2023 視聴済み中国ドラマおぼえがき

あっという間に2024年になってしまった。
去年は後半バタバタしたものの、週末はWOWOW放送の録画を中心に楽しむことができました。
私が中国ドラマにハマってからまだ3年程度なので、まだまだ配信で過去作品を追いかけても時間が足りないくらい作品が豊富にありますが、WOWOWでも同年に本国で配信された作品が上陸したりとどんどんスピードが速くなっているようで振り返れば驚きと喜び続きの一年だったように思います。

それでは項目ごとに各作品の感想と、今年観た中でよかったもの10作品を選んでいこうと思います。
最後に、完走した作品名を記載しました。
長くなりすぎましたが、よかったらお付き合いください〜。

2023年の完走作品はドラマのみで合計22作品。
WOWOWで放送中のロングシーズンはあと2話くらいを残して年を越してしまったので、2024年へ持ち越しです。
さて【武俠もの】から、まずは2023年一作目で観たのが簡不知。これは探案+武俠もの。俳優陣は若手が多くて知っている顔は本当に少なかったけど江湖の有象無象がわちゃわちゃ出てくる楽しさやそれぞれの武器・戦い方に特色があって楽しかったな〜。
有翡も王一博がチャラけた役をやっている上に、priest先生原作ということで気になってたけどLegend of Loveてお前…となって期待していなかったものの、蓋を開けたら基本を押さえためちゃめちゃ楽しい武俠ものだった。女主の性格も好きだったし、サブキャラたちにもしっかりスポットが当たってなかなか見応えがありました。やっぱ武俠ものは楽しいな〜と思える作品だった。もう一回観ても良いかなという程度に気に入りました。
天龍八部は王道ということで観ましたが、金庸先生の脳内どうなってんの?と思うことばかり。正直あんまり好きだな〜となるキャラはいなかったんだけど、やっぱり基本のキ。この世界を知っていた方が、自分が好きな作品(MXTX作品。墨香先生は金庸作品の大ファンなので)を何倍も深く楽しめるなと感じた。結末あたりはオリジナルになっているようで、ある程度今の時代を反映させているんだと思う。
斗羅大陸は武俠とファンタジーミックスな感じ。肖戦が出てるので話題によく登ってましたが、少年マンガっぽくサラッと楽しめる作品でした。肖戦の初々しい可愛さが楽しみたい人にはおすすめかな。

【時代もの・歴史】は骨太な作品が多かった。永楽帝はストーリー後半ちょっと駆け足な気がしたけど、セットや衣装の豪華さが桁違いでそれだけでも楽しめました。刺繍とか本当にすごかった。そしてイケおじの面々。特に、朱元璋役のベテラン俳優さんの演技が素晴らしかった。
キングダムは多少の脚色はあるんだろうけど歴史を知るのに良かった。俳優陣も豪華。気になる時代だけかいつまんで観るというのも良いかもだけど、続けて観ることで面白さがわかる作りになっている。二期も衛星劇場かなんかで放送されてるので、配信に来てくれるのを待ってます。
康熙帝はもう本当に好きな作品だった〜。原題は「天下長河」。黄河の治水に命をかけた男たちの話であるこの作品をしっかり表していたと思うので、変えて欲しくなかったなと思うけどわかりやすさも大切なんだろう。治水の知識に長けた貧しい学生の天一と、冤罪で死罪になることが決まった長年治水を担当してきた官僚の靳輔が出会い師弟のような友のようなかたい絆で結ばれる。そこに、黄河の治水を必ず成し遂げると誓った康熙帝も加わるかたちなので、主人公は一人では無いんですよね。「河神」と自称する貧しい学生の天一が朝廷の争いに巻き込まれてもきらきら目を輝かせて少年のような顔のまま治水のことを語る姿がたまらなかった。康熙帝役の羅晋、靳輔役の黄志忠、天一役の尹昉、本当に良かったです。円盤の発売を願っていますが…日本で人気の若手俳優とか出てないからどうかなあ。出て欲しい!
三国志 Secret of Three Kingdoms、長安二十四時はどちらも馬伯庸が原作。三国志ものは同じく馬伯庸の風起隴西を観たことがあるだけで疎いので、勉強のために岩波ジュニアの本を買いました笑。
三国志 Secret of Three Kingdomsは、「漢王朝最後の皇帝・献帝は双子だった」という設定で話が進むので三国志ものとしては邪道なんだと思いますし、これ武俠ものだな?!みたいな展開も結構あって楽しかった。時間差で利く毒とかね。ラストに向かうにつれて、話の中心人物だった人たちが表舞台からひっそり去っていく感じとかも好きだった。伏寿役の俳優さんの声がめちゃくちゃかっこよくて好きだったな。中国俳優、女性でも低めの声の方が結構いる印象なんだけどこの方の声は特に低めで威厳がある声で、聞くたびうっとりしてました。
長安二十四時は1話の一番最初のカットで、これはすごい作品だぞと思ったんだけど本当におもしろかった。主要メンバーだけでなく、唐代の街並みや人々の再現が素晴らしくてついついそっちに目がいくくらい。主人公は元地方兵で、辺境での戦いで手柄を立てたことにより長安の不良帥(長安で罪人を捕えるのが仕事)をしていたが上官を殺したとして投獄されていた死刑囚。演じる雷佳音の雰囲気が、彼の過去に重みを持たせている。あと、過去の辺境での戦争シーンがあまりにもリアルで胸が痛くなるくらいだった。まだ見落としている部分がいっぱいあると思うから、また見直したい作品でもある。

【時代もの・ロマンスあり】
恋愛ものは好んで観ないんですが、食わず嫌いしていると良い作品を観ないままになっちゃうこともあるな〜と思った一年でした。
花小厨はちょっとイラッとするキャラの登場が長めだったりあまりにも少女漫画展開で苦手な部分もあったんだけど、主人公が基本的にコナクソ精神で強かったのと、主人公のお姉ちゃんが良いキャラだったのと、料理シーンが楽しかったので完走できた。ラストもまあカラッと大円団な感じで楽しかった。
夢華録はなんといっても宋の時代のお茶(闘茶)とか女性陣の仙女のような美しい衣装とか丁寧に表現されていて楽しかった。また神仙姐姐こと劉亦菲の美しさも見逃せないですね。本当に美しい方でした。お相手役の陳暁も美しく、まさに美形カップル。
卿卿日常はコミカルな中にもしっかりと、現代にも根強く存在する女性蔑視や身分差別などの問題を取り上げていて驚きました。心根の素直なキャラクターを主人公に据えて奮闘させるという定番な流れでも、説教くさくなく、クドくもない。こんな表現できるんだなあと毎回楽しかった。主人公や周りの恋の行方もとても可愛く、こんなにいい気持ちで最後まで観られるドラマ他にあるかな?という感じでした。
2023年は夢華録と卿卿日常を置いては語れないくらい好きな作品だった。どちらも身分や性別など、自分自身ではどうにもならない不平等な問題で苦難を強いられている者たちが手を携え、互いを敬って、自分自身で進む道を選んでいくという作品。夢華録はしっとりと大人な雰囲気、卿卿日常かわいくコミカルで作品の雰囲気は異なるものの、芯の部分は似たものを感じました。中国のシスターフッド作品としてもおすすめしたい。
贅婿は、全体的に面白いんだけど特に前半が最高!慶余年を観ていたら繋がっているというかパロディになっているところもあるので、すごく楽しい。慶余年と同じくタイムスリップというか転生?ものなんだけど、古代の借金のかたに婿入りすることになった冴えない男主に現代の遣り手ビジネスマンが転生して、チートキャラとして活躍するという展開。婿たちが「婿修行」をする男徳学院の面々が好き。これも二期へ続くなところで終わってるので、頼むぞ本当に。
宮廷恋士官は邦題が最悪すぎる&ださピンクのキラキラパッケージ改変のおかげで全くアンテナに掛かってなかったんだけど、こんなに良い作品にどうしてこんな仕打ちを?!というものでした。低予算だなと一発で感じるペラペラ衣装とかでしたが、かなりしっかりした謎解きもの作品で面白かった!主人公が才能がありつつも女性であることなどが要因で、検死官として認められない辛さだとか、検死官は役人に命じられて仕事を行う歴とした職業なのに、いわゆる穢れの考えによって不当に差別されているような表現もきちんとされていてよかった。俳優陣はこちらも若手が多く知ってる顔はほぼ無しでしたが、キャラに合っててよかった。主人公たちの恋愛も可愛く、でも自分たちの結婚式を敵を誘き出すのに上手く使う冷静さとかもあって面白いキャラだった。何より主人公周りの人々はひねた人がいなくて気持ちよかったし、悪役はしっかり悪辣でメリハリあってよかった。絶対に恋愛もので押し出すより、謎解きものとして押し出した方がいいと思うのになあ。

【現代もの・サスペンス・ミステリ】
古装劇が注目されがちだけど、現代劇も好きなんだ〜。
バーニング・アイスは通称雪だるまと呼ばれる連続殺人犯をめぐる話。あんまり中国らしさを感じないストーリー展開だったので、雰囲気的には北欧とかのサスペンでもありそう。バッド・キッズと同じ名前のキャラが出てくるけど、明確に繋がっているわけでは無いみたい。でも、もしも彼が数年後にこうなっていたら…と思うとそれはまたそれでいいなと。
ロング・ナイト、面白いんだけど、これはもう一度観たくないというか、観たくないわけじゃ無いけどまだ勇気が出ない。とにかく白宇の演技が素晴らしかったです。彼がこの作品の中であまりに「生きている」存在過ぎて、辛くて辛くてたまらなかった。茅台酒を見ると切なくなってしまう。
バッド・キッズは、監督がもともとバンドマンらしく、画面の色彩とかバチバチに決まっていて音楽も面白い。子供達が主人公なんだけど、なんというかすごい役者を見つけたな…という。子供達もすごいんだけど、何より大人が演技しすぎていない演技がすごい人々が揃っていてとんでもないです。これは同じ監督のロングシーズンもそう。そしてやっぱ秦昊はすごい。
オリジナル・シンは、全く想定していなかったところからはちゃめちゃな知己が飛び出してきてぶつかられたため、複雑骨折しました…前に記事書いてるので、詳しくはそっちで頼みます。
猟罪図鑑、名前だけよく見かけて気になっていた檀健次が主人公のひとりである筆を折った孤高の画家で、今は似顔絵担当の捜査官として警察に所属するキャラを演じています。三国志〜にも出てましたが、猟罪図鑑のキャラは彼のハマり役なのではないかなと思った。キャラのちょっと寂しげで影のある感じとかよく似合ってた。それぞれの個別の事件が、実は過去の事件に少しずつ関係していって…という定番の流れですが、ここのバディも二人がしっかり認め合い尊敬しあっているところがとても好感でした。講義内容が名画に関してで面白かったので、似顔絵描くとこより、学生に講義しているとこがもっと観たかったな〜と思ったり。
刑事チン、これは感想が難しいのですが、でもすごく私は好きだった。闇組織との銃撃戦による頭部への負傷で、後遺症により記憶障害に悩む主人公。また銃撃戦を共にした仲間は全員命を落とし、その罪悪感にも苦しめられる。何事も卒なくこなし立ち回っていた模範刑事だった彼は、事件後は誰にも忖度せずですっかり別人のようになり周りを困惑させ、よそよそしくさせ、それでも新しい関係性を築いていく。たぶん「我回来了」ってセリフがよく出てきたんだけど、それがやっぱり印象的だった。
白夜追凶は刑事チンに登場していた、ほとんどセリフも無く事件にも関わりがなかったけどやたらと存在感のある刑事が主人公だったけど、これも特に二つの作品に繋がりはない。双子の兄弟が事件に巻き込まれたことをきっかけに、入れ替わりながら事件を捜査していくという流れ。一人の俳優が二役をこなすというのはよくあるけれど、これは同じ画面でかけあう場面がほとんどで驚いた。堅物な兄と人好きのする弟が、人前では演じることでだんだん二人の境界が曖昧になっていく様子とか、細かな演じ分けがすごかった。アクションもなかなかに重ためで迫力ありました…痛いのが苦手なので、うわうわ言いながら観た。話は二期に続くな展開で(二期は出ないだろうが)少し消化不良だけど、それなりに楽しめた作品。
幻夢追凶は現代というより民国期っぽい、架空の国の設定。解夢師という、他人の夢の中に入り込んで記憶や過去を覗くことができる主人公と刑事が協力して事件を解決していくミステリ。夢の中と現実がどんどん入り組んでいく画面の作りが面白かった。これもそれぞれの事件がやがて主人公が過去に関わった事件につながっていく流れなんだけど、思っていたよりこじれにこじれた展開でなかなか面白かった。

ということで、2023年の個人的10作。
上位5作品は悩まず「康熙帝~大河を統べる王~」、「長安二十四時」、「夢華録」、「卿卿日常 宮廷を彩る幸せレシピ」、「バッド・キッズ 隠秘之罪」。
続く5作品は「有翡 -Legend of Love-」、「三国志 Secret of Three Kingdoms」、「宮廷恋士官 ただいま殿下と捜査中」、「ロング・ナイト 沈黙的真相」、オリジナルシンとめちゃくちゃ悩んだけど一応話がまとまった方で「猟罪図鑑」で10作。

今年も楽しく色々観ていきたいと思います〜!

2023年視聴済み中国ドラマ一覧

【武俠もの】
侠客探偵 簡不知
有翡 -Legend of Love-
天龍八部 レジェンド・オブ・デスティニー
斗羅大陸~7つの光と武魂の謎~

【時代もの・歴史】
永楽帝~大明天下の輝き
キングダム~戦国の七雄
康熙帝~大河を統べる王~
三国志 Secret of Three Kingdoms
長安二十四時

【時代もの・ロマンスあり】
花小厨~しあわせの料理帖~
夢華録
贅婿
卿卿日常 宮廷を彩る幸せレシピ
宮廷恋士官 ただいま殿下と捜査中

【現代もの・サスペンス・ミステリ】
バーニング・アイス 無証之罪
ロング・ナイト 沈黙的真相
バッド・キッズ 隠秘之罪
オリジナル・シン -原生之罪-
猟罪図鑑
刑事チン 孤独の捜査
白夜追凶
(幻夢追凶)


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