現在地:中華BL(字幕版アニメ)という世界

※追記※2021年10月現在、アマプラで吹替版のみですが配信されているので陳情令と合わせてぜひ!

私のnote記事を過去に読んでくださった方は既にご存知かと思いますが、中国の小説が原作であるBL作品「魔道祖師」に
今年の3月頃まさに出会い頭の事故のごとくどっぷり嵌ってしまいました。
同時期に魔道祖師を原作にした実写ドラマ「陳情令」も日本初上陸を果たしておりましたが、嵌った時点ではまだドラマは未視聴でした。
どっぷり嵌ったこの魔道祖師、コンテンツが色々とあるのですが初めて触れたのがアニメだったのです。

このアニメが、なんとついに日本で有料配信ではありますが視聴できる日が来たのです。
公式配信元である騰訊視頻(テンセントビデオ)のyoutubeで、有志の方が翻訳字幕を付けてくださったアニメを
タブレットを抱えて毎日視聴していた日々。突然、対象地域では視聴できません。と配信が観られなくなった絶望の日。
嵌ったのがまだ半年経たない日数ではありながら、youtubeが観られなくなったのは日本で配信が正式に決まったはず。
いやでも違ったらもう一生観られないのか?こんな絶望あるか?!原作の翻訳も無しで、アニメも観られなくなったら……。
とその後の日々はメンタルの具合が不安定で大変でした。

しかしそんな絶望とも、袂を分かつ日が来たのです。
配信元はWOWOWです。
別件ですが、もはや人生と言える愛するバンドのライブも放送してくれたことのあるWOWOWを私は信頼しています。
今回も加入していない人は不満があるのでしょうが、綺麗な映像でCM無しで観られることに心底感謝しています。
話を戻します。
先日5日には先行無料配信で1話のみ放送され、その際公式からSNSでタグを付けて先行配信を盛り上げようというイベントがありました。
私も少し参加して存分に楽しみました。トレンド入りも果たしていたようで、本当に嬉しい限りです。

いよいよ本日9日の深夜1時から、1話と2話が放送されます。
9日からは1期の「前塵編」、11月4日からは2期の「羨雲編」が放送です。
この1期、2期の話数は日本のアニメとは形式が違うようなので1期(15話)2期(8話)合わせて23話です。
中国では現在、スピンオフというか番外編の、主人公全てがミニキャラにデフォルメされたシリーズが配信中。
3期は来年配信予定なので、これも日本で観られる日が来ますように。

また前置きが長くなってしまいましたが、アニメについてもう少し詳しく書きたいと思います。

アニメ「魔道祖師」とは

原作BL小説「魔道祖師」は、ラジオドラマ、アニメ、漫画、実写ドラマなど様々なメディアミックスを展開している中国や韓国を始めアメリカなどでもファンの多い作品です。
2018年より中国のテンセントビデオ(騰訊視頻)にて配信され、公開後わずか3日で4000万PVを超え、同サイトのアニメアクセスランキングで1位を獲得しています。
水墨画を意識した背景美術に華麗な武闘シーン、古典楽器を用いた音楽などが評判を呼び、2年連続で中国マンガ・アニメーション関連最大のコンペティションである
金龍賞のアニメシリーズ最優秀賞を受賞しています。
藍忘機役を担当する声優のビエン・ジャン氏は、「陳情令」でも藍忘機役の吹き替えを担当しています。
個人的に、ドラマでは惜しいと感じていた仙術のシーンは、アニメ版で完全に払拭されました。
狂屍(ゾンビのようなもの)を封じる陣や、呪符を使用したシーン。
死者の声を琴の音で問う問霊、琴や笛を武器に戦うシーンや決戦のシーンはアニメで観られて本当に良かったなと思います。
ドラマ「陳情令」で作品に興味を持った方にも、ぜひ観て欲しいと思います。

あらすじ

WOWOWの魔道祖師特集ページには下記のように記載されています。

世は岐山温氏が暴虐の限りを尽くし、人々は苦しみにあえいでいた。
姑蘇藍氏、雲夢江氏、蘭陵金氏、清河聶氏ら仙門の修行者たちは「射日の征戦」を行ない、力を合わせて温氏を討伐することに成功する。
夷陵老祖である魏無羨(ウェイ・ウーシエン)は、「射日の征戦」で貢献を果たしたが、彼が修めた鬼道は強大な力を持つがゆえに、
人々から恐れられ、やがてその身の破滅を招いてしまう。
そして13年後、死んだはずの魏無羨は呪術によって世によみがえり、かつての友、姑蘇藍氏の藍忘機(ラン・ワンジー)と、
義兄弟である雲夢江氏の江澄(ジャン・チョン)と再会する。しかし、過去の謎はいまだ消えず、世間は再び彼を疑い始めるのだった。
すべての物語の始まりは、彼らの少年時代の出会いにさかのぼる――。

作品のジャンルとしては、中国ではメジャーな武狭もの(義を重んじ情に生きる武術に長けた主人公が活躍する作品)がありますが、
ここに中国の伝説や神話・道教の思想が基になった要素が加わったもの仙狭ものというようです。
基本的に仙狭ものは「神・仙・妖・魔・人・鬼」の六道(世界)で構成されるようなので、魔道祖師も仙狭ものといえるでしょう。

六道の幻想的な世界観に、義と情、そして武術、さらにBLとして愛の話が複雑に絡み合っている作品です。
私がここまで嵌ったのはキャラクターの関係性が非常に素晴らしく、キャラクター誰しもに「過失」があるところなのです。
その「過失」とは何か。
ぜひ作品を通して感じて頂きたいなと思います。

ここが見どころ

とにかく、画面が美しいです。
背景は先にも紹介しましたが水墨画を意識した描写がされており、特に1話の冒頭は怒涛の美描写で畳みかけられます。
どの作品も1話は気合いが入っているものですので、ぜひ1話でその気合いを感じてください。
キャラクターデザインの方向性は、日本のアニメとそう大きく違いは無いかと思います。
なぜか動物がめちゃくちゃ可愛く無いところがある意味ポイントなので、私は観るたび可愛くねえ!とゲラゲラ笑っています。
動物のキャラデザは、ちょっと洋風寄りなのかな?兎とか謎カラーリングです。

ドラマ「陳情令」を視聴済みの方はぜひ、各キャラクターの声に注目して欲しいです。
藍湛はドラマと同じですが、魏嬰はドラマよりやんちゃさが増して、しかし夷陵老祖のときは色気のある声の演技でアニメに合ってるなと思います。
ドラマの魏嬰の声優さんも素晴らしいのですが(ドラマ・中国ラジオドラマ担当)、アージエ氏の声はアニメの魏嬰だなあと思います。
蔵書閣で藍湛の名前を呼ぶシーンとか、あのやんちゃで小憎たらしく可愛い声……!
思追の声はドラマよりずっと落ち着いて大人な雰囲気で、そこもまた素敵です。

楽しみにしていてくださいね。

またアニメ本編以外にも、曲がとても素敵なんです。
オープニングが「酔夢前塵」
エンディングが「問琴」(第1期1~8、14、15話)、「不羡」(第1期9~13話)、「少年如故」(第2期)

歌詞の翻訳までしてくださっているので、ぜひ歌詞の美しさも堪能してくださいね。
忘羨の関係性を想うと心臓を押さえずにはいられません。
色々と考えれば考えるほど他のキャラクターへも通じる面があったりするはずです。

曲の背景の絵も非常に美しいです。
特にエンディングは静止画なのですが、小説(現在は中国、韓国、タイ、ベトナム、ロシアなどが出版、出版決定している)等でイラストを担当しているイラストレーターが描いている絵が使われているカットもあるようです。
魔道祖師はコンテンツにより公式で色々なイラストレーターと契約しているようなので、本当に色々な絵がありますがどれも素敵です。

どこで観られるの?

WOWOW
オンデマンドで見逃し配信もされていますが、配信期限があるので注意!
映像綺麗!録画もできる!なによりCMが無いので最高。
条件がそろえば15分程度で視聴可能になるようです。

Paravi
WOWOW作品が配信で観られるのはこのアプリだけなのかな?
利用したことが無いので詳しいことはわかりませんが、WOWOWに入れないという方には便利そう。
スマホやタブレット、TVでも観られるようです。


9日に観られないよ!というあなた。
9月24日に6話一挙放送あります!まだ間に合いますよ。

私はアニメで「うわ、嵌った」と思って原作→ラジオドラマ→陳情令→原作読了!というルートを辿りました。
日本語吹き替え版の放送も既に決まっていますが、ぜひ字幕版の良さを知って欲しいと思いこの記事を書きました。
出逢いの一助になれたら幸いです。

それにしても、3月の頃の私はまさかこんな海外コンテンツに嵌ってしまい、日本での黎明期に立ち会うことになるとは思っていませんでした。
あー幸せ!
それでは良い中華BLライフを。

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