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銀座線について

銀座線の人の移り変わりが、やばい。

浅草でバイトをしてるから大学最寄りの表参道から浅草まで銀座線にのる。

浅草行き・銀座線の序盤は「青山1丁目」「赤坂見附」「外苑前」みたいな地方出身者はちょっと澄ました顔をしたがるポイントが多い。そこで乗ってくる人たちは、青山・表参道でベビーカーはマスト、でっかいサングラス、これまたでっかい荒地の魔女ハット。香水はジルスチュアートかなんだか知らないけど、甘い香りで車両を包む。背筋がピンと伸びたかっこいい人たちばっかり乗ってくる。

でも、銀座線が日本橋あたりにさし掛かると状況は変わる。

じぶんには今年86歳の「いくえ」というおばあちゃんがいる。腰の曲がった頑固で口うるさい、優しいおばあちゃん。

そう、日本橋あたりになると面白いことに「いくえ」が次々と乗り込んでくる。さっきまで中谷美紀や檀れい、あるいは真木よう子だったのに、日本橋からは「いくえ」になる。腰を曲げたまま若者である自分をチラッと見てくるもんだから、さすがにじぶんも席を譲らざるおえない。「いくえ」たちの中には、席を譲ったり、かるくおしゃべりするとワッフルをくれたりする。

東京はグラデーションみたく「街ごとに変化していくのがおもしろい」というのはよく聞くけど、電車の中にも変化があっておもしろい。


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