融資課 係長スタート

4ケ店目にして係長
30歳の時だ
結婚して子供も生まれた
マンションも買った
不安と言えば、大卒ばかりの融資に重きを置いた中小企業相手の支店配属、そして融資担当経験2年、なにより取引先が大手、加えて部下6名の指導
転勤初日
前任者からの引き継ぎ
引き継ぎは、取引先への挨拶から始まり、取り掛かり中の事務、週間・月間のスケジュールとボリュームは半端ない
それを3日だけ
しかし、前任者は10歳の先輩
まず、引き継ぎ資料が作成されてなかった
あり得ない
加えて、「挨拶回りはしない」と
「現在、滞っている事務を一緒に片付けてくれ」と
上司の課長からは、「現在の事務を片付けないと君の歓迎会はないから」とも
とんでもない先輩の後任となったものだ
でも、前任者に従うしかない
早速、稟議書作成を申し渡される
融資には支店裁量と言って支店長決済と、稟議と言って本部決済がある
小生はその稟議経験がなかった
稟議には本部に提出する稟議書を作成しなければならない
とにかく、「初めてです、未経験です」と言えない雰囲気
部下が見ている
片っ端から他の取引先のファイルを見て、作成に取り掛かる
取引先への挨拶はと思っていると
前任者は電話で担当が変わった事を伝えていた
大丈夫なのか、不安になって聞いてみた
「僕は取引先の訪問はした事がない」「取引先から融資の依頼がある際は来店してもらっていた」
「えー、殿様商売じゃん」と思った
前任者のスケジュール表には来店される取引先名が、1時間単位で書かれていた
これでは、取引先が何を作っているのか、会社の雰囲気はとか、イメージが湧かない
絶対にダメだと思った
そんな思いの中、稟議書を作成
案の定、課長から差し戻し
1社だけではない
何社も差し戻し
その繰り返し
初日は7時になんとか終了
それから小生の歓迎会
次の日は10時、次の日は11時
段々と遅くなった
それでも、仕事は山のようにある
本当にやっていけるのか
不安だけが一人歩き
でも、給料も上がり、結婚もしていたので家族の為、マンションも買ったのでローン返済と弱音を吐く事は出来ない
踏ん張り時だ
引き継ぎ終了後は更に大変な事に
これは後日


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