【RIZIN神戸総括】笹原圭一の関東大会場4連戦やってやるって！
大会後恒例！RIZIN広報・笹原圭一さんのRIZIN神戸総括12000字です！（聞き手／ジャン斉藤）
――笹原さん！ 4月、6月、７月と３大会連続都内大会場にはビックリしました！
笹原 こうなったら大晦日まで毎月やってやるって！
――なんで越中詩郎調なんですか！（笑）。4月は有明アリーナ、6月は代々木第一、７月はさいたまスーパーアリーナのスタジアムバージョン。プロレス格闘技はどこもチケットのセールスに苦労してますけど、RIZINは絶好調なんですね。
笹原 そういうふうに皆さんおっしゃいますけど、毎回必死に仕掛けを考えたり、話題を作ったりしてウチはウチで苦労してますよ。越中さんもメキシコ遠征時代はサムライ・シローとして扱いはよかったですけど、実際は本当に苦労したって話ですし。
――越中さん情報はもうけっこうです！ RIZINのブランドだけでチケットが確実に売れるわけではないと。
笹原 SNSでプロレス格闘技のスキャンダラスをダラダラ追ってるだけの斉藤さんには理解できないと思いますけど、プロモーターってどんなに準備しても不安が尽きないんですよ。
――ボクだって苦労してますよ！齋藤彰俊さんが「覇」と大きく書かれた平成維震軍の大旗を振り回しているように、いろんな話題を振りまいてます。覇!!
笹原 （無視して）きたる4月の有明アリーナも鈴木千裕vs金原正徳のチャンピオンシップ、牛久絢太郎 vs太田忍、日韓対抗戦とカードを揃えましたけど、「まだ足りないんじゃないか」という感覚があったので、鈴木博昭vsYA-MAN、ベイノアvs井上雄策を追加したり。それでも「もう1枚何かあってもいいかな」って感じです。
――それくらい不安！
笹原 チケットのほうの売れ行きは把握できますけど、PPVが売れだすのは大会1週間前からで、試合当日がいちばん売れるんです。THE MATCHのPPVは50万件売れましたけど、ほとんどが当日なんですよ。
――初の配信オンリーとなった朝倉未来vs萩原京平のLANDMARKは、U-NEXTの回線がパンクしちゃいましたけど、当日購入が殺到したってことですもんね。前売りは値引きされているからって買うわけではない。
笹原 PPVは蓋を開けてみないとわかんないです。その日の天気の影響もありますからね。雨が降って出かけないからPPVを買うとか、その日に大きなニュースがあったらそっちにかじりつきになっちゃうでしょうし。
――それでいえば22年の大晦日は、ベラトールとの対抗戦とかハードコアカードは揃っていたけど、幅を広げるために平本蓮vsX（梅野源治）のスタンディングバウトを投入してますよね。このカードはお叱りを受けてましたけど、プロモーターとしてはハードコアファン以外の層を狙って、念には念を入れたというか。
笹原 いまのRIZINって深く掘り下げることはできているんですけど、それと同時に幅を広げることもやらなきゃいけないんです。浅く広げることは、まぁ難しくないですけど、深く掘りながら広げることは簡単じゃないですからね。
――求心力と遠心力ですね。ハードコアに振り切るだけでも広がらないし、ソフトなものだけだと深みはない。
笹原 たとえばこの前の佐賀大会のときは「RIZINが初めてやってきた！」ということで歓迎してくれて集客できたんですけど、東京近郊だと大会をやるだけでは響かないですからね。
――しかも今回は連続で開催するわけですもんね。
笹原 「3大会すべて会場に行く！」というキング・オブ・変態なファンもいると思いますけど、まぁ普通はどこに行くか選びますよね。
――それなのに連続でやっちゃうということは自信があるわけですね？
笹原 自信も何も、もうやるって発表しちゃいましたから（笑）。そこに向けて話題を作っていくしかないですよ。あとは、代々木第一みたいな人気会場って多少無理してでもやらないと来年が取れないんですよ。だから今年やっておけば、来年の同時期を抑えられるというところはありますね。
――皆さん朗報です。来年の6月にも代々木第一でRIZINがあります！
笹原 まぁ来年くらいまでは大丈夫じゃないですか。その先は知りませんけど（笑）。
――ハハハハハ！ 無責任な発言！
笹原 でもこういう冗談を言うと、マジに反応してくる人がいるんですよ。笹原の言うことなんて8割くらい嘘なので、信じちゃダメです！
――超RIZIN3は、RIZIN初進出のさいたまスーパーアリーナのスタジアムバージョン。格闘技イベントでいえば、魔裟斗引退、DREAMvsSRC対抗戦、石井慧MMAデビュー戦があった「Dynamite!! ～勇気のチカラ2009～」以来ですね。
笹原 超RIZIN3のカードとして朝倉未来vs平本蓮を発表しましたが、スタジアムバージョンは4万人収容ですから大博打です。
――朝倉未来vs平本蓮の力なら2万人収容のアリーナバージョンは即日完売できるのに、スタジアムを選んだのは他のカードにも自信があるってことですか?
笹原 自信があるからやるのではなく、とにかくやるって発表して自信なんて後からついてくる！というのが榊原イズムですよ（笑）。
――ハハハハハハ！ 榊原さんは年末2DAYSをやったり、メイウェザーを呼んだり、那須川天心のボクシング転向を遅らせてでも武尊戦をやったり……周囲が「無理です！」と止めたくなる案件に拘りますよね（笑）。
笹原 社長から「笹原、地球を逆回転させようと思うけど、どう思う？」って聞かれてもボクは驚きませんね（笑）。
――周りが反対すればするほど「永久電機が無理だと？ ようし、目にもの見せてやる!!」と燃え上がる猪木さんと同じ！
笹原 周りが巻き込まれて、ここまでやって来たのがRIZINです（笑）。そこは2015年の立ち上げから1ミリも変わってないです。失敗したら失敗したで次に頑張ればいいだけですしね。あとスタジアムバージョンはPRIDEのときはできたけど、RIZINとしてやれていないことの一つですからね。新規のファンはあの大海原のような光景を見たことないわけですから、それを見せてあげたいという思いは強いと思います。
――超満員のたまアリは壮観ですからね……今回の神戸大会も面白かったですけど、まず武田光司選手がローブローで悶絶した萩原京平戦。その直後はうめき声を発していましたが……よく続行したなって。
笹原 実際試合後に血尿が出たりして、そのまま病院に行ったくらいなので、相当のダメージだったと思います。あそこで試合を続けたのは責任感でしょうね。セミファイナルという試合順がやらせたんだと思います。
――メインカードじゃなかったら続ける気力は湧き出てこなかったかもしれない。ホント意地だけで続行したというか。
笹原 あの尋常じゃない痛がりようは、「キ●タマもふたえになったんじゃないか？」っていうくらいでしたからね（笑）。
――どんなジョークですか！ RIZINではないですけど、過去にも金的で試合が中止になった試合はありますからね。
笹原 試合を見ていて感じたのは、武田選手は萩原選手のことをうまくコントロールしていましたけど、きっとローブローのダメージで力があんまり入らないんだろうなって。アメリカでアーチュレッタと4ヵ月間練習してきた萩原選手が成長していたこともあって、決定的なシーンを作らせなかったのかもしれないですけどね。
――その萩原選手は限界を感じたのか引退を示唆しましたね。
笹原 バカヤロー、まだ始まってねぇよ!!……と本音では言いたいです。
――おもいきりキッズ・リターンしていますよ！ 萩原選手は4ヵ月間の努力が結果に表れなかった、という悔しさがあるみたいですね。
笹原 MMAという競技の苦しさは、結果が出るまで時間がかかるということですから。K-1からMMAに転向した久保優太選手が高橋遼伍選手に勝つまでに3年近くかかってますし。
――久保選手はまだ結果が出たのは早いほうだったりしますよねぇ。
笹原 数年前の萩原選手だったら一本取られてると思うし、萩原選手は全然成長してると思いますよ。で、ボクが思うのは萩原京平のあの華が彼の足を引っ張ってるのかなと。
――華が足を引っ張ってる？ 名言かも！ どういうことですか？
・ブレイクの見解
・くるみちゃんはキング・オブ・変態
・当日計量はもうやらない？
・号泣した木村ミノル
・ブアカーオこそリアルK-1MAX
・久保優太vs◯〇〇が見たい
・ストラッサー起一、最高のマイク
・井上直樹vs佐藤将光が届く時代
・サトシvsグスタボは秋？
・朝倉未来vs平本蓮は超すんなり合意
・関東大会場3連戦じゃなくて４連戦?……12000字インタビューはこのあとへ!!
【過去記事まるごとセット／2024年4月】
鈴木千裕、久保優太、水垣偉弥、今成正和、笹原圭一、中村頼永、金原正徳、【プレイバック】村上和成、【プレイバック】AKIRA、シュウ・ヒラタ、小佐野景浩、斎藤文彦、事情通Z ほか。コラムもたっぷり読めて700円！
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