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【MMAミステリー】牛久絢太郎はなぜ引き込んだのか? ■セコンド横田一則

牛久絢太郎はなぜ引き込んだのか? 令和のMMAミステリーを牛久のセコンドにして所属ジムK-Clann主宰の横田一則が証言!

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――RIZIN代々木の翌日ですけど、休むまもなく指導されてるんですね。

横田 今週また5人も試合に出ますから。

――お忙しい中、すいません! 横田さんがセコンドについた牛久選手の「引き込み」作戦に関して、いろんな声が飛んでいますけど……。

横田 俺はSNSをやってないから、何を言われてるのか、わからないんですよ(キッパリ)。

――それはそれで健康的です!試合後、誰かに引き込みの理由を聞かれたりしませんでした?

横田 いや、会場だと佐伯さんくらいしか聞かれなかったんですよ。説明したら「そういうことだったのか」って。

――引き込みは作戦だったんですか?

横田 作戦といえば作戦ですけど……最近、絢太郎の寝技がマジで強くなってて。とくに引き込みの三角が全員に極まるくらいなんですよ。それはジムの選手だけじゃなくて出稽古に来る選手にも。

――ただ、今回の件を受けて「牛久選手は下から強いわけでははない」という声も挙がってますが……。

横田 ああ、それはいまの絢太郎を知らないんですよ。だからこその引き込みだったんです。未来選手の打撃はホントにすごいです。でも、その打撃にビビって引き込んだわけじゃなくて、三角絞めが本当に必殺技だったから狙っていたんですよね。クレベル(・コイケ)や、今度RIZINに参戦する横山(武司)選手、いまDEEPに出ている鹿志村(仁之介)選手とかも、引き込んでからの三角がめちゃくちゃうまいじゃないですか。じつは絢太郎がいま一番得意技がその三角だったんですよ。

――こっちはそのイメージがないから引き込みに戸惑ってるけど、じつは必殺技だったと。

横田 みんな絢太郎が三角が得意って知らない。知られたら警戒されるじゃないですか。その一発を狙ったってことですよ。

――そういえば牛久選手はRIZINのたびに何か武器を用意してきますね。

横田 1回目の斎藤裕戦のときはテイクダウンを警戒してくるだろうから、相手の姿勢が下がったところに飛びヒザ。2回目の斎藤戦のときは、今度は飛びヒザを警戒させてのハイキックですね。クレベル戦のときは途中でプランが狂っちゃったんですけど、序盤の関節蹴りはいい感じだったんです。クレベルはそれを嫌がって構えが変わりましたから。

――今回の秘密兵器は引き込みからの三角だったわけですね。

横田 そうです。これは公開練習でもまったく見せてないし、みんな絢太郎っていうとテイクダウンだと思いこんでるじゃないですか。三角がマジでうまくなっていたから、引き込んでくるとは思わないだろうし、ある意味奇襲でもあるなと思ったんです。引き込みを自信を持ってやろうと。打撃にビビって引き込んだわけじゃないですよ。

――未来選手が以前DEEPでKクランのCORO選手とやったときに、下からの攻めに手こずったじゃないですか。あのときの感触もあったりするんですか?

横田 あれはだいぶ前の試合ですけど、まったく関連はないですね。やっぱりあのときといまの未来選手は全然レベルが違うので、そこは計算の中に入れてなかった。ちなみにあのときは「この選手は他の選手とは違うな」って思いましたよ。俺は朝倉未来という格闘家をすごく評価しています。

――今回の引き込みからは牛久選手の三角に相当自信があったということですね。勝機を見出す手段だったと。

横田 本人が三角に自信を持っていたし、じゃあ狙ってみようかと。みんな知らないじゃないですか。バレたら対応されるけど、バレてないからいけるだろうと。しかも寝技になったら削れる。実際1ラウンドと2ラウンドまではよかったんですよ。1ラウンド目はケージ際だったから全然仕掛けられなかったですけど。2回目のときはケージの真ん中らへんで引き込めましたよね。あのとき未来選手が三角を超警戒して、ものすごく疲れたことが伝わってきたんです。

――極められなかったけど、朝倉未来の体力と精神力を確実に削れたと。

横田 最終3ラウンドでケンカするぞ!ってことだったんですけど、まさか3ラウンドでも引き込みを2回やっちゃって……そこは三角にこだわりすぎちゃった。作戦ミスでしたねぇ。

――「足立区のバカストイックマン」だけにバカストイックにやりこんじゃったという。

横田 引き込み自体も打撃やタックルなんかで散らして散らして……というプランだったんですよ。1ラウンドでも2ラウンドでも最後は組みで終わってて、絢太郎が押してる側だから離れ際にヒジとか入れてますよね。

――組めば牛久選手が主導権を握っていましたね。

横田 ホントはもっといろいろ散らしたうえで引き込みたかったんですよね。インロー、カーフ、関節蹴り、ミドル。タックルフェイントを見せたりして、ちょっと混乱して疲れさせて引き込めたら、三角ももっと狙えたかもしれない。結果的に引き込めましたけど、そこはやっぱり未来選手の圧がすごかったんですよ。

――散らすことができない圧力が朝倉未来にはあった。

・引き込みの“真”のプラン
・横田が悔やむ“あの瞬間”とは?
・朝倉未来の実力
・3ラウンド目の引き込みは……インタビューはこのあと続く!

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