言葉に尽くせない想い

「羅小黒戦記」を観た興奮を締まりのない文章でお届けしたところで、お時間あればもう少し読んでいってください。
シャオヘイを観た方はご存知と思いますが、作中のキャラクター「無限」。
中国語の読みでは「ウーシェン」になります。

それがどうしたと思うでしょうが、私はちょっとひっくり返りそうになりました。

振り返る事3月の末頃から、もうそれはずっぽりと嵌った新しいジャンルがありまして。
大枠で括ると「中華BL」です。タイBLも話題ですよね、気になってるので今後観ていきたいです。
作品名は「魔道祖師」という小説で、作者名は墨香銅臭。
中国の小説投稿サイトで連載された全100話以上の作品です。※現在は全話非公開

この魔道祖師の受の字(あざ:中国などの漢字圏諸国で使われる人名の一要素)が「無羨」で、読みがウーシェン。
無限と同じなんです。勝手に喜んでいましたが、同じような方は世界に何人もいると信じています。

何故この作品に嵌ったのか、物事に嵌るときに明確なプロセスは存在しないのが原則ですが今回も正直よくわかりません。
どうしてこんなことになっているのか簡潔に説明できないので、自己分析を兼ねて書き記しておこうと思いこの文章を打っています。

魔道祖師は中国で非常に人気がある作品のようですが、色々な事情があり現在原作の文章を読むためには書籍を購入するしか方法がありません。
しかし数々のメディアミクスがされており、オーディオドラマ、アニメ、漫画、実写ドラマ、ソシャゲなどなどコンテンツが豊富過ぎて驚きます。
これも後々色々と調査して知っていったことなので、ちょろっと掘ってみたら予想外の深さで、どんどん掘り進むことになってしまいました……。

まず記憶に残っている限り最初のきっかけは、「陳情令」(※実写ドラマでのタイトル)が日本でついに放送される。配給はWOWOW。
という情報をTwitterでサラッと眺めて、ブロマンスか。中国ドラマは観たこと無いな……程度の感想を抱いたのでした。
BLなどの話は姉とよくしているので、こんなんやるらしいで。ちょっと気になるけど50話で普段ドラマ観ないし向いて無いかな。
などと当時の私はLINEを交わしていたようです。
そうこうしていたら、何だかとてつもなく琴線に触れるイラストに出会い。なんじゃこりゃ!と思ったらどうやら何かの二次創作らしい。
魔道祖師。陳情令の原作。あれだ!
あとはもうあまり覚えていなくて、気付いたらここまで来ていました。

あれこれ熱心に調べて、原作本、番外編を取り寄せアニメを視聴しTwitterへ専用リストを作り、様々な翻訳サイトやアプリを調べ試し。
超初心者向け中国語テキストや単語アプリでちまちま勉強しつつ、実家がWOWOW加入しているので録画を頼んで少しずつ視聴。
なんと今年、オーディオドラマが日本語脚本で日本人声優により有料アプリ内で公開されたことを知り前のめり課金。
weibo(中国でメジャーなSNS)と中国のオーディオドラマ専用アプリDL登録課金への準備を進めている感じです。

あ、あとTwitter専用アカウント作ってしまった。少しだけ絵も描きました。
MXTX作品(作者名の中国語読み頭文字を取った通称)は色々と作者がルールを定めているので、注意が必要ですがお同人活動をしたい。
色々好きな作品はありますが、同人活動したい!と思ったのは初めてです。なんてこった。

私の酩酊具合はこの辺までで、ご理解いただけたと思います。


作品は、古代中国を背景にした世界で中国の創作物ではメジャーなものだそうです。
日本でも歴史ものっぽい世界の作品は多いですもんね。

一般の人と、能力がある修行者がいて、その能力は素質も必要だが鍛錬することで強化される。
世は妖魔、悪鬼が蔓延り修行者がこれを退治している。
修行者はそれぞれの一族に属しており仙門百家と呼ばれ、そのうち五つの名家は更に五大世家と呼ばれる。

先に名前を出した主人公(受)魏無羨は、作品冒頭から既に亡くなっており、この世は彼が死して十三年経過したとことから始まります。
前世でライバルだった主人公(攻)藍忘機と別人の身体に魂が転生した魏無羨が出会い、訳あって共に旅をすることになる。
旅を続けていくうちに、魏無羨は何故転生したのかが明らかになっていく。


まだ原作を自力で怪しい翻訳をしつつ読書中ですので、読了した感想を言えないのですが。
本編全4巻+番外編1巻中、本編2巻の途中まで読んだ時点で面白くて布団の上を転がりまくっている状況です。


攻の藍忘機は誰もが心を奪われるほどの美しさ、品行方正で礼節を重んじ能力も高く、同世代の修行者たちの規範。
常に表情が変化することがなく、必要最低限の言葉しか発しない。
藍氏は仙門の中でも規則が厳しく、各仙家のやんちゃ盛りな子供を受け入れる学校的な役割を果たしている。
設定欲張りセットみたいなキャラである。

受の魏無羨はいつも朗らかに笑っていて、やんちゃで活発で手に負えない悪ガキだけど人に愛される、いつも大勢の輪の中心にいるような人物。
剣の鍛錬も座学も不真面目だが六芸に秀でており、こっちも設定欲張りセットみたいなキャラである。
※六芸とは、身分あるものに必要とされた六種類の基本教養のこと。礼儀、音楽、弓術、馬車を操る術、書道、算術。

火に油、静と動のコントラストがバキバキな攻受だけど志は真っすぐで、似たところが多い。
ふたりとも愛が深く大きすぎて「愛の人」なので、私は全く身近な感情として共感したりできない。そこが魅力的で堪らない。
なんというか、特に魏無羨は一回懐に入れたら全部愛するタイプで、分かる人には分かるだろうけど私が心底好きなタイプなのだ。
藍忘機は根がとんでもなく優しくて、その優しさを愛しい人に全力で注ぎ過ぎて蛇口がぶっ壊れている。
これとこれが組み合わさると、私が心底好きなところに謎の計算式が当てはめられ頭がおかしくなる。

魏無羨は前世で、藍忘機みたいなつまらない人間に出会うのは初めてで、つまらないのが面白くてちょっかいを掛けまくる。
このちょっかい掛けたり掛けられたいのやりとりも可愛い。
転生後の、まだ全く気持ちが通っていないのにいちゃいちゃとしか言いようがないやりとりも可愛すぎる。
どちらも賢く理解力が高いので、ぴったり噛みあったり逆にとんでもなく掛け違ったりする。
魏無羨は作中の誰よりも明るく朗らかで前向きだが、運命に翻弄され誰よりも過酷で闇深い道を進まなければならない。
そのときのキャラクターもまた、なんというか未亡人的な色気があって堪らないのだ。
作者のキャラクターを描く力が高く魅力的なので、ここまで嵌ったんだと思う。

キャラクターの名前や場所の名前の設定、キャラクターが術を操る際に唱える呪文を漢詩などから引用しているところも良い。
この辺は、もし私みたいに嵌った人がいたら知ると大興奮すると思う。


とにかくコンテンツが多すぎて、ひとつの作品なのに何足草鞋を履けばいいんだ?という状況です。
日本の配給先から楽しめるコンテンツでさえ、実写ドラマ(役者さんが美しいひとばかりでおったまげる)、オーディオドラマの反復横跳びで
どうにかなってしまいそうなのに。

自己分析を兼ねてとか言ってみたが、なんにもわからない。ここまで書いて読みかえす勇気もない。
魔道祖師という広い海の上澄みを網で掬って放り投げただけになってしまった。

原作、実写ドラマ、アニメあたりはまた何か追加で書きたいなと思います。
あと、同作家は他にも執筆作品がありましてそれもめちゃくちゃ人気なのでそっちも気になっているところです。
他にもヤバそうなの色々あるんですよね中華BL。
これを機に、少しでも中国語がわかるようになったら凄いよなと他人事のように思います。

そして何より、魔道祖師の日本語翻訳書籍が発売されますように。まだまだ死ぬわけにはいかない。

(タイトルの「言葉に尽くせない想い」というのは、魏無羨の武器「鬼笛陳情」を名付ける際、
魏無羨が「陳情」の意味をこのように言いました。これも作品を追うごとに突き刺さってきます)


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