名古屋の顧客 大変な会社

小生は個人担当であるが、法人を数件担当していた
その中でとんでもない顧客を紹介する
週に一度の訪問であった
訪問時には会社の通帳を専務から預かる
そして経理から現金の集金
時々、従業員から個人的な依頼も受ける
この個人からの定期預金や積立預金が唯一の小生の成績となる
一見、なんの変哲もない仕事内容だ
しかし、ここは外為取引をやっている
そう、海外から材料を仕入れる為である
なので、円安・円高にはピリピリ
小生の銀行から当日の円相場の連絡が遅れると八つ当たりされてしまう
小生の所属する係ではなく別の係の事なので、八つ当たりは勘弁してほしい
でも、同じ支店だ
八つ当たりで文句を言われるのは仕方がない
問題なのは、文句を言いながら通帳を投げてくる
これはほぼ毎回だ
円相場がどうだったら、文句を言わないのか
通帳を投げないのか
これを毎回見ている従業員も通帳を投げる
自分の通帳を投げる
意味が分からない
そんなある日、社長の息子の専務から自宅にも集金に来るように依頼が
集金先が増えるのは勘弁して欲しい
しかし、この会社はそこそこ大きいし、小生の言動で取引が減少するのもと思うと、断れず
月1回の訪問を約束した
そこでは旦那である専務の愚痴を聞きながら夫人より集金
会社での大変さは自宅でも同じのようである
月1回の訪問と言っても、通帳も預かるので当然返却も伴う
月2回となる
また、訪問もいつ行っても良いのではなく、顧客の都合もあり
これの時間調整も大変である
そして、旦那への愚痴を聞く
これが一年続いた
ただ、この専務夫人は顔が広く、近くのママ友を何人も紹介してくれた
お陰で多少の成績アップにもなった
でも、会社では以前と風当たりが強い
小生の支店では誰が担当しても大変との認識はあった
特に専務が問題だと
小生が専務から依頼を受けて自宅まで行っているとは知らず
課長は知っていたと思うが
そんなある日、小生が病気を患い一週間訪問が出来ず
会社には別の担当者が訪問
自宅は小生から連絡しておらず、また銀行にも自宅訪問を伝えおらず
一週間後に会社に行くと専務から自宅訪問はどうしたと激怒
病気と言っても無駄と分かっていたので謝るのみ
その足で自宅に訪問、理由を説明
夫人は納得してくれた
この件を夫人から専務に伝えた事もあり
3日後に急に専務から呼び出しが
行くと、別室に通され鞄から3百万円出してきた
ちょっと怒りすぎたと言って、定期預金にと
えー
多分、夫人が相当言ってくれたのでは
何を言ったか分からないが
でも、次の日からの対応は同じ
専務も根は悪くない人だと思った
性格は治せないとも思った
とにかくとんでもない顧客は何処にでも存在する
これをいかに丁寧に怒らせないように接客するのが銀行員である
とストレスを溜めながら、お酒を飲む日々が続く
これもサラリーマンの宿命か

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