退院

1か月

約1か月。
たったの1か月がこんなに長く感じることはなかった。
でも来なければいいのにと思い続けた。

でも時間は刻まれていく。

1月28日月曜日がやってきた。

「どんな結果であっても受け止めよう」
「そしてしっかりと抗ってちゃんと戦っていこう」
病院のソファーに座りながら、そんなことを2人で話す。
誰もが不安がないわけじゃない。
でも不安に押しつぶされてもしょうがないことを知っていたから
親子という単位である種の覚悟を持っていた。
そんな感じ。

診察室に入ると主治医先生が机に向かっている。
その纏う空気からふと安堵できる雰囲気を受け取った。
「生検の結果が出ました。まさかの良性でした」

??????????

祈り信じて待っていた答えなのに、どうしても受け止められない。
後で実は呼び出されてみたいなあれか?
主治医先生の纏う空気から&できる雰囲気を受け取ったはずなのに、
いざ待ち望んだ言葉を聞いたはずなのに、逆に不安になる。
なんだこの身勝手な心模様は。

主治医先生からの「まさかの」発言の続きは、
・腫瘍マーカーの数値が高かったので、定期的な検査をしましょう。
・もし少しでも体に変調があればすぐに来てください。
というもの。

後で呼び出される不安はなくなったものの、
次はあまりの緊張からか、拍子が抜けた。そんな感覚。
こういう時に咄嗟に喜べないほどの恐怖と不安を感じていたことを
診察室を出て理解した。

とにかくよかった。それ以外の言葉は見つからない。
でも子供の死というイメージが拭えたわけじゃない。
むちゃくちゃ怖い。本当にむちゃくちゃ怖い。
全く想像をしたことがないわけじゃないけど、
現実味を帯びて目の前に訪れてくる事実とは到底、解像度が違う。

とにかくよかった。当分これを噛み締めていよう。

たくさんの方にご心配を頂き、感謝いたします。ありがとうございます。

※この記事は2019年1月30日に作成したものです。

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