支店長1ケ店目 廃店

支店長1ケ店目
突然、年末に本部が来ると連絡あり
それも、統廃合や新店舗ばかり扱っている部署
小生が赴任して、法人部門が隣りの支店に吸収
取引先課の廃止
どう考えても、統廃合である
多分、法人部門が吸収された店舗に吸収と思われる
まずは、年末を待つ事に
年末に本部から2人
やはり、統廃合だった
翌年の春にとの事
しかし、この統廃合は小生だけの極秘事項
支店全員へは、その春の手前に公表予定と
小生だけが悶々とするのか
耐えられるのか
これで、小生はお払い箱なのか
やっと支店長となったが、短い命だった
色々と考えてしまう
こんな悶々とした感じで年越しをするのか
そして、年越し
年明けは、全員が今年も頑張るぞとの意気込み
小生はそんな気にはなれない
でも、そんな感情は出せない
そして、全員への公表の日
本部から人が来た
かなり偉い方?
全員を夕方、集める
5月に統廃合と一言あり
全員が泣いた
自分の支店がなくなるのだから
また、あれだけ頑張って成績を出したのにの悔しさもあったと思う
でも、決まった事である
この日から、小生を除いた全員の人事異動を手掛ける
課長にはワンランク上を
係員には次のステップを狙える支店を
契約社員には通勤時間短縮と忙しくない支店を
パート社員には出来るだけ居心地の良い支店を
一番大変なのは課長ポストである
一般的には、統廃合する支店の課長はそのままで、される支店の課長は横滑りである
それは避けた
統合する支店の支店長に内密に掛け合う
聞いてもらえない
では、本部を巻き込もう
統合する支店の支店長と本部へ
どちらの課長が相応しいかを投げ掛ける
統合される小生の支店の課長はワンランクアップなので、非常に悩ましい
しかし、本部の人事権のある部長が即答
小生の支店の課長を推してくれた
これには、驚き
統合する支店の支店長は出世コースの通り道
これには逆らわず
あっさりと了承
これから、次々と全員の行き先が良い方に向いてきた
約2ケ月で全員の行き先は決定
小生の行き先は、支店を閉める前日に人事で辞令
閉める一週間前には貸金庫の移動 
小生が立ち会う
金の延棒で開かない金庫
現金でぎっしりの金庫
坪だけの金庫
様々である
閉める当日は、開店前には頭取が来店
小生以外は、会った事がない全員があたふた
そして、最後のお客様を見送り
閉店
なんとも言えない
全員が翌週から新しい支店で何事もなかったように働くのか
異動慣れしているとこんなものなのか
こうして、小生の支店長1ケ店目は幕を閉じた

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?