千葉ジェッツ2024-25シーズンの新選手・HCにワクワクが止まらん


新加入のひとたちのおさらい


2024-25シーズンから新たに加入する選手・HCを契約が発表された順に並べてみた(練習生は割愛していますごめん)。


どんな選手(HC)なのか?を、それぞれ確認していきたい。

1.田代直希


田代は原修太と同い年(1993年生まれ)で出身も同じ船橋市。大学卒業後在籍一筋だった琉球ゴールデンキングスを離れ、地元チームのジェッツに加入することとなった。


◯ポジションは?
SGなので、原や金近、新加入の菅野ブルースと重なることになる。

ジェッツではSGポジションは飽和状態に近いので、ここ数シーズン怪我に悩まされて思うようにプレイタイムを伸ばせていなかった田代が最初からまとまったプレイタイムを勝ち取るのは難しいかもしれない。

◯プレイスタイルや武器は?
いわゆる3&Dの選手だが、隙があればどんどんドライブを仕掛けられるのも魅力。ただし、いかんせんパフォーマンスがどうなるかは怪我からの回復状況次第だと思うので、開幕からしばらくは原や金近の交代要員としてのプレイタイムになると予想。ひとまずハイライト置いとく。

なお、今シーズンは渡邊が加入したこととHCが代わったこともあって日本人選手の起用方法がこれまでとガラッと変わることも全然ありえると思う。はやくプレシーズンマッチとか見てみたい。


2.ディージェイ・ホグ


◯プロキャリアは?
大学卒業後の2018年からプロキャリアをスタートさせ、3シーズンほどNBA-Gリーグでプレイしたのち、1シーズンのみフランスのクラブチームに在籍し、2022〜2024年はNBL(オーストラリアリーグ)でプレイ。

2022-2023シーズンはケアンズ・タイパンズで1試合平均32.6分、18.1得点、5.6リバウンド、2.8アシスト、1.2ブロック、1.1スティールのオールラウンドな活躍で存在感を放ち、NBLセカンドチームに輝く。

2023-2024シーズンは肩の怪我で欠場も多かったが、それでも1試合平均26.2分、14.4得点、5.3リバウンド、3.0アシスト、1.3ブロック、0.9スティールをマーク。

スリーも約35%、フリースローも80%の確率で決めてくるという万能戦士ぶり。


あれっ、この人すごくないですかね?

さっそくBリーグでもインパクトを残してくれそうな期待感を隠しきれない。

◯プレイスタイルや武器は?
とりあえずハイライト置いておく。 

あくまでハイライトなんで色々と割り引いて考える必要があるるけども、個人的に吾輩がテンション爆あがりしたのがトップ10形式の方のハイライトの7位のプレイ。

ペイントにドライブで侵入し、ディフェンスに体を当てながらフィニッシュまで持っていくスキルとパワー。

これが常時できて、かつスリーを35%で決めてきてフリースローも80%沈めるんだとしたら相当ヤバい。

ドライブのスキルだけならゼイビア・クックスも相当なものだったが、スリーがないので引いて守られたら持ち味が消されてしまうし、フリースローも5割そこそこなのが泣きどころだった。

そして、体を当てながらフィニッシュに持っていくというのはムーニーにはない動きなのだ。ムーニーはオフェンスでは合わせとポップからのスリー以外はミドルジャンパーの割合がかなり多く、ドライブしてそのままフィニッシュまで持っていくことはほぼない。

だからこそ、ホグの加入で確実性の高いオフェンスの選択肢が増えるというのはチームにとって相当デカい恩恵だ。


◯なんか弱点とかないの?

こればっかりはハイライト動画見るだけではなんともわからない。
スタッツで強いて言うならプレイタイムの割にリバウンドが少ないようにも見えるが、NBLとBリーグというリーグの違いもあるし、チームプランの中でどう選手を起用してるかにもよるので、スタッツのリバウンド数値が低いというのが「リバウンドを取る能力が劣っている」に直結はしないと吾輩は考えている。

はやく見たい。見たいぞ。


3.マイケル・オウ


◯プロキャリアは?
大学卒業後、中国のプロリーグCBAで4シーズンをプレイし3チーム(上海シャークス、福建スタージョンズ、青島イーグルス)を渡り歩く。

2020-21シーズンは平均ブレイタイム約15分で5.6得点(FG61.8%)、4.0リバウンドとなかなかの働きを見せたものの、直近の2023-24シーズンでは平均プレイタイム9分強で2.3得点(FG58.2%)、2.4リバウンドと数字を落としているようだ。


◯プレイスタイルや武器は?
こちらもハイライト置いておく。

ハイライト見た限り、ピックアンドロールからのダイブとかプットバックとか一般的なアジアのビッグマンって感じやなぁっていう感想なのだが、想像してたより動きにキレがあるというかモッサリ感があまりなかったのは良かった。

ジェッツでは最初から多くのプレイタイムを獲得することにはならないと思うが、リバウンドとプットバックがある程度計算できるだけでもありがたい存在だし、クリスを出すときのサイズダウンの影響も最小限に抑えられるだろう(とはいえその点は渡邊の加入でカバーできている部分だとは思うが)。

まだ若いオウくんの成長に期待したいところだ。


4.菅野ブルース


特別指定選手(プロ契約)として契約した菅野ブルースは、身長2mの大型SG。仙台の明成高校を卒業後、アメリカのステットソン大学でプレイしていたようだが、特記すべきようなスタッツは残せていないみたい。

ジェッツでは原、他白、金近と同ポジションになるので、彼らと切磋琢磨しながら成長していってほしい。2mでハンドリング能力をあげてスラッシャーとしての働きもできれば、日本代表にもぜひ欲しいピースになりそう。ロマン枠としては最高の選手だ。


5.渡邊雄太


来てくれてありがとうと言う他ない。NBA挑戦で毎回「今度こそダメだ」「次はない」という状況から結果を出して生き残った苦労人だ。

彼のキャリアやスタッツ、プレイスタイルについてはネットに情報がいくらでもあるので、ハイライトを置いとくに留める。

渡邊雄太加入はジェッツにどのようなプラスをもたらすのか?


◯アイラとの比較
単純に考えれば帰化枠アイラの後釜はアジア枠のオウくんなんだが、昨シーズン平均23分出場していた選手の枠をオウくん一人で埋めるというのはちょっと考えにくい。

なので、渡邊が「日本人なんだけど、他チームで言えば帰化枠選手の役割を担う選手」ということになり、実質的にアイラの後釜になると思っている。

アイラ起用時の悩みのタネだったのが、彼のオフェンススキルがかなり限定的だったことだ。

ペイントに侵入してフィニッシュまでもっていくハンドリングとサイズはなく、合わせのプレイでペイントにダイブしてもボールをファンブルする場面が目立った。

武器はほぼポップからのスリーのみで、これがなかなか高確率で刺さっていたのは好材料だったが徐々に精度を落としていく。
シーズン終盤では明らかにノンシューター扱いをされる(そしてそれが結果的に正解になってしまうという)悔しい場面も目立った。

これが渡邊になることで、オフェンスのオプションはバキバキに増えるだろう

渡邊の強みは、あのサイズで敏捷性も兼ね備えているところだ。隙があればインサイドに切り込んでダンクもできるし、ちょっとマーク離せばスリーも飛んでくるというのは、相手チームに相当ディフェンスの的を絞らせにくくするはずだ。

ディフェンス面でも(というかこれが渡邊の1番の強みと思っているが)、相手のドライブに対応しブロックにも跳べる渡邊の存在感は相当大きいはず。


◯若手への影響
最高峰のNBAで生き残ってきた選手がどのようなものか、若手が練習から肌で感じとれるのは成長のためには最高の環境だと思う。

特に金近や菅野ブルースは、渡邊の動きをみながら自分に足りないものがなんなのか、伸ばしていくためには何をすればよいかを学んでいけば目覚ましい成長を遂げるだろう。


◯メンタル面は大丈夫か?

渡邊加入を不安視する声で目立ったのが「1度メンタルをやられた選手がまたパフォーマンスを戻せるのか?」というものだったが、むしろ「心配の種が消えてバスケに集中できるようになる」と考えている。

NBAは過酷な世界だ。例え契約を勝ち取っても、HCの方針やチーム事情でプレイタイムが限りなくゼロになることもある。プレイの機会がなければ次の契約のチャンスは絶望的だろう。

大多数のロールプレイヤーたちは、主力の怪我などで偶然生まれたチャンスで結果を出し、契約を勝ち取る。しかしそこからスターダムに登りつめる選手は極めて稀で、残りは野心的な若き選手がどんどん入れ替わりで入ってくる流れに呑まれて、やがてはロスターから追いやられ消えていく。

自分の人生設計に思いを馳せるであろう30代にさしかかろうとする渡邊にとって「明日のプレイタイムはないかも」「次の契約はもうないかも」を常に意識させられる環境は、そうとう神経を擦り減らされるものだったと思う。

Bリーグに来たことによってこのストレスから解き放たれた渡邊は、完全にバスケをすることだけに集中できる環境を得たことになるはずだ。たぶん、今までで一番伸び伸びとしたプレイが見れるんじゃないかと吾輩は思っているよ。


◯ケガがちじゃない?

それだけが心配なんだ。頼む…目いっぱいプレイするのもいいが、ケガには気をつけてくれぇ…。


6.トレバー・グリーソンHC


1997年からオーストラリアNBLのブリスベン・ブリッツでアシスタントコーチを務めて以降、NBLやNBAだけでなく韓国・中国などアジアのクラブチームのコーチも務めた経歴を持つ。直近の2023-24シーズンではNBAミルウォーキー・バックスのアシスタントコーチも努めている凄腕。

その実績・受賞歴は以下のページに詳しいが、多すぎて草なんだ。

◯どんなHCなの?
このHCがどのような戦術を好むのか、正直吾輩はわかってないごめん。

ただ、HC契約関係で色々とすったもんだしたあとで、実績十分かつアジアのクラブチームでのHC歴もあり、ジェッツの選手にもゆかりのあるNBLで長年キャリアを築いてきたという方がHCになるのは相当テンション上がる。

こんなにシーズンが待ち遠しいのは本当に久しぶり。昨シーズンは開幕前からGMが「お金なくって編成イマイチかもごめんね」(意訳)みたいなコメント出してて白目剥いた記憶があるので、とうとう本気出してきたな…!というのがバチバチに伝わってくる。

早く試合を…!試合を見せてくれくれぇ…!


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