名古屋の顧客 マルサ

マルサと聞いた事はあると思う
マルサとは、国税庁と国税局に配置されている国税査察部などの部署のことで、査察の査の字を丸で囲って『マルサ』と俗称で呼んでいる
そう、税金の取り立てで一番厳しい部署である
映画でも「マルサの女」というのがあった
脱税等をしているかもしれない怪しい会社・個人を半年はマーク
調査の日は午前9時に会社・個人宅・銀行に一斉に調査に入る
開店と同時にシャッターが開くと、スーツ姿の男性が5〜6人、多い時は10人立っている
この光景は驚かない
銀行はこのマルサ以外にも税務調査・大蔵署検査(今で言う金融監督署)・日銀考査などがある
大蔵署検査や日銀考査の結果次第では支店長のクビが飛ぶ事もある
大蔵署検査は3年に1回、日銀考査は4年に1回
下手したら連チャンの年もある 
該当する支店は数ケ店であるが
小生はこの大蔵署検査を2回
日銀考査を1回経験した
この話しは後日
話しはそれたが、このマルサが小生の支店に入った
しかも、小生の担当先である
こんな経験をした人はあまりいない
小生、まだ25歳
しかし、その10年後に別の支店でまた経験する事となる
小生は2階の事務室にいたが
突然、3人のスーツ姿の男性が上がってきた
「◯◯の担当者は誰だ」と大声で
「私です」と言うと、3人に取り囲まれた
1人が小生の身体検査
2人が小生の鞄や机の引き出しを片っ端に出し

そのまま、別室に連れて行かれた
何が起こっているのか
とにかく、小生も顧客と同罪の犯罪者のような扱いであった事は覚えている
別室では小生の持ち物、鞄の中身、引き出しの中身の説明を求められた
顧客の電話番号を記した小型手帳に対して、一人一人何処の誰かを聞かれた
小生はまだ独身であったので
この人はと言われ、「彼女です」と答えると
「本当か、何歳だ、何処で知り合った」と
何なんだ、プライバシーは無いのか
それから尋問が始まる
その日は5回あった
用意された分厚い資料から突っ込まれる
同じ事を少し言葉を変えて、何度も何度も
内容は控えるが
このマルサから半年、顧客は一億円を払って解放された
この顧客から「一億円で済んで良かった」と
一体、いくら脱税をしていたのか
真実は分からない 
しかし、小生は知っていた
顧客の片棒は担いでいない
そんな事をしたら銀行をクビだけでは済まないからだ
全く、マルサとは怖い
と言うか、税務署の調査はどれも怖い
犯罪者のような扱いだからである
なので、銀行のルールで取引先に転籍した際の税務調査は怖いと思っていた
しかし、対応が全然違う
お客様という対応である
これにはびっくり
これは後日


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