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掣圏道SAプロレス、馬場元子さんの思い出■長井満也
UWFやリングス、K-1まで、様々なリングで戦ってきた長井満也インタビューシリーズ第9弾! 今回はリングス退団後の長井満也です (聞き手/ジャン斉藤)
①「我が青春のスーパータイガージム、シュートボクシング」
②地獄の新生UWF新弟子編
③長井満也インタビュー「いつのまにか解散してしまった新生UWF」
④恐るべきプロレス団体リングスの真実
⑤リングス伝説の佐竹雅昭戦とは何だったのか
⑥リングスジャパンは仲が悪かったのか?
⑦【リングス退団編】俺はそんなことを絶対に言っていない
⑧K-1参戦、安生洋二の前田日明襲撃……リングス退団後の長井満也
――リングスを退団した長井さんはK-1からオファーを受けて現役を続行しますが、しばらくしてK-1を離れますね。
長井 K-1をやったのは腰掛けのつもりじゃなかったですけど、それをきっかけにプロレスの世界に戻れるんじゃないのかな、という考えがあって。最初はK-1とプロレスを両立していけたらいいなと思っていたんですよ。どういう風にプロレスの世界に戻ればいいのかを模索していたときに、K-1で一緒だった安生(洋二)さんのマネージャーさんを通じて、佐山(聡)さんを紹介してもらったんです。
――それが掣圏道のSAプロレスなんですか?
長井 そうですね。ボクはリングスタイルでしかプロレスをやったことがなくて、従来のプロレスを教えてもらうなら一番の人に習おうという話になって。そのとき佐山さんは北海道の旭川を本拠地に掣圏道をやっていたので。それで旭川まで行くことになったんです。
――やっぱりK-1よりプロレスだったんですね。
長井 いやらしい話ですけど、K-1のファイトマネーってプロレスに比べたら全然いいんですよ。でも、毎月試合があるわけでもないし、年にできても数試合しかないから生活も厳しい。そういう事情もあってプロレスに戻りたいという気持ちがありましたね
――それで佐山さんに会われたんですね。
長井 やっぱり佐山さんとはご縁もあったんでしょうね。佐山さんに「私は昔スーパータイガージムで指導していただいたんです」って伝えたら「オマエ、あのときの満也か」って覚えていてくれたんです。あれはすごい嬉しかったですね。何百人も生徒がいたわけですから。
――旭川はどんな環境だったんですか?
長井 旭川に掣圏道のスポーサーになっている方がいたんです。向こうでプロモーターや不動産経営をされてて、旭川の市内にいくつかホテルを持ってて。そのひとつのホテルに私も住み込みました。佐山さんはどうだったのかな。ホテルだったのか、どこかにご自宅を借りてたのか、ちょっとわかんないですけど。
――掣圏道の興行にはプロレス部門のSAプロレス、MMAのアブソリュート、パウンドありの立ち技SAボクシングをやってましたけど、格闘技の試合に出ていたロシア人たちもそのホテルに泊まっていたわけですね。
長井 そうですね。そのロシアの選手もホテルに泊まっていたんですが、プロレスの練習をするのはボクひとりだけだったんですよ(笑)。道場はホテルから徒歩で行けるくらいの距離にありました。いわゆる倉庫の中にフルサイズのリングが置いてあって、そこで練習しましたね。これがまたすごい話なんですけど、ボクと佐山さんの2人だけの練習だったんですよ。試合があるときは、当時バトラーツの選手と、まだ新日本の所属になってなかった4代目タイガーマスクが旭川まで来てたんですけど。
――基本は佐山さんとマンツーマン!
長井 ボクはスーパータイガージムで佐山さんから格闘技は教えてもらったことあるけど、プロレスはなかったんです。そもそも佐山さんがオーソドックスなプロレスを教える機会もなかったから、ボクはプロレス業界で佐山さんからプロレスを指導してもらった数少ない人間だと思います。リングスの頃も濃密でしたけど、佐山さんと付きっきりでのプロレス練習もなかなか濃密でした。ボクにとっては佐山さんは神様みたいな人だから、ホントに幸せな時間でしたね。
――佐山さんはUWF離脱以降、プロレスとは距離がありましたね。猪木さん経由で新日本に復帰して、UFOで小川直也の教育係をやっていたりしましたが……。
長井 佐山さんはプロレスの考え方から、腕や足の取り方までを教えてくださって。いわゆる入門編ですよ。普段はボクと佐山さんだけなんですが、試合が近くなると、旭川に来たバトラーツの選手や4代目と模擬試合みたいなものをやって。
――要は練習試合ですね。
長井 そこで佐山さんが「じゃあ、長井くんはヒールになったつもりでやってみようか?」と。
――佐山さんの口からそんなことが!
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