アイ・アム・ジョニー2011.10.26
2011年10月26日、ちょうど10年前の今日、私齊藤ジョニーの1stアルバム「アイ・アム・ジョニー」がリリースされました。僕が上京したのは2010年の4月だから、東京に出てわずか1年半くらいでこのアルバムのリリースに至ったことになる。普通、地方にいるときにすでに業界の目に止まり、ある程度デビューの算段がついた状態で上京、っていうパターンはよくあるけど、僕の場合はそうではなく、実質ゼロからのスタート。そんな奴がたった1年半で、綺麗な衣装を着せられ、メイクさんに顔をつくってもらって、挙句の果てに憧れのくるりが”東京”をレコーディングしたスタジオで、自分の曲を録ることになるなんて。
出来過ぎなんてもんじゃない。なんでそんなことになってるのか、自分でもわからなかった。正直、舞い上がってる余裕さえなかった。右も左もわからない状態で、とにかく周りのすごい大人たちに食らいつくので必死だった。歌も楽器も今よりもっと下手くそで、前のめったり、声裏返ったり。技術なんてないから精神でカバーしようとするしかない。歌の録音の前には瞑想までした。「ハックルベリーフィン」の歌はまさにそうやって録ったテイクが使われている。瞑想の効果は定かではないが、スタッフが「いい歌が録れて安心した」と言ってたのを思い出す。今では珍しいけど、明け方までずっとミックス作業、とか当たり前だった。もう明るくなった頃に「じゃあまた明日12時ね!」って、プロデューサーもアレンジャーもエンジニアも、次の日みんなピンピンしてるの。痺れたねぇあれは。「これで完パケです!」って言われた時のホッとした気持ちったらないよ。
とにかく自分は恵まれていた。当時からレコーディングはもう低コスト化が進んでいて、バンドで「せーの」で録れるような大きなスタジオは使われる数が減ってきていたし(現に、アイ・アム・ジョニーを録った河口湖スタジオも一口坂スタジオも閉業している)、そもそもスタジオさえ使わないでプロデューサーなりアレンジャーなりが宅録でほとんど仕上げたものに歌を入れてミックスだけ、なんてのは当たり前になっていたなかで、僕が憧れていた音楽と同じやり方でレコーディングさせてもらえた。別にレコーディングにお金をかけりゃいいってことではないけれど、そこで培われたスキルと精神性は音楽家としての礎になったのはもちろん、Goosehouseでもずいぶん役に立っている。方向性が違うだけで、目指すところは皆一緒なのだ。
たまに聴いてみると、自分のアルバムなのにちょいちょい新しい発見がある。作品とはそういうものでなきゃいけないと思う。これは自分に対する戒めです。このアルバムのおかげで、いつも初心に戻れるのです。そして、久々に聴くと音の良さにびっくりする。笑
来月は11月13,14日にデビュー10周年記念のJohnny's Room #17があります!10年間培ってきたことの集大成のつもりです。ぜひ遊びに来てね!チケットまだ行けますので、ぜひ!GO JOHNNY GO!
13日
14日夜
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