2019年12月“MMA転向前”の平本蓮インタビュー
2019年12月ベラトールジャパン大会芦田崇宏戦直前に収録した平本蓮インタビューです!MMA転向前の平本蓮は何を語っていたのか?(聞き手/ジャン斉藤)
――平本選手のRIZIN参戦にはビックリしましたが……その赤く染め上げた髪の毛も凄いですねぇ。
平本 K-1だと試合中に整髪料をつけても大丈夫なんですけど、RIZINさんはダメなので短くしたんです。黒髪のままだと他の格闘家と変わらないし、自分らしさを出そうと染めてみて。K-1は若い選手中心なのでオシャレだったり、奇抜な選手が多いんですけど、RIZINはオシャレというより男らしさがある感じですね。
――それはつまりMMAファイターはオシャレ度が薄いってことですかね(笑)。ジャンルによって違うもんですか?
平本 ボクの中ではキックボクシングや立ち技は不良あがり、ヤンチャあがりが多いイメージで。MMAは柔道やレスリング、体育会系の人が多いから、そういう違いが出るのかなって。
――平本選手はRIZIN会見でもかなり目立ってましたね。
平本 格闘家ってやっぱり見られてナンボ、自分を出してナンボだと思ってるので。目立ちたいからやっているというよりは、自分の好きな髪型やファッションをしてるだけですけどね。K-1の会見だとスーツをガッチリ着る人もいますけど、意外と個性派な選手が多いのかなと。それでもダサい奴はいっぱいいるんですけど(笑)。
――かなりズバズバ言いますね(笑)。 今回RIZINと契約して年末29日のベラトールジャパンに参戦することへの反響はどうでしたか?
平本 反響は思った以上にありましたね。「けっこうくるかな~」と思ってたんですけど、想像以上で。試合をしてなかったこの2年間で増えたファンがいたのかなと。2年前よりは格闘技は盛り上がってると思うんですけど、そのあいだボクの試合をYouTubeで見たりして格闘技のファンになった人は「そういえば、この平本はいま何をしてるんだろう?」と気になってたと思うんですよね。そういう人たちも巻き込めたのかなと。
――露出しないことで逆に存在感を高められたんじゃないかと。会見では「いまでもK-1ファイターだ」とおっしゃってましたね。
平本 今年(2019年)の11月1日にK-1の所属契約が満了して、RIZINさんと契約したことでこれからはRIZINファイターとして戦うんですけど、会見でも言ったとおり気持ちはK-1ファイターです。 それで「昔のK-1」をボクが体現できたらなと。
――「昔のK-1」ですか?
平本 「昔のK-1」は最強を決める戦いだったじゃないですか。それはいまのK-1を否定してるんじゃなくて、いまのK-1のやり方もボクは納得してるというか、素晴らしいイベントだとは思ってます。でも、ボクは「昔のK-1」をやっていきたいなと。
――平本選手の中では「昔のK-1」ってどういうイメージなんですか?
平本 ボクの中ではK-1MAXですね。それは魔娑斗さんがやっていた異種格闘技戦を含めてK-1だったと思ってるので。K-1自体も始まりは異種格闘技戦じゃないですか。キック、空手、カンフー、拳法……その「昔のK-1」を体現できるのは現状ではボクしかいないんじゃないかって。
――21歳なのにそういうロマンを意識しているのは凄いですね。いつ頃からそんな考えを持ち始めたんですか?
平本 K-1最後の試合は19歳のときのゲーオ・ウィラサクレック戦なんですけど、ゲーオは憧れだったので「この試合が終わったら燃え尽きちゃうんじゃないのか……」って思ったんですね。「引退しちゃうかもしれない」と試合中に初めて燃えたというか。そのときはK-1の中で最強を目指して戦っていたけど、「いまの自分が最強と言えるのか」といえば、違うかなって。ゲーオ戦が終わってこれから「昔のK-1」を体現できる、 世界を変えることができるのは自分しかいないんじゃないかって奮い立ったんです。どうせなら大きな夢を目指したいと。
――そのロマンだけでK-1を離れようと。それで契約切れまで待ったんですか。
平本 あのままK-1に残っていれば……レベルはやっぱり高いので、もちろん厳しい戦いにはなってたと思いますけど、ベルトは獲れていたという自信はあったので。でも、あのまま残って戦うのは何か嫌だったんですね。K-1のベルトを巻いても最強と言えないなって。
――でも、K-1は立ち技の軽量級でいえば最強を名乗ってもおかしくないですよね。そのリングを飛び出して最強を求めるとすれば、意地悪な言い方になっちゃいますけど、全局面格闘技のMMAに出るしかないと思うんですよ。
平本 そうですよね。なのでMMAもやります。
――えっ!?
平本 キックをやりながら、たまにMMAをやる……という中途半端なものじゃなくて、その際は完全にMMAファイターに「転向」します。
・外側からK-1の実力を証明したい
・「安定」より「ブーム」が大事
・皇治選手は口だけ
・お世話になったK-1に義理を通した
・2年間の夏休み……続きはこのあとへ
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