見出し画像

明日は スーパーボール 2021 !!

アメリカ時間の今日 日曜日(日本時間の明日 月曜日朝8時30分から)、
NFLの年間最大のイベント スーパーボール が開催されます。
コロナの中での開催なので、収容人数の30%の2万5000人収容しての開催となるらしいですが、

会場で、世界中のテレビの向こうで、盛り上がること間違いなしです!!
日本でも、NHK BS1で生中継、日本テレビで当日深夜に録画中継されます。

スーパーボールといえば、ハーフタイムショウで有名アーティストがライブをすることで有名です。今年のハーフタイムショウはザ・ウィークエンドのライブとなります。こちらもとても楽しみです。

ご存知でしょうか?ロンバルディーロトフィー!

スーパーボールに勝利したちーむは、ヴィンス・ロンバルディートロフィーという、フットボール型のトロフィーがもらえます。

こちらのトロフィー、素材はスターリングシルバー、なんとティファニーが毎年製造しています。試合後、新品のトロフィーに勝利チームメンバーが、指紋をつけて汚していくのが毎年恒例になっています。試合後の光景にも注目してください。

スーパーボールの呪いが破られる!!

スーパーボールは1967年から開催され、今年で55回目ですが、開催会場をホームとするチームが一度も出場できなかった、「スーバーゲームの呪い」というジンクスがありました。


スーパーボールは、とても盛り上がるイベントなので多くの都市が自分の街で開催してほしいと願っています。このため、数年先の開催地に複数の都市が立候補して、会議で決定するプロセスとなってます。

立候補には、
・スタジアムの収容人数が6万人以上
・数万人規模の観光客の来場にも耐えられる都市であること
・開催時期2月の気候が10度以上か、ドームスタジアムであること

など、厳しい条件があります。
こうして、持ち回りで開催されるスーパーボールですが、開催スタジアムのホームチームがスーパーボウルに出場したことは今まで一度もありませんでした。

NFLのチーム数が32チーム、そのうち2チームが出場できるので、出場確率1/16、55回の開催で一度もなかったというのは、確率的にみてもかなり異常な数値です。

そんな中、今年史上初めてこのジンクスが破られたのです。
スーパーボール開催地タンパベイをホームとする、タンパベイパッカニアーズが、スーパーボール出場しました。

ちなみに、NFLにはかなり明確なホームゲームアドバンテージがあります。それはクラウドノイズというもので、ホームチームの観客が敵チーム攻撃時にブーイングを行というものです。
アメフトでは攻撃時にクオーターバックから攻撃メンバーに作戦を伝令するのですが、観客がうるさくてなかなか聞こえないという、意外と姑息な邪魔の手段がクラウドノイズです。しかし、意外と効果的で、クラウドノイズが大きいチームはディフェンスが強くなります。

しかし、今年はコロナということもあり、観客を100%収容していなく、スタジアムで大声を上げることも禁止されていて、どれくらいのホームアドバンテージがあるかは未知数です。

とはいえ、地元開催で盛り上がり、ホームチームの士気は上がりっぱなしだと思います。どんな影響が出るか楽しみです。

今年の見どころはQB世代闘争

さて、今年のスーパーボールの個人的な見どころは、新旧の偉大なQBによる世代闘争です。

現役の伝説QB、トムブレディー

タンパベイパッカニアーズのQBはGOAT(the greatest of all time)と呼ばれる超ベテラン、殿堂入り確実なトム・ブレディーです。

43歳、現役20シーズン目の大ベテランで、過去スーパーボール出場9回、スーパーボール勝利6回の実績があります。通常スーパーボールに出る数学的確率が1/16、勝利する確率が1/32ということを考えると、異常に高い数字であることがわかります。こちらはブレディーが初出場した2002年以降のスーパーボールの対戦カードです。ブレディーの所属していたニューイングランド・ペイトリオッツの名前が異様に目立ちます。

スクリーンショット 2021-02-04 18.49.03

wikipedia「スーパーボウル」より

まさにGOAT(the greatest of all time)と呼ばれるだけの実績で、過去にこんなにスーパーボールを勝利したQBは他にいません。(ジョー・モンタナの4回勝利が2位です。)
NFLは、戦力を均衡させるため、前年の順位が低いほうからドラフト指名するシステムや、チームの高額サラリープレイヤーの年俸を制限するサラリーキャップ制が厳格に運用されていて、1チームが強力になりすぎない仕組みがあります。その中で、これだけ長年勝ち続けてきているということは、本当に特別なことです。

そんなブレディーですが、決して恵まれたキャリアのスタートを切ったわけではありません。彼の大学時代の実績、身体能力があまり高くなかったことから、ドラフト6巡目(全体199位)というかなり低い順位でニューイングランド・ペイトリオッツから指名され、そこまで期待されたプレイヤーではなかったようです。(ちなみに、ドラフトで指名されなかった場合には保険会社に就職することが決まっていたようです。)
そんな期待されていない新人だったブレディーですが、当時の先発QBの故障や、本人の努力もあり、プロ2年目に出場機会を得て、そこから勝ち続け、初出場のシーズンにして、最初のスーパーボールを獲得しました。そこから、まさにシンデレラストーリを歩み続けて、史上最高となっています。

ブレディーのプレイスタイルを一言でいうなら、冷静かつ情熱的。
QBは、パスを投げるときに敵ディフェンスチームから狙われます。タックルを受ける一歩手前の状況で、味方のレシーバーの動きも冷静に確認し、一番パスを通しやすい所に投げるという、視野の広さと冷静な判断力が求められます。ブレディーは、消して高くない身体能力を、知識や経験・敵チームを研究することで補い、常に冷静に判断し、高い成績を作ってきました。

それでいて、激しく負けず嫌いで、チームメンバーを勝利に向かって鼓舞する強いリーダーシップも持っています。ゲーム中の彼を見ると、さながらジャイアンのようにも見えます。しかし、それでいてオフの時はチームメイトと仲良くしているので、単なる暴君ではなく、ちゃんとリーダーシップもあるカリスマなのだと思われます。

そんなスーパーボール常連のブレディーですが、今年は今までと大きな違いがあります。なんと、ユニホームが違います。ニューイングランド・ペイトリオッツ一筋だったブレディーですが、去年オフに突然ペイトリオッツを退団し、タンパベイ・パッカニアーズに入団したのです。

どうしてキャリア晩年の今チームを出たのか、理由は本人しかわかりませんが、個人的な推測では、「ブレディーはペイトリオッツにいるから強い」という仮設を自分で否定するために、ペイトリオッツから出たのではと思います。そして、実際にスーパーボールまでたどり着いたところはさすがです。

ブレディーが自分の実力を証明する最後のピース、それこそが今年のスーパーボールの勝利なのです。キャリア20年の意地をかけて、絶対にまけられないでしょう。

次代伝説のQBに最も近い男、パトリック・マホームズ

対するカンザスシティー・チーフスのQB、パトリック・マホームズ。25歳、現役4シーズン目の彼は、最も次代伝説の男に近い存在と言われています。

ブレディーと違い、マホームズはキャリアの最初から期待されていました。大学時代の活躍と、身体能力(特にパスのスピード)の高さから、ドラフト1巡目(全体10位)でカンザスシティーチーフスから指名されました。1年目は控えで1試合のみの出場でしたが、2年目から先発に昇格しています。
マホームズが先発に昇格してからのチーフスは、3年連続地区優勝、2019年にはスーパーボールを制し、今年は連覇を狙ってスーパーボールに進出してきました。

マホームズのプレイスタイルを一言でいうならモバイルパサー。
マホームズは見た目からはわかりにくいのですが、お父さんが黒人です。お父さんは横浜ベイスターズでも活躍した元大リーガーのピッチャーでした。

近年、NFLでも黒人系のQBが増えてきていますが、ドノバン・マクナブマイケル・ヴィックのように身体能力の高さ、肩の強さを生かしたプレイヤーが多く、困ったときは自分でボールを持ってランプレイで距離を稼ぐ、モバイルQBというスタイルが定着しています。しかし、オフェンスの要であるQBが自ら走るといプレイスタイルは、怪我した場合の代償も大きく、またランプレイかロングパスしか無いというプレイスタイルは、相手ディフェンスに研究されやすく、長く活躍し続ける黒人QBは多くはいませんでした。

しかし、マホームズのプレイスタイルは、今までの黒人系QBのプレイスタイルとは大きく違っています。
ブレディーを始めとするオーソドックスQBは、パスを投げるときに相手ディフェンダーからのプレッシャーを味方オフェンスラインが作るポケットの中で耐えます。ポケットが決壊するタイミングを見定め、それまでにパスターゲットを探してパスを投げます。
また、従来の黒人QBであるモバイルQBは、ポケットが決壊しそうなら、すぐに自分でボールを持って走るランプレイに切り替えます。
しかし、マホームズはポケットが決壊しそうなときには自分の足で走って逃げながらパスターゲットを探します。そして、走りながら不完全な体制でも正確にパスを投げる技術があるため、ショートパス・ミドルパス・もちろんロングパスも器用に投げ、まんべんなく色々なパスを投げるため、相手ディフェンスに的を絞らせません。

相手ディフェンスに対応させないため、マホームズはかなり長いパス(いわゆるビックプレー)を1試合のうち何度も通すプレイメーカーとしても有名です。また、ビックプレイはチームを勢いづかせるため、ビックプレイがビックホームを更に呼び込む、確変状態のような手がつけられないチームとなります。結果、チーフスは大量得点で勝つ試合が多く、見ごたえのあるゲームになることが多いです。

ビックプレイが多いことから、パスを投げた距離、タッチダウンした回数、獲得した得点など、QBとしての様々な個人記録も更新しています。そんなわけで、今一番勢いがあり、実績も優秀な若手QBがパトリック・マホームズなのです。

また、その若さから、今後20年でもっとも多くのスーパーボールを勝利するQBとしても期待されています。まさに次世代伝説のQBになることが期待されている若手最有力候補です。
去年に続いてスーパーボールを連覇すれば、さらにその期待は高まりますので、そういう意味でも負けられないスーパーボールになります。

二人の天才QBの勝負はいかに?

そんな、時代を代表する2人の天才QBですが、ブレディーも43歳もう残っている現役の時間は3年もないでしょう。そんな晩年の天才QBブレディーが、次世代天才QBの代表であるマホームズとスーパーボールで激突するのは、まさに運命です。(千代の富士が貴花田(後の貴乃花)と相撲をとって引退を決意したときくらいの”運命の勝負”と言って過言はないと思います。)

実際にどんなゲームになるのかは、全く予想できませんが、一度チーフスの攻撃が勢いに乗ってしまうと、なかなかパッカニアーズも止めることは難しいと思います。しかし、そこは超ベテランのブレディーなので、自分たちの攻撃時間を長くして、なるべく相手の攻撃時間を少なくするような老獪なタイムコントロールで、チーフスに勢いをつけないように試合をコントロールするのではと思います。

ハイスコアゲームになればチーフス、ロースコアゲームに抑えられればパッカニアーズが勝つのではと予想します。

名勝負必死

というわけで、2人のQBを中心に見どころを解説してきましたが、間違いなく名勝負になることは間違いなしです。是非是非明日朝6時半から、ライブでお楽しみください!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?