クレープの皮はひとりを思う
疲れた。
セブンでチョコバナナクレープを買って帰った。
私の拳くらいの大きさしかないくせに、一丁前に259円もしやがる。
でもいい。今日はいい。今日は頑張った。
これくらいのご褒美許される。
封を開け、真っ先にクレープの皮をちぎった。
クリームもチョコもバナナも何もついていない、
包むときに余る、あの何もないところ。
クレープの皮が好きなのだ。
何もついていないところを、何もつかせぬまま味わいたいのだ。
だから私は、真っ先にそこをちぎる。
ちぎって、最後の最後にしっかりと味わう。
ふと、今一人であることを実感した。
そしてここが気の許される場所であるということも。
だって、人前じゃできない。
こんな、クレープの皮をちぎるなんて、
ひとりで、ひとりきりの空間じゃなきゃ許されない。
行儀が悪いもの。
でも、今はひとりだ。
思う存分ちぎればいい。
誰も責めやしない。
こんなnote、別に読んでくれなくたっていい。
何も伝えたいことなどないのだから。
ただ、誰かに知ってもらいたくなってしまっただけなのだ。
ふーん、そんな人がいるんだ。
なんて一人でも思ってもらえれば十分なのだ。
2024.04.22.sai
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