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斎藤裕「やっぱり俺に平本蓮が回ってきたなって感じです」

今春のRIZINで平本蓮戦が発表された斎藤裕インタビューです!(聞き手/ジャン斉藤)

平本蓮と空手をつなぐ日本格闘技のサーガ■剛毅會宗師・岩崎達也インタビュー

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――平本蓮戦は1年ぶりの試合になるんですけど、ここまで試合間隔が空いたことはなかったですよね。

斎藤 そうですね。でも、10ヵ月、11ヵ月はけっこうあるんで、あんまり気にならないというか。

――いままでと違うのは「なんで試合をしないんだ?」という声が飛んでくることですかね(笑)。

斎藤 そこですねぇ。俺より試合していない人はいっぱいいるはずなのに(苦笑)。「早く試合が見たい」っていい捉え方をしていますけど。

――若いときは年3~4試合はやれちゃいますけど、ある程度キャリアを積むとケガやコンディション、マッチメイクの都合も出てきますよね。

斎藤 そこまでわかってくださる方たちばかりではないですし、だからって1人1人に説明していられないので(笑)。

――「斎藤裕はこのまま引退するんじゃないか」みたいな声もあって。

斎藤 ハハハハハハハ。まあ、みんなやる気になんなかったらやめるんですけどね。たしかにいろんな人に心配をしてもらいました。「実際どうなの?」って。ありがたい話なんですけど、「まあまあまあ」って感じで、周りの人たちをなだめていました。

――試合をしないだけで、いろんな憶測を読んでしまうという。

斎藤 いまの選手はホント大変ですねぇ。試合しないだけで犯罪者みたいな感じに扱われてしまうっていうのは(笑)。

――ツイッターの更新が止まったら「逮捕されたんじゃないか……」って騒ぎになりますからね(笑)。昨年4月の牛久絢太郎戦が終わった直後はどう考えていたんですか?

斎藤 もうしばらく何も考えないで生活したいなとは思っていましたね。気楽にというか、リラックスして過ごせればなと思って。

――リラックスした生活はどうでした?

斎藤 まあ、そこまでリラックスできたわけでもないんですけど。試合が決まって、練習に追われる生活ではないので、いままでできなかったこと、やれなかったことをやろうと思って。

――RIZIN参戦以降は1年8ヵ月で6試合と、タイトなスケジュールだったこともあって、なかなか自由な時間が取れなかったところもあったということですか?

斎藤 そうですねぇ。基本的には試合が終わったら次の試合、その試合が終わったらまた試合……というスケジュールでやっていたので。そのあいだケガもあったりしたので、一呼吸置くにはいいのかなっていう風には捉えていましたね。

――練習はまったくされてなかったんですか?

斎藤 まったくしていない時期もありましたけど、まあ身体を動かすのは好きなんで、健康のために運動する。そのほうが食事がおいしいという(笑)。

――自分を追い込まなくていい日々ってやっぱり新鮮ですよね。

斎藤 うーん、気は楽ですよね。毎日きついことしなくていいって思うと。試合があるとやることを明確に決めないといけない。体重制限だったり、そうなると不便なことが出てくるというか。まあ、そこはもうみんな一緒なんで、しょうがないとは思っているんですけど。一旦緊張した生活から離れて、精神的にも、肉体的にもだいぶ楽になったところがあります。

――試合をやりたい気持ちは湧かなかったですか?

斎藤 まあ半々ぐらいっすね。試合をやる苦しさも知っているので。

――やりたいけど、あのきつい日々に戻るのは……。

斎藤 そこに行くまでにどれだけの……っていう。だから気持ちとして半々ぐらいなんですけど、やるって決めたらもう。そういう気持ちになれば、自然と前向きになって練習に戻れますから。

――自分の中では、いつぐらいの復帰を想定されていたんですか?

斎藤 うーん……焦ってはいなかったですけどね。それこそ当初は12月の大会がどういう風になるのかなと。

――流れによっては12月もありえた。

斎藤 でも、12月はベラトールとの対抗戦が軸になるっていうことになったので。相手も定まらない中で無理して合わせるのはどうなのかなとは思っていました。

――平本蓮戦が提示されたのは12月に入ってからなんですよね。

斎藤 だったかなあ。10日過ぎぐらいだったと思います。

――オファーがあったときはどう思われました?

斎藤 まあ、あるかなとは思っていたぐらいだったんで。

――あ、想定はしてたんですね。

斎藤 まあ、ドミさん(弥益ドミネーター聡志)に勝った時点で。彼の次の相手がなかなか難しいなとは思っていましたね。

――あの勝利の時点で、平本戦はあるぞと。

斎藤 それは誰が勝っても負けても考えます。「この人の次の相手は難しいな」とか「この人はあの人かな」とか。ただ、やるとしても、12月はないだろうとは思いましたけど、そういった話が具体的に来たので、やっぱり俺に回ってきたかって感じですね。

――平本選手は以前CAVEで練習されてましたけど、どれくらい肌を合わせたんですか?

斎藤 彼が来ていたのはそんな長くないんですよね。ボクが大晦日の試合が終わって練習に戻ったのは、彼の試合前(鈴木千裕戦)とかだったんで。なのでスパーリングをしたことはないんですけど、シチュエーション練習として組んだぐらいですかね。だからそこまで手の内を知るみたいな感じではないとは思っていますね。

――ドミネーター戦はどういう風にご覧になりました?

斎藤 あの試合はちょっと難しいですね。

――難しい?

斎藤 66キロのフェザー級から直前で70キロ契約に変更になったので同じフェザー級の試合として見るのは難しいかなと。平本選手が勝ったことは事実なので、それはおめでとうって感じなんですけど。

――戦いぶりはいかがでした?

斎藤 この試合に向けて、自分の形をうまく作って3ラウンドやり切ったっていう感じですかね。

――平本選手とは相当のキャリア差ですが、斎藤選手からすると、逆にやりづらさはないですか?

斎藤 最近はあんまりそういうことは考えないですね。試合って結局そのとき、その場で勝ったほうが強いってことだと思っているんで。平本選手に関してはSNSも含めて自分の持ってき方が上手だったってことじゃないですかね。いまはフォロワーとか数字が見えやすいので、彼が発信してきたことでそういう影響力がついたというか。

――休んでいるあいだ、RIZIN以外のプロモーションからオファーがあったらどうしてました

斎藤 それはたとえば修斗とかですか? うーん、どうしてもやりたい選手がいたら相談はしたかもしれません。

――いまは「試合がやりたい」よりも「やりたい相手かどうか」ですか、

斎藤 うーん、そうですね。年齢的にも誰でもいいわけではなくなってきているかなとは思いますね。発表して「うーん……」という感じは違うのかなと思ったり。

――そこはファンの反響や興行のインパクトも考える。

斎藤 あんまり言うと、計算高い男に見られるかもしれないですけど(笑)。「なんでそいつとやんの?」みたいに思われるカードは違うかなとは思います。20代前半ぐらいはね、試合のオファーがあればガンガンやるでいいんですけど。ある程度のキャリアになると、「その選手とやって何に繋がる?」みたいになりますよね。なにより自分の気持ちも、そこに向かっていけるかなって。

――平本蓮という格闘家はやりがいがあるわけですね。

斎藤 そうですね。いい相手ですね。練習、頑張れそうです(笑)。彼に関しては、やっぱり実力があるとボクは思っているんで。そういう意味でも全然違和感はないカードだと思いますし。

――大晦日のリングで挨拶したわけですけど、マイクが……。

・RIZINvsベラトール対抗戦の感想
・胸にくるものがあった対抗戦セレモニー
・平本蓮戦にトラッシュトークはいらない
・鈴木千裕の強さ
・RIZIN以前は地獄の時代だった
・自主イベントをやる考えは?……まだまだ続く!

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