しすぎて地獄のような光景でしたよね……。

宇佐美 メチャクチャ凄かったですね(苦笑)。でも、アレを経験してないと、ボクらは逆に「この場にいていいのかな?」と思っちゃうというか。自分がそのレベルに達していないんじゃないかと思うような感じだったので。

――ずっと格闘技やってきたパトリック選手にとってもヤバかったんですね。

宇佐美 いやー、しんどかったです! 筋肉痛がハンパなかったですよ。でも、MMAに関する知識とかもそうですし、あの合宿とかを経験したことで得ることのほうが多かったので、凄く感謝しています。

――MMAという競技は初めて体験したわけじゃないですか。たとえば、バックボーンが打撃系の選手って寝技で心が折れるという話も聞きますが。

宇佐美 って聞くんですけど、ボクは最初からずっと楽しいですね。なんか、練習で漬けられたりするじゃないですか。ボクシングではそこまでやられる経験がなかったんですけど、練習でやられまくったら「あ、こうやってやられるんや」というのがわかるというか。なんか毎日勉強ができるので楽しいんですよね。<会員ページへ続く>

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