見出し画像

くじらについておもう(1)

先日、山形まなび館ブックカフェに行ったら、この本に出会った。

vol.1 『ありふれたくじら』について|是恒さくら|くじらの見える書窓 @sakurakoretsune #note

小さな薄い本だったのだが、
手に取り、パラパラめくったら、
すっかり虜になってしまった。

本が置いてある本棚の同じ区画の中に、雑誌coyoteがあった。
写真家の星野道夫さんの特集号があり、カナダの島の先住民や森がテーマだったと思う。
是恒さんも、星野さんも、アラスカの大学に行っており、世界観が不思議とリンクしていて、さらに心奪われてしまった。

ブックカフェの店員さんに聞くと、作者の是恒さくらさんは、私が思った通り、東北芸術工科大学の出身だった。(そのブックカフェやまなび館自体、大学が深く関わっているようだ。)  

たまらなくなり、ついつい3巻と4巻を1冊づつ買ってしまった。
(1、2巻は売り切れたとのこと。)


「ありふれたくじら」という本は、自費出版のようだ。文章と刺繍で綴られたアート作品。
刺繍が不思議な感じで、別の世界に誘われるようだ。アートだなあ、と思う。

内容は、くじらとくじらに関わる人々の暮らしに真っ直ぐに、真摯に向き合っている。
ご自分の足で歩いて、聴いて、見て、感じたことを淡々と綴られている。
たぶん、その辺が私の胸を打ったのだろう。

是恒さくらさんのnoteを読み進めると、
「聞いて知った知識よりも、自分が実際にその場に行って感じたことを大切にする」的なことが書いてあり、とても心に響いた。根っからのフィールドワーカーだと感じた。

私もそうありたい。


私自身は、くじらをすっごく好き、という訳でもない。ただ、自分がくじらになって、くじら仲間と一緒に泳いでいる(飛んでいる?)イメージ(夢?)を見たことがあるので、親近感はある。

小学5年生から中学1年生にかけて、私は和歌山県に住んでいた。その時、鯨漁に触れたことがあったかもしれない。父が買った、くじらの歯のキーホルダーが家の鍵に付いていた記憶があるような、無いような。

私が今住んでいる地域の近く(真室川町)では、くじらの化石が見つかった。海から離れた地域だが、昔は海だったのだ。

私の父母は、くじらのベーコンなどを好んでいるようだったが、私は食べた記憶はあまり無い。食べたことはあるのかもしれないが、あまり好んで食べなかったような気がする。

私が住む地域では、ウワバミソウ(この辺ではミズと呼ぶ)の茎を山菜として食べる。
私はミズの食べ方では、この↑もぎりみず汁が一番好き。(味が染み込むように、切らずにもぎる(ひねりちぎる)のだ。)
この真室川町の郷土食の本では、もぎりみず汁に塩くじらを入れている。(我が家では豚肉を入れる)

イルカ汁とも呼んでいたような?(別の種類の汁だったかな?)

日本海側ではくじらは捕れないと思うが、くじら肉は山形県においても食卓に根づいてきたようだ。

是恒さくらさんの「ありふれたくじら」の続きを読むのが楽しみだ。