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再生医療等に関する行政手続き

今回は、再生医療等安全性確保法に基づく再生医療等に関する行政手続きの全体像について解説します。


再生医療等に関する行政手続き

再生医療等に関する行政手続き

再生医療等に関する行政手続きが必要となる事業者は以下の3つとなります。

(1)再生医療等を提供する医療機関
①再生医療等提供計画の提出
②特定細胞加工物製造届の提出
(2)細胞培養加工施設(CPC)
①特定細胞加工物製造許可(認定)申請
(3)認定再生医療等委員会を設置する事業者
①再生医療等委員会認定申請

再生医療等を提供する医療機関で必要となる手続き

再生医療等を提供する医療機関で必要となる手続きは以下の2つです。
①再生医療等提供計画の提出
②特定細胞加工物製造届の提出

①再生医療等提供計画の提出
前回の記事で解説した再生医療等を行おうとする医療機関は再生医療等提供計画を作成し、(特定)認定再生医療等委員会の審査を通過した上で管轄の地方厚生局に提出する必要があります。
再生医療等技術は実施に伴うリスクによって第1種(高リスク)から第3種(低リスク)に分類されており、分類によって手続きの進め方等に多少の違いがあります。
なお、再生医療等提供計画は治療法毎に作成、提出することとなっており、患者毎や実施毎ではありません。一度計画を提出すれば、その治療法については基本的に何回でも実施することができます。

②特定細胞加工物製造届の提出
医療機関内で特定細胞加工物を製造する場合は特定細胞加工物製造届の提出が必要となります。
医療機関内で製造される特定細胞加工物は多血小板血漿(PRP)と呼ばれる血液を加工して製造される加工物が多いですが、最近では院内に幹細胞を培養する施設を設置している医療機関も増えています。
製造しようとする特定細胞加工物によって手続き内容に違いはありません。

細胞培養加工施設(CPC)で必要となる手続き

医療機関外に細胞培養加工施設(Cell Processing Center:CPC)を設置するためには特定細胞加工物製造許可(認定)申請が必要となります。
医療機関内に設置する場合の特定細胞加工物製造届とは異なり、許可(認定)申請の場合は独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)による立入調査があり、所要期間も半年程度となっています。
なお、海外のCPCが日本の医療機関から特定細胞加工物の製造を受託しようとする場合は、許可申請ではなく認定申請が必要となりますが、手続き名称が異なるだけで手続き内容としてはほぼ同じとなります。

認定再生医療等委員会を設置しようとする事業者で必要となる手続き

認定再生医療等委員会を設置するためには再生医療等委員会認定申請が必要となります。
認定再生医療等委員会とは再生医療等提供計画が法令で定められた基準を満たしているかを審査する委員会で、医療機関や一般法人、NPO法人などが設置することができます。
第1種、第2種を含めた全ての再生医療等提供計画を審査できるのが特定認定再生医療等委員会で、第3種のみを審査できるのが認定再生医療等委員会となっており、委員の構成要件等が異なります。
認定再生医療等委員会による審査は外部の委員会に依頼しないといけないという規定はないため、自らの再生医療等提供計画を審査するために認定再生医療等委員会を設置している医療機関もあります。


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