アレキサンダーの真心について

絶アレキサンダーの攻略中に疑問に思ったこと、それに対してのこじつけ考察の備忘録。自分の頭の整理用に書いているけど、読んでくれる暇人がいたらいいね。

 まず前提として、絶アレキサンダー討滅戦のいわゆる三体フェーズにて「真心ギミック」というものが存在する。処理方法はまずアレキサンダープライムとその逆方向にシャノアが出現し、ランダムなプレイヤー4人に結晶が落ちてくる。そしてシャノアが真心を出しそれを4つの結晶すべてにぶつけると真心が金色に光りアレキサンダーに吸収されればプレイヤー全員にエニグマコーデックスなるものが付与され最終フェーズに未来予知をすることができる。

そこで自分はなんで敵が助けてくれてるの?と疑問に思ったわけである。そこでまずアレキサンダーのストーリーや記録屋バックリクスの記録、ネットにて登場人物の発言や時系列を読み返し言葉の意味を整理した。

真心・・・辞書によると”偽りや飾りのない心。真剣につくす心”とある。

エニグマコーデックス・・・分解して訳すとだいたい"暗号機の写本"となる。つまりこれをもっていないとアレキサンダーの発するシグナルの意味が分からないということであろうか。

階差機関・・・アレキサンダーのもつ高度な演算能力をもつコンピュータのようなもの。本来は多項式の計算ができるスゲーそろばんみたいなもの(wiki調べ)シドによると人の魂すらも存在できるほどの演算能力をもつらしい。

登場人物は
ミーデ・・・ダヤンともう一度会うためにアレキサンダーを呼び出した愛の裏切り者。昔はエニグマコーデックスを読めたが、今は読めない。

ダヤン・・・三年前のアレキサンダー召喚時に吸収された人。階差閉宇宙で生きてるらしい。ミーデと過去にいって幸せになってるっぽい。

クイックシンクス・・・青の手のリーダーで科学者の理想郷を作るためにアレキサンダーを利用しようとする。未来予知が出きるように描写されるがそれは未来のシャノアがもってきた記録屋バックリクスの記録帳をひろったから。

シャノア・・・クイックシンクスに味方しているようにみえる猫。アレキサンダーの分身らしい。

ラウンドロクス・・・エニグマコーデックスが読めるゴブリン族の女の子

バックリクス・・・今回の騒動を書き留めてる人。記録帳をシャノアに三年前に持っていかれる。

最後に時系列

大過去・・・過去にいったダヤンとミーデが青い髪の一族になりエニグマコーデックスを記す。

3年前・・・アレキサンダー召喚未遂によりダヤンの消失、クイックシンクスが記録帳を拾い、ラウンドロクスがエニグマコーデックスを拾う。

現在・・・アレキサンダーの再召喚。そしてヒカセンによる討滅。

だいたい必要な知識はこんなものだろうか。とくに時系列がヤヤコシイ・・・。


やっと本題。
まずダヤンの最後のアレキサンダーに対しての発言である。

“ダヤン : アレキサンダーはここから過去と未来のあらゆる可能性を見渡せる。
「時」を超えたこの場所で……僕は、その思考に触れた。
理想郷を願う心が生んだ、完璧なる「科学の神」の思考にね。
ダヤン : 階差機関が予見した、幾億、幾兆の未来……。
そのなかには「青の手」が勝利し、歴史の管理者となる明日も、
自身の意思で「時の翼」をひろげ、霊災を阻止する歴史もあった。
ダヤン : そうして、ありとあらゆる可能性を、演算にかけた結果……
アレキサンダーは、とある結論に達した。
……それは、「歴史への不干渉」と「自身の抹消」。
ミーデ : なぜ……?
ダヤン : 理想世界に自身の存在は不要……それが科学の神の答えだったのさ。
蛮神の力は、行使されるたびに、膨大なエーテルを貪(むさぼ)る。
歴史への干渉をくりかえすことで、最後には星を殺す……。
だからアレキサンダーは、不干渉を選んだ。
歴史を、あるがままの形で……人の手にゆだねることにしたんだ。
……それが、科学の神が下した「聖なる審判」だった。
ダヤン : いつの日か、星の命運が……ひとりの戦士にゆだねられる時が来る。
その先は、階差機関にすら予測不可能な領域だけど……
科学の神は、信じてみたかったのさ……彼女という「光」を。
ダヤン : ……ただ、ひとつだけ放置できない歴史があった。
アレキサンダーが召喚されて、まもなくの時期だ。
それは幾多の歴史の可能性のなかで、最も不安定な瞬間だった。
「時の翼」が「青の手」に渡れば、歴史は幾度となく改変される。
そのたびに、莫大なエーテルが蕩尽(とうじん)され…………
ついにはアレキサンダー自身が最後の霊災を引き起こす。
大いなる惨禍を防ぐため、科学の神はちいさなクァールを使って、
「時の環」を完成させていった。
すでに、廻りはじめた歴史を……「変えない」ためにね。“

つまりアレキサンダーの意思は要約すると「呼び出してもらって悪いけどさっさと消えたい」である。ただ存在するだけでエーテルを消費するアレキサンダーは不干渉という形が一番世界にとって良いという判断だったのであろう。だがなぜアレキサンダーはこのような意思をまず持ったのであろうか。それは最初に召喚したダヤンとミーデたちの願いが「第七霊災で壊れた世界を修理したい」(ミーデは愛する人とずっと一緒にいたいと願いラストで過去に)だったからであろう。いままでも願いによって召喚された蛮神が額面通りにその願いをかなえることは少なかった。アレキサンダーはダヤンとミーデの願いを「世界を修理したい→世界を良くしたい→だったら力を行使されるたびにエーテルを消費し世界を荒廃させる自分という存在はいないほうがいい」と曲解したアレキサンダーは世界への不干渉、自身の消滅を選択したのであろう。ただそうするためには一つ障害があった。それは、アレキサンダーを利用し科学者の理想郷を作ろうとする「青の手」だ。いくらアレキサンダーに意思があるといってもエニグマコーデックスとそれを読むことができるものの存在がいればアレキサンダーは操られてしまうわけである。そうしてア
レキサンダーは「自身の消滅計画」を立て、ある存在を作る。それが黒猫「シャノア」だ。

そのまえに一つアレキサンダーの未来予知の能力と過去または未来へ翔ぶ能力は別物だと考えている。ある数学者が提唱した概念的存在「ラプラスの悪魔」というものがある。現在のあらゆる物体の力学的、物理的な状態を知っていれば未来を予言することができるというものである。蝶の羽ばたきが台風を起こすことさえあらゆる事象を観測していれば予知できるのだ。アレキサンダーの未来予知は階差閉宇宙を生み出すことのできる演算能力をもってすればかなりの精度の未来予知ができるのであろう。

 本題に戻る。アレキサンダーの「自身の消滅計画」の肝要は1.エーテルの消費をなるべく少なく消滅する。2.それを他者に実行してもらうということである。なにせアレキサンダーの操作の主導権はエニグマコーデックスとそれを解読できるものなわけだから、自身で消滅を選択し勝手に消えることはできない。ただ自身を消滅できるような存在はなかなか存在しない。アレキサンダーは未来を演算し白羽の矢が立ったのが私たち「光の戦士」である。そしてアレキサンダーはヒカセンを軸に「自身の消滅計画」を始動する。

 まず3年前の召喚未遂時にラウンドクロスが見たアレキサンダーは現在に召喚されたアレキサンダーである。バックリクスは以下のように発言している

“着いた先は3年前……ミーデたちの召喚未遂の現場だった!
データレコード : ところがそのとき、何者かの邪魔が入り、蛮神が暴走。
ミーデの仲間は死に、恋人は蛮神の「コア」に吸い込まれた……。
彼女が見た光景を、オレたちはいま、蛮神の側から目撃している!
データレコード : かつてラウンドロクスが見たのは、アウラ族の蛮神ではなかった。
「青の手」が召喚した、3年後のアレキサンダーだったのだ!”

このとき3年前に戻ったアレキサンダーの起こした行動は
・ダヤンを吸収する。
・シャノアを利用しクイックシンクスに未来の記録帳を拾わせる。
・ラウンドロクスにエニグマコーデックスのかけらをひろわせる。
そして不確定だが
・自身の召喚を失敗させる。
の4つだ。
まず一つめの「ダヤンを吸収する」だが召喚された3年前のアレキサンダーが行ったのか、現代のアレキサンダーが行わせたのか定かではないが結果は同じだろう。このときの行動原理は当然3年後のミーデの行動を操作するために吸収したということもあるだろう。しかし、ダヤンたちの願った「世界を良くする」という願いとミーデの願った「愛する人とずっと一緒にいたい」という願いを同時にかなえるための折衷案でもあったのではないだろうか。
 二つめの「シャノアを利用しクイックシンクスに未来の記録帳を拾わせる。」の目的だがこれはクイックシンクスの行動を制限することだろう。もしクイックシンクスが記録帳なしでアレキサンダーの再召喚をしようとする場合、時期が不確定になる。それでは光の戦士に自身を消滅させようとしているアレキサンダーにとってはまずいことになる。そこで未来の記録帳をギフトとしてクイックシンクスに与え、シャノアを神の使いとして傍につけ行動を制限した。上でダヤンのいう不安定な歴史とは一度召喚されてから光の戦士が現れるまでの3年間のことであると予測できる。
 3つ目の「ラウンドロクスにエニグマコーデックスを拾わせる」という目的だが3年後にエニグマコーデックスとそれを操作できる人物を同時にそろえる布石を打つための最善の策なのだろう。ラウンドロクスはミーデとの相性、趣味、種族等々踏まえて舞台装置として最適に思える。
 4つ目の「自身の召喚を失敗させる」というものだが当然劇中では明言されていないので推測ではある。しかし、上でバックリクスがいう「何者かの邪魔」は光の戦士に自身を討滅してほしいアレキサンダーの行動原理として当然考えられるのではないのだろうか。

こうして3年前の召喚未遂時に布石は打たれた。そして迎えた現在、クイックシンクスは記録帳通りに合わせて行動しそれに合わせてまわりも思う通りに動く。もうアレキサンダーは自身を討滅してもらうだけだが、あと一つ枷がある。それは「わざと負けることが許されない」ということである。なぜならアレキサンダーの舵をにぎっているのはクイックシンクスだからだ。負けそうになれば時を戻される可能性もあるし、本調子でないということになれば、クイックシンクスかもしくはその残党の願いを受けて再召喚される恐れがある。そうなれば大量のエーテルが消費されることになり、「エーテルの消費をなるべく少なくする」という目的に沿わない。アレキサンダーは本気を出して(出したように見せて)負ける必要があった。
 そうしてタイトルのやっと真心についてである。アレキサンダーの真心とは、嘘や飾りのない心とは何なのだろうか。それはやはり今まで言及してきた「自身の消滅」である。では、それがなぜシャノアからアレキサンダー・プライムに飛んでくるのだろうか。それはアレキサンダーが「自身の消滅」という願いをシャノアに託し分離したからではないだろうか。自身がクイックシンクスに疑われないように、光の戦士に全力を出せるように。どのフェーズでもアレキサンダーはハンドオブペインで、ジャッジメントナイサイで、次元の断絶で、未来観測で叩き潰しに来る。ただ、なぜ真心を飛ばしたあともシャノアは残るのだろうか、なぜアレキサンダー変わらず全力を出してくるのだろうか。それはもしかすると真心に乗せたのは「光の戦士にエニグマコーデックスを付与する」というプログラムだけなのかもしれない。それだけでもアレキサンダーが逐一演算し、予知した未来を表す信号をエニグマコーデックス(暗号機の写本)で変換し未来を覗き見し対処不可能なギミックを対処することができる。これがクイックシンクスが未来を変えないアレキサンダーの光の戦士への最大限の助けなのだろう。それだけでも自身を超えてくれるという信頼ともとれる。

推敲も読み返しもせずつらつら書き綴ってきたらもう5000字に届きそうになってきた。だいぶ頭が整理された。また追記とかあればつらつらと書き綴っていこうと思う。

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