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Step2 採卵

Step2 採卵

採卵は、膣内に挿入した超音波検査によって卵巣の位置を確認しながら、細い穿刺針を押し進め、卵胞を穿刺することで行います。
採取された卵胞液には卵子が1個存在しており、顕微鏡で観察しながらこれを回収します。
膣壁と腹腔を隔てている壁は薄く、針先を膣から数センチほど進めるだけで容易に卵巣に到達できます。
採卵の所要時間は、卵胞数によって異なりますが、5~20分ぐらいです。
採卵時には麻酔をかけますので痛みの心配はありません。

採卵直前の診察で、例えば10個の卵胞が確認されていても、必ずしも10個の卵子が回収できる訳ではありません。
卵子が未熟な「未成熟卵」や、卵胞中に卵子が存在しない「空胞」、卵子の不良品である「形成不全卵」、「変性卵」などがあり、これらは治療に使用することができません。
こうした異常卵子は、誰にでも認められますが、年齢が進むにつれて増加します。

 採卵の手順

①病室で病衣に着替え、麻酔用の点滴をします。
 採卵室に入室する前にトイレを済ませます
採卵室で膣の洗浄を行った後、麻酔をかけて採卵を始めます。
終了後は病室で数時間の安静をとり、午後1~2時頃の帰宅となります。

 

採卵時の注意事項

採卵の際には、安全確保のために各種の生体モニターを使用します。
血中酸素濃度を調べるモニターは人差し指に装着しますので、マニキュアやネイルは外して下さい。
また化粧も落としておいてください。
コンタクトレンズや指輪などは外しておいて下さい。
眼鏡はかけておいて大丈夫です。

貴重品(現金)は、ご自分の責任で管理して下さい。・

生理用ナプキン、ショーツ、下着を入れる小さなポーチをご用意下さい。

 採卵後の注意事項

 ・

採卵後は麻酔がしっかりと覚めるまで病室で数時間安静にします。
帰宅後は自宅で安静にして下さい。シャワーやウオシュレットは可能ですが入浴は控えて下さい。翌日以降は、ふだん通りで結構です。 ・

採卵後、卵巣過刺激症候群による腹痛、腹満感、尿量の減少などがみられる場合があります。症状が強い場合には受診されて下さい。
激しい運動や熱いサウナ、入浴は避けて下さい。

 

麻酔についての注意事項

採卵当日は朝から絶食で来院されて下さい。
採卵の2時間前まで水、お茶などの水分補給は可能です。
なお前日の夕食は、ふだん通りでかまいません。・

麻酔は局所麻酔、静脈麻酔、吸入麻酔を併用して行います。
麻酔の影響で後から気分が悪くなることがあります。
麻酔が完全に消えるまでには時間がかかりますので、お帰りの際は車の運転をしないで下さい。

黄体刺激(補充)療法

採卵後に黄体ホルモンを妊娠に必要なレベルに維持するために黄体刺激(補充)療法を行います。
hCG製剤は、排卵後の黄体を刺激して黄体ホルモンの分泌を促します(黄体刺激療法)。
また黄体ホルモン製剤(内服、注射、坐薬)は、黄体ホルモンそのものを補充するものです(黄体補充療法)。とりわけGnRH製剤を用いた採卵周期では、黄体機能不全が起こるため、これらのサポートは重要です。具体的には胚移植前より服薬を開始し、必要に応じて注射剤や坐薬の投与も併用します。黄体刺激(補充)療法は、妊娠反応が陽性となった場合には、新鮮胚移植では、およそ妊娠8週まで、ホルモン補充周期での凍結胚移植では、およそ10週まで続けます。

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