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早弁という名の戦争


中2のとき、僕含む一部の男子の中では早弁が流行っていた。
早弁とは何か?お昼のお弁当を食べる時間までの授業中や休み時間に弁当を食べること。
その弁当は「自分の」弁当を食べるのが当たり前とは思うが、僕達の間で流行った早弁は「他人の」弁当を勝手に食べるものだった。
その日のターゲットを決め、数人でターゲットの弁当を食べるのだ。

ただし、ルールが1つだけあった。全部は食べてはいけない。コレは絶対だった。しかも、暗黙のルール。
理由はたぶん、「全部はかわいそう」だから。
なら他人の弁当を食うなよ!なのだが、おもしろいからやるに決まっている。そんな連中しかいない。ただみんな心は優しいのだ。14歳のお昼食べるお弁当の価値の高さは理解していたのだ。

この早弁が本当に誰も得をしない悲惨な早弁でタチが悪い。
いろいろな戦いがそこにはあった。たぶん一ヶ月はこの無意味な戦いは続いたと記憶している。
この早弁は休み時間に実行される。
もちろんターゲットがいたら、作戦は実行できないので、体育や音楽、美術といった教室を移動する授業の休み時間に行われる。
ヒヤヒヤしながら、体育や音楽の授業に行ったのを覚えている。どうかターゲットになりませんようにと(笑)
あっ。やる側、やられる側は常に決まった誰かではないので、イジメとかではないですよ。
「昨日の仲間は今日の敵」みたいなノリでやっていたのでね。
この早弁戦争で僕が記憶している出来事をいくつかご紹介したいと思う。


ベジタブル大作戦

この作戦は正に地獄。
お弁当に入っている野菜、米以外の全てのものを食べられてしまう。
この作戦を思いついた奴は天才だと思う。
想像して下さい。お腹が減ってやっと弁当の時間だ!と思いフタを開けると野菜と米しかないのだ。やられた側のあの絶望感。。。マジか。。。そんな日に限ってふりかけはないし。この米どうやって食うねん。

やっている側はニヤニヤしながら肉を食べる。
この作戦は流行り何度も実行されたが、ある事件がきっかけで二度と実行されることはなくなった。

その事件とは乱闘事件だ。

あまりに過激な作戦のため、ターゲットがキレてしまい廊下で乱闘事件に発展したのだ。
乱闘の結果は早弁された奴が早弁した奴の膝蹴りを鼻にくらい鼻血を流し、廊下が血の海になるという悲しすぎる結末だったので、このベジタブル大作戦はその日をもって実行されることはなくなったのだ。
しかし、この早弁戦争はまだ続いたのであった。。。

つづく

思ったより長くなってしまったので、これにて終了。
読んでくれた方、ありがとうございました。

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