見出し画像

まちと養蜂

今年の春から、台東区鶯谷駅近くのビル屋上で養蜂を始めて、1シーズンがほぼ終了した。昨年の10月に場所を借りられることになって、有志で資金を出し合って蜜蜂を購入、道具の準備や屋上の整備をして、お世話の手順を学びながら4月に開始。メンバー7人で毎週日曜の内検などの活動を重ねて、採蜜を3回行って、合計22キロの天然蜂蜜を収穫できた。

スカイツリーが見える屋上で養蜂してます

4月に1群で開始して、夏に銀座から1群分けていただいて2群になり、平日は近くに住んでいるメンバーが水やりに通い、日除けやメダカビオトープ(蜂の水飲み用)をつくって失敗したり、ダニやスズメバチ対策をしたり、金曜夜は定例ミーティング、養蜂場の見学会を開いたり、、なかなか内容の濃い活動になっている。

毎週の内検。蜜蜂たちの健康状態をチェック
蜜が貯まったら分離機でぐるぐる回して採蜜
水やり用のビオトープ。足場が無くて蜂が溺れたり水が枯れたりと難しい、、
都市養蜂の参考書たち (一部)


街の中で養蜂することによって
美味しいハチミツを味わえるだけではなく

・地域の生物多様性に良い影響を与える(蜜蜂が草花の受粉を促す)
・遊休空間であるビル屋上の有効活用につながる
・蜜源植物をきっかけとした街の緑化促進
・人の出合いや交流、まちの関係人口の創出
・飲食店等とコラボした新たな商品づくり
・生産から開発販売、6次産業の実践
・子供から大人まで環境教育や食育として 
・都市で収穫のある暮らしの実践  etc…

屋上での点としての養蜂活動が、まち全体の自然環境や地域経済、あるいは人の関係や暮らし方そのものにまで、多面的に影響を与える可能性があるところが都市養蜂の面白さだと思う。

2-3キロ圏内の樹木や草花から蜜を集める。
台東区下谷、サウナセンターの屋上をお借りしている
6,7,8月と3回採蜜。咲いている花が異なるので
香りも味わいも全部異なる


普段公園や緑地、広場等の設計をしている者としては、身近な植物が蜜源かどうか観察するようになり視野も広がるし、養蜂に関わる工作物は自ら手を動かして作るので、身になることも多い。都市で消費するだけではなく、自分たちの手で暮らしをつくっていく:生活者として暮らしていくことの一つの実践にもなっていると思う。ので、興味のある人は是非身近なビルの屋上での養蜂活動をお薦めしたい。

ということで、秋から冬にかけては越冬準備期間で、餓死しないように砂糖水を与えたり、ダニ対策の薬を仕込んだり、巣箱の防寒などの対策中。無事越冬して、来春に美味しい桜ハチミツの収穫が当面の目標。
(プロジェクトの拡大という目標もありますが)

なぜ「鶯谷で」養蜂なのか、養蜂する上での注意点などは次回、、

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?