Step3&Step4 受精と培養
Step3&4 受精と培養
採精方法
自宅採取しお持ちいただくか「採精室」にて精液を採取していただきます。精液は遠心分離、洗浄濃縮を行い良好な運動精子を回収します。
体外受精では卵子1個に対して数万〜数十万個/mlという運動精子が必要なため、それに足りない場合には顕微授精をおすすめします。
顕微授精であれば、卵子1個に対して良好な精子1匹あれば可能です。
重症乏精子症、精子無力症などの極めて精子の少ない人においてもなるべく運動性が良く形態異常のない正常精子を選んで実施します。
採精の前2~5日の禁欲期間が理想です。
逆に2週間以上の禁欲は運動率低下を招きます。
男性も充分な睡眠、適度な運動、偏りのない食事を心がけて下さい。
院内での採取方法
①院内にある精液採取のための部屋(採精室)にご案内します。
②精液は、マスターベーションによって採取して下さい。
③採取する前には手を洗って、専用容器に精液を直接射出して下さい。
容器のフタをしっかり閉めてボックスに入れて下さい。
フタには奥様のお名前、日付、採精した時間をご記入ください。
自宅で採取する場合の注意事項
①コンドームは使用しないで下さい。
②採取後の精液は、極端に暑い所や、寒い所には放置しないで下さい。
(冷蔵庫で冷やしたり、ストーブで暖めたりもしないで下さい)。
寒い日にはタオルなどにくるみ人肌で保温して持参して下さい。
③採取後の精液は、遅くとも3時間以内に持参して下さい
媒精(顕微授精)・培養
体外受精では、シャーレの中で精子を卵子にふりかけた状態にし、恒湿器の中で自然に受精させます。(コンベンショナルIVF)顕微授精では、顕微鏡で見ながら一匹の精子を針で卵子の中に注入して受精させます。この場合、精子が少数でも可能です。
受精が成立すると約18〜24時間で前核期胚、48時間で4〜8分割胚(初期胚)、5〜6日で胞胚(胚盤胞)となります。
体外受精や顕微授精を行っても、成熟卵のすべてが受精する訳ではありません。受精しない場合や、受精しても受精卵のグレードが悪い場合にはその時点でキャンセルとなります。
受精率の目安 体外受精(コンベンショナルIVF)6〜7割
顕微授精 7〜8割
胚凍結について
余剰胚の凍結
受精卵が数多く出来た場合は、現在使用しない分を凍結保存しておくことができます。
着床率の上昇
排卵誘発を行った採卵周期はホルモン(エストロゲン)の分泌上昇により子宮内膜の反応不全が起こりやすく 着床には向かない場合が多く認められます。現在では採卵後新鮮胚移植せず凍結保存し改めて次周期以降に胚移植する頻度が高くなっています。
将来に備えて
妊娠率は女性の年齢に大きく関係しますが、これは卵子年齢に関与するのであって子宮は高齢であっても ホルモン補充により環境の調整が比較的容易に行えます。
卵子の若返りはできないため、 先に採卵を何度か行いある程度の胚(受精卵)をストックしてから胚移植を行う方法もあります。
例えば、37歳の時に採卵しそれを凍結保存した場合、胚移植が40歳になっていても妊娠率は37歳の確率が期待できます。
凍結保存の際に生理活性を極限まで落としますので、半永久的に保存が可能です。胚(受精卵)凍結の理論値は1000年です。
胚移植までのハードル!
① 卵胞が発育するかどうか
② 穿刺して、卵がとれるかどうか(排卵後、空胞)
③ 成熟した良い卵かどうか
④ 受精するかどうか
⑤ 受精卵が順調に発育していくかどうか(胚盤胞⇒胚移植)
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