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【所英男戦!】UFC王手の神龍誠がRIZINに出る理由


RIZINで所英男との超世代対決が実現する神龍誠インタビュー。UFC行きを目論む男がRIZINに立ち寄った理由とは……(聞き手/ジャン斉藤)


――先ほどは所英男戦の記者会見でした。

神龍 他に誰を取材するんですか?

――いや、神龍選手だけです。

神龍 あ、それは嬉しいですね。

――いやあー、神龍選手の目標がUFCでけっこう現実的なのに、どういうスタンスでRIZINに出てきたんだろうって(笑)。

神龍 あ、そうですよね(笑)。

――いまの神龍選手がRIZINに出てくるとは思ってなかったです。

神龍 RIZINには出たかったんですけどね。ただ、タイミングとか状況が難しいのかなと。でも、オファーがあったので……。やっぱりRIZINは注目される場ですし、相手も知名度があるので。UFCがボクと契約しない理由はKO一本が少ないってことだと思うんですけど。そういう試合ができればアピールになるのかなって。

――RIZINは神龍選手の目標を理解されてのオファーってことなんですかね。

神龍 という感じですね。

――所戦のオファーがあったときはどう思われたんですか?

神龍 率直に「えっ、階級、違くね?」って。俺が体重を合わせんのかな?って「階級、違くないですか?」って返したら、あっちがフライ級に落とすみたいだよと。「じゃあ、おいしいからやりたいです」って。キャッチウェイトでもよかったですけどね。

――先ほどの会見では所選手の引退試合にしてやる、と。

神龍 負けて引退試合になるじゃないですか。

――所選手の発言を聞いて何か思うことはありました?

神龍 なんて言ってましたっけ?

――「『負けねえぞ』という気持ちと『3Rやりきってやる』という気持ちを毎日言い聞かせて過ごしています」と。

神龍 ああ、頑張ってくれ、って感じです。

――所英男というファイターにはどういったイメージがありますか。

神龍 うーーーーん、まあ、昔の人。そういう感じです。

――所選手の印象的な試合ってあります?

神龍 何が印象的だろう……。直近RIZINの太田忍戦での腕十字。そこまでがっつりは覚えてないですね。ところどころバックブロー出したり、足関節や腕十字をやるな、ぐらいです。

――憧れがあったとか、そういったこともとくになく。

神龍 憧れはないですね。歳の差もヤバいっすからね。ボクの倍です。

――神龍選手は今年で22歳、所選手は44歳ですね。

神龍 向こうは普通に22歳の子供がいてもおかしくないですよね。

――ということは、所選手のHERO'Sの試合はリアルタイムで見てないんですね。

神龍 見てないんじゃないですかね。YouTubeで見たぐらいで。

――当時の格闘技界の熱気や所選手の勢いを感じたわけではない。

神龍 そこはわからないですね。やっぱり時代が違うので。

――話をしてみて、そっけないのは当然というか(笑)。

神龍 そうですね。べつに嫌いなわけじゃないですけど、めちゃめちゃスゲエっていう感じでもないし……。

――そんな所選手から事実上指名されたことはどう思われますか

神龍 そこは俺がおいしいからじゃないですか。ボクもボクで「日本最強」って言われてるし、あっちからしたら最後にひと花咲かせようと思ってるだろうし。

――神龍選手も、おいしい存在であると。

神龍 お互いにおいしいとは思うんですけどね。ボクからしても相手は知名度があるし、こっちはこっちでDEEPのチャンピオン。お互いにおいしいところがあるから組まれたんじゃないですかね。

――ちょっと前ですけど、地元の宮城県にジムを作られて。生活スタイル含めて何か環境が変わったことってあります?

神龍 指導に関してはその前からやってたんで、そこまで変わりはないですね。宮城と都内を行ったり来たりすることが多いです。週末は宮城のジムで指導して、平日は都内で練習。こっちにアパートを借りて、宮城にも家があって。

――二重生活になるわけですね。

神龍 最初は宮城だけでやろうと思ったんですけど、さすがにきつかったっすね。

――宮城だけだと練習は大変そうですね……、

神龍 DEEPの防衛戦で福田(龍彌)さんとやったときは宮城だけでやってました。プロデビューしたての人と一緒に練習してたけど、無理があったっすね。それでも勝っちゃうから、やっぱさすがだなと(笑)。

――ハハハハハハハ! 宮城のジムだけだと練習はもの足りない。

神龍 やられる練習はできないですよね。それから平日はこっちで練習するようになったっすね。柏に部屋を借りて、TRIBE TOKYO、FIGHTER’S FLOW、TEPPENなんかで練習してます。移動は電車です。

――柏からTRIBEまでってなかなかの距離ですね。週末になると宮城に戻って。

神龍 宮城にもカルペディエムがあったりするんで、そこで柔術の練習したりとか、高校のボクシング部に行ったりとか。

――休むヒマないんじゃないですか!

神龍 まあ余裕っす。あと教える側になると曖昧に教えられないというか、ちゃんと詳しく説明するために自分自身も基本に戻ることができるかもしれない。だからプラスにはなってるんじゃないですかね。今年ひとりプロデビューさせるんですよ。その人のためにも頑張って教えていきたいなって。

――経営の難しさを感じたりしてますか?

神龍 そこは父親に手伝ってもらってるんで。いまは練習に専念したいから、そこまでやっちゃうとさすがに回らないですね。

――よく言われるのは格闘家がジムを出すと……。

神龍 弱くなる。

――「格闘家あるある」っていうか。

神龍 たしかに自分ですべて抱え込んだら弱くなるかもしれないですね。

――経理までやり始めたら(笑)。

神龍 帳簿とかできないです(笑)。いまは自分の名前を売って、会員さんをいっぱい集めて、選手をしっかり育てて。宮城にそういう環境を作りたいですね。

――ジムは宮城のどのへんにあるんですか?

神龍 亘理町というところなんですけど、福島寄りの宮城です。奥に行くと仙台になるんですけど。

――そのへんに総合のジムってあるんですか?

神龍 まあ、フィットネスくらいですかね。ちゃんとガッツリやるのはウチぐらいしかないんですかね。宮城はまずプロが少ないですから。

――宮城って大道塾のイメージが強いですね。本部がありますし。

神龍 大道塾はありますね。あとキックジムが何個か。でも、プロは全然いないみたいで。やっぱり関東に比べると、めちゃめちゃ少ないですよね。

――やる側が少なくてもフィットネス路線ではなく。

神龍 ちゃんと格闘技をやりたい人を育てたい。そうじゃないと宮城でやる意味はなかったすね。たしかに地元を盛り上げたい気持ちはあったんですけど、フィットネスしかやりませんだったら、べつにこっちでもできるわけじゃないですか。

――たしかに人口的に関東でやったほうがいいですね。

神龍 意外と宮城にもRIZINファンがけっこういますね。だから宮城でRIZINをやっても、意外とお客さんが集まると思うんですよね。地元の選手がチケットを売るっていうんじゃなくて、普通にRIZINファン、格闘技ファンが集まるのかなって。

――定期的にRIZIN仙台大会をやるみたいな話が浮上してますよね。

神龍 噂あったっすよね。やるんだったら俺も出て盛り上げたいですよ。

――今回RIZINのオファーがなかったら、どこで試合をする考えだったんですか?

神龍 うーん……どこかで試合はやりたかったですね。海外になるかわかんないですけど。日本だったらRIZINに出たいなって。海外だったらLFAとか……チャンスがあるならUFCのコンテンダーズに出たいとは思ってました。

――6月にアジア版コンテンダーズ『ROAD TO UFC』がシンガポールでありましたよね。

神龍 あれにも出たいなと思ったんですけど、5月にDEEPで試合(藤田大和戦)があったから。あの募集が4月で終わりって聞いたんですよ。ボクは試合が決まっちゃってるし、まあコンテンダーズを通さずUFCに行ければなっていう。

――『ROAD TO UFC』のフライ級トーナメントはどう思われました?

神龍 ……レベル低くないですか?

――気持ちいいですね!(笑)。<UFCに行きたいけど、RIZINもあり。ONEはなし? まだまだ続く>

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