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過剰な合理主義の弊害とランダムノイズのベネフィット

少し長いつぶやきをします。

  • 散歩しているときに研究のアイデアが思い浮かぶ

  • 偶然再開した古い友人と飲んだところ馬が合って起業したら成功した



普段の生活からはみ出たランダムな挙動の中に、そうした偶然性があるから、人生はとことんおもしろいなと思っています。

これは昔から感じていて、恐らくそのきっかけは学生時代や研修医の時代にたくさん一人旅だったと思います。今の時代のようにSIMカードがどこでも買える便利な時代ではなかったのでスマホを殆ど見ていなかったのも大きいのでしょう。

現在は、”極めて合理的な時代すぎる”。 
もしくは”便利すぎる時代” と言い換えてもいいかもしれないですね。

さはし


どういうことかというと、身の周りを探してみても

  • Youtubeで1.25-2.0倍で再生できて、ダウンロード可能なので空き時間に勉強できる。

  • GenerativeAIに代表されるように瞬時に翻訳できるし、絵も書ける、プログラムも書いてくれる。

  • 自動調理器(ホットクックユーザー)

  • Zoom / Teamsなどで海外にいても日本と会議ができる

などね。まぁ、みなさん思う浮かぶことあるように思います。
これらは全部、合理的すぎるんですよね。


本題なんですが、この便利すぎる時代、本当に幸せなのかなってのはよく思っていて。



この本の8割くらいは、人類の読書史についてというマニアックな話なのだが、最後の2割にエッセンスが詰まっている。Amazonの紹介にはこうある。

「大人になってから、読書を楽しめなくなった」「仕事に追われて、趣味が楽しめない」「疲れていると、スマホを見て時間をつぶしてしまう」……そのような悩みを抱えている人は少なくないのではないか。

上の本です


特に、「仕事に追われて、趣味が楽しめない」「疲れていると、スマホを見て時間をつぶしてしまう」 については、”まじでそれな”という率直な感想である。

”現代には、ノイズの除去された情報が散乱している” ってのが本書の最後の2割くらいの話の中心(だと思う)。

最初に挙げた、”過剰な合理主義”と少し通ずるような気もしています。

私が思う”過剰な合理主義”って、まぁてきとーに思いつく限りは

  • 大学に入ったら遊ばずに勉強とインターン

  • 子供には幼少期から、STEM教育の塾に通わせる

  • 将来のために、人脈つくりに勤しむ

  • 読んだ論文は、生成AIを使って表に細かくSummarize

  • なにごともカンバン管理やToDoを作成したりする

  • 部屋に入った瞬間に電気がつくように、スマートホーム化している

  • レストランに行く際には必ずBlogとインスタグラムで評価を見る

  • Etc (多分思い浮かぶものは多々ある)


先週メキシコに行った。レストランはあえて調べずに直感で朝ご飯食べた。
みんな朝からコカ・コーラ飲んでいることを知った。
これは牛のもつ煮でトルティーヤをスープにつけている。ネットで調べても出てこないだろう。
これもランダムノイズの賜物と思う


北海道で一人旅しているとき死ぬほど腹減ったときに見つけた、農家の茹でたてとうもろこし
恐らくこれを超える料理は自分の歴史に出てこない。
これも合理的な旅程では食べられないものである



(これは個人の意見ですし、この中には自分が実際にしている(してしまっている)ものもあります。あとそれが好きなら全くいいのであります、ゆるして)

またこれらは過剰な競争社会が生み出してしまったものでもあるのでしょうね。
もう少し楽に生きようぜ と思うわけです。


そんでもって、楽に生きたりふらふらしたりしてたときに思い浮かぶアイデアや直感を信じる生き方もいいのではないかと最近思っています。

自分が好きな理論に、Planned Happenstanceというものがあります。

プランドハップンスタンス理論とは、計画された偶然と訳され、「キャリアというものは偶然の要素によって8割が左右される。 偶然に対してポジティブなスタンスでいる方がキャリアアップにつながる」という理論

たしかスタンフォード大学からのはなし


らしい。

個人の感想ですが、”合理的な生活や考え”はランダムノイズを限りなく少なくした事象とも考えることができて、そこに”良い偶然”は起こる確率は少ないようにも思います。


最近、メキシコに行ってパンクしたけど、おっちゃんに直してもらった。
悪い偶然でも良い気分だった。ありがとう





また重要なポイントは、その偶然が良いものであったとしても、悪いものであったとしても、楽しむ才能を育てることなのかもとは考えています。

自分の仕事でも、意識的にランダムノイズを多く取り入れる事が重要だし、そのためにふらっとぼけっとする時間は重要な気がします。
2012年のノーベル賞を受賞されたPatapoutian先生のPostですが、ずばり”Scienceを行うための13箇条”です。忙しくしすぎるな という1丁目の言葉はそこと通ずるものがあるのでしょう

よいことばっかよ


ちょっと長くなったけど、一昔前(いうて15-20年前とする)の今よりちょっと不便な時代って、めっちゃ楽しかったし、別に便利すぎる必要性があまり感じられないわけであります。

  • 徹夜でする麻雀も楽しかったし

  • かくかく動くPS2のウイニングイレブンも良かった

  • 不便だけど安いユースホステルで出会った旅仲間と飲む酒も良かっただろう

これは自分の長いつぶやきで、
いつかまとめたかったので書いて満足しています。


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