南洲翁遺訓第8カ条「国際化と伝統文化の共存」

南洲翁遺訓第8カ条
広く各国の制度を採り、開明に進まんとならば、先づ我国の本体を居え、風教を張り、然して後徐かに、彼の長所を斟酌するものぞ。否らずして猥りに彼に倣ひなば、国体は衰頽し、風教は萎靡して、匡救す可からず、終に彼の制を受くるに至らんとす。

【訳】
広く諸外国の制度を取り入れ、文明開化を押し進もうと思うならば、まず我が国の本体を良くわきまえ、風俗教化を正しくして、そして後、ゆっくりと諸外国の長所を取り入れるべきである。そうではなく、ただみだりに諸外国の真似をして、これを見習うならば、国体は弱体化して、風俗教化は乱れて、救いがたい状態になり、そしてついには外国に制せられる事になるであろう。

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