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僕のお盆休み。

こんにちは。みーすけぼんぼんです。

お盆もすぐそこ。
お盆休みに突入した人も多いと思います。

ところがここ最近、法事やら何やらが重なって毎週の様に実家の大阪に帰省していた僕は、暦を逆走するようになんの予定もないお盆を迎えています。

でもね、コロナも流行ってきてるんでね。
お家でまったりもいいかなって思えてるこの頃。

海だ!ビアガだ!と羽を伸ばすこともしたいけど、こういう生活も実は大好き。

まさに1人好きの寂しがり屋ってタイプです。


ところで、皆さんは一日のうち一番好きな時間帯っていつですか?

僕は夕方。

西日が眩しくて、どこかの小学校から帰宅を促す音楽が流れ出す時間が1番好きです。
夏の終わり頃になるとヒグラシなんかが鳴いたりしてさ。

エモいって感覚を人に説明する時の描写にピッタリだと思う。(書いてて思った)

更に、息がこぼれるほど美しい夕焼けを見ることが出来た日はとても幸せな気持ちになれる。

こういう夕方を マジックアワー っていうらしい。

三谷幸喜の映画であったよね。

新海誠の「君の名は」では "黄昏時(誰そ彼時), って呼ばれてた。

マジックアワー (magic hour) 、マジックタイムは、日没前、日の出後に数十分程体験できる薄明の時間帯を指す撮影用語で、光源となる太陽からの光線が日中より赤く、淡い状態となり、色相がソフトで暖かく、金色に輝いて見える状態である。 ゴールデンアワー (golden hour) とも呼ばれる。

だってさ。

僕はこの時間になると、いつも思い出す景色がある。

まだ小学生だった頃の話。

うだるような8月の夕方、僕は校庭で遊び疲れて家に帰ってきた。

「ただいまー! …あれ?」

珍しく家には誰もいなかった。

買い物かな。マンションの下で花に水でもあげてんのかな。

僕の母は近所の植栽委員会のメンバーで、よくマンションの花壇の花に水をやりに行っていた。

「アインただいま。おまえこんなくそ暑いのによく毛皮着てられんな。」

ソファーの影で日差しを避ける飼い猫のアインに向かって声をかけた。

アインは無駄な体力を使うまいと、じっと同じ体勢をとっている。

「あっつー、」

とりあえず、カラカラの喉を潤そうと冷蔵庫から麦茶を引っ張り出しコップに溢れんばかりの氷とともに注いだ。

「アインも飲む?」

なぜだか上機嫌だったその日の僕は無駄に独り言が多く、寝てるのか起きているのか分からない猫に沢山話しかけた。

その時。

どこからともなく、ドボルザークの「新世界」がリビングに流れ込んできた。

僕の家周りでは、毎日夕方になるとこの曲が流れ出す。

どこから流れているのか、誰が流しているのか、よく家族でそんな話をしたが今でもわからないままだ。

キンキンに冷えた麦茶を片手に、僕はベランダから外を眺めた。

「アイン。みてみーよ。」

そこには、空にオレンジの絵の具を大袈裟にこぼしたかのような景色が広がっていた。

力強い太陽のエネルギーを感じるが、どこか慰めの様な、諦めの様な、そんな言葉を投げかけているような空だった。

近所の家から運ばれてくる夕飯の煮物の匂い。

氷がコップに当たる「カランカラン」の音。

そして、当時は曲名も知らなかった "the エモい曲" 「新世界」

その時ばかりは、さっきまでパチ屋並にうるさかったクマゼミも、ピタリと鳴き止んでいた。

幸せだけど、何故だか泣き出しそう。

言葉にならない感情ってあるんだな。

そんな想いを抱いた事を覚えている。

いつもと変わり映えのしない日だったけど、その日は僕にとって一生忘れられない日になっています。

今年のお盆、見れるといいな。

マジックアワー。