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日本人史上最年少でUFCと契約! 西川大和インタビュー「ステージが変わるだけ」

19歳5ヵ月という日本人史上最年少でUFCと契約した西川大和インタビュー! 今回も19歳とは思えない達観した語り口をお届けします!(聞き手/ジャン斉藤)

西川大和のことをよく知るための“半年前”のインタビュー

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──UFCの契約おめでとうございます!

西川 ありがとうございます。

──率直な心境はいかがでしょうか。

西川 そうですね。嬉しい部分もあり、やっとスタート地点に立てたかなと思います。

──UFCは入ったあとが大変ですもんね。今回は急な契約だったわけですけど、西川選手は先日修斗の試合があったばかりですが、今後のことはどんな風に考えていたんですか?

西川 今後のこと……やっぱり格闘技界はいろいろとあるんで、今後のことはやっぱり考えにくいところはありました。なので、地道にコツコツと試合をコンスタントにこなしていこうという感じでしたよね。

──どこからかオファーがあれば出たかもしれないし、そのときの状況によって判断していくということですかね

西川 そうですね。時と場合に合わせるしかないですね。

──それは基本的にUFCを目指していたからこそニュートラルな姿勢だったということですか?

西川 そうですね。どっちみちUFCには最終的には行きたいなと思ってました。なんて言えばいいんだろうな……できない試合を頼み込んだって、それはないものねだりになってしまいますから。目の前の試合をしていくてことだけしか考えてなかったです。

──西川選手がONEに出られない理由はワクチン未接種でしたが、UFCとの契約にあたってそのへんはどうなんですか?

西川 アビダビ(UFC280開催地)はワクチンなしでも入れるんですよ。いろいろと話も伺っていて、来年から世界的にワクチンなしで行けるという話もありますし。

──今回は選手の負傷で枠が空いたかたちでの緊急出場ですが、UFCからオファーはあったときはどう思われました?

西川 とくに驚きはなかったんです。ただ、これでやっとスポーツアスリートの枠に入れたかなと思っています。UFCの選手の扱い方というのは、日本のメジャーな競技だったらあたりまえのことなので。だから「これでようやくちゃんとしたアスリートになれたのかな」と。

──日本人最年少契約ですけども、ひじょうに落ち着いた感想ですね。

西川 それは時と場合の流れに乗っての話なので。今回若くしていけたということは、たくさんのサポートがあってのことなので。そこはUFCにも感謝ですけど、いままで支えていただいた方々に感謝する気持ちは大きいですね。

──UFCではライト級で戦いますが、西川選手はここ3試合はライト級ではなく1階級上のウェルター級でやられてましたね。

西川 もともとONEに行きたかったのは高みを目指すうえで、まず手の届くところから片付けていくということで、東南アジアのONEを選んだんですよ。そのONEのライト級というのは77キロなんですよね。

――ONE独自の計量方法のために、どの階級もユニファイドの実質ひとつ上になりますね。

西川 そこにまず身体を慣らすためにウェルター級で戦ったということですね。

──でも、そのONEとの契約はワクチン未接種でかなわず、ということでした。。ワクチンを打ってONEに出ようする考えなかったんですか?

西川 考えてなかったですね。結局、ほとんどの選手だったり、メディアの人たちも含めて、「大舞台に出た」という名がほしいのが大半だと思うんです。でも、「ONEに出られないから終わり」とかではなくて、大きい団体に出てもコツコツとやることが目標なんです。今回がたとえばUFCじゃなくてONEからオファーが来ていたら、ONEに行ってますし。そこも時と場合の流れですよね。

──そこは慌てず騒がずに悠然としているんですねぇ。

西川 たしかにチャンスというのはめったに巡ってこないもんですけど、こだわるっていうのは大切ですよね。

──チャンスを逃すんじゃないかっていう後悔はないってことですね。自分の信念を貫いてくれば、自分に合ったチャンスがやってくると。

西川 なので、ボクの考えは他の格闘家と合わないんですよ。何か大きいことが起きたからリアクションをするということではなくて、ボクの考えはアスリートとして普通の考えなんですよ。アスリートは毎日いつでも動けるような準備をしておく。そして、いつでも試合ができるようにコンディションを整えておく。そこが第1条件だと思うんです。そうなると、オファーするほうもオファーがしやすいイコール、チャンスになる。巡り合わせがしやすくなりますね。今回はそういったことが起きたのではないかなと。

──修斗の草MAX戦は判定勝利でしたけども、この試合は「何かを試す」という考えがあったように見えました。

西川 そうですね。試合というのはスパーリングもしくは練習何百回分の経験になるので。試合でまずディフェンスを磨きたい。そして自分よりも10センチ大きい相手にしっかりとパンチを当てる。そこを試したかったんです。そこを達成できたことは自分的にはよかったと思いますけど。この試合を見ているファンや、大会を運営をされてる側からしたら「なんだこの試合は……」っていう印象を受けたかもしれませんが、ボクから言わしたら「負けたら負けたりどうせ使わないんだろう」「勝てばいいんでしょ」と思ってますね。

──自分を試したうえで勝利を追求するっていうことですね。

西川 結局、自分の自己満で格闘技をやってるだけなので。自分が格闘技好きで、格闘技を仕事として成り立たしたいと思って戦っています。べつに誰かのためにやっているわけでもなく、結局自分のためにやったことが、誰かが見て心に響く。それがボクたちの仕事です。だからどう思われようが叩かれようが、なんとも思わないです。たとえばUFCで試合をして、いつもと違う試合をして、それでも勝ったとしても何か文句を言われることはあると思うんですね。

──なにかしら言われる時代ではありますね。

西川 やっぱりでこの歳でUFCに行ったことにも嫉妬だったり、ジェラシーを持ってる方のほうが多いので。言いたいだけ言ってれば……と。ボクは「勝つ」ことができればいいと思ってる人間なんで、周りの声は気にしないですね。

──勝つだけだったら今回の試合って、勝つ手段は他にもあったように見えるんですけども。そこは今後のために試したうえで勝ちたいと。そもそもウェルター級でやること自体が試してるわけですけど……。

西川 今回みたいな試合って、すごく大切なんですよ。まず勢いで勝たない。

──勢いで勝たない。19歳の言葉とは思えないです(笑)。

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