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漁港と生きる新潟人。

日本海に恵まれ、635.6㎞という広大な海岸線を持つ新潟県。ここには多くの漁港が存在し、人々は漁港で生計を立てるとともに、多くの釣り好き、多くの漁港好きをうならせてきた。

今回は、「漁港」と「釣り」という2つをキーワードにし「いい漁港」「釣れる漁港」を探し、漁港からみえる絶景や釣れる漁港の穴場スポットに突撃取材を試みる。

さらに、近年釣れる魚種の変化や気候変動から、新潟の海の現在から未来への現状を考えていく。

現地の漁港に実際に足を運び、突撃取材をすると共に、釣り好きや漁港関係者から情報を収集した。

取材を進めると巻漁港、新川漁港、寺泊漁港、新潟東港が「釣れる漁港」だと分かった。

さらにその他に、関谷河口、新川河口、判官舟かくし、などの「穴場釣りスポット」を発見することができた。


《巻漁港》
〜夕日が綺麗な漁港〜

越前浜と角田浜海水浴場に挟まれた位置にある漁港。駐車場は広く用意されており、砂浜からは3本の堤防が伸びている。湾内では豆アジやメバル、キスなどが釣れ家族連れなどが楽しんでいる。湾外ではイナダやサゴシなどといった青物やイカなどが釣れるポイントとして知られている。


《判官舟かくし》
〜穴場危険スポット〜

巻漁港から近く、角田浜の灯台の下のトンネルから入ることができる、磯の穴場釣りスポットである。風が強いときは波が足場まで押し寄せて危険だが、天候が良く、風のない日は潮が引き足場が生まれる。磯の下まで降りて、青物などの大きな魚を狙い釣りをすることができる隠れスポット。


《新川漁港》
〜人目を避けたい人におすすめ〜

新潟市西区に位置する。右側の堤防は一番奥まで行くとテトラポットに降りることができ青物が狙えるポイントになっている。テトラポットはよく滑るので注意が必要。左側の堤防は湾内で豆アジの数釣りが楽しめる。向かう道中には釣具屋がいくつかあり、耳よりな情報の収集や餌などの購入ができる。


《新川河口》
〜エイが釣れる!?〜

新川漁港の左側に位置し、周辺はシーバスが回遊しているので、ルアー釣りのポイントとして知られている。またエイがかることもあり、竿を引く強さや迫力は釣った者しか味わえない面白さがある。


《関屋分水河口》
〜シーバスが狙える〜

河口付近はシーバスが良く釣れる釣り場として有名なスポットである。著者も実際にシーバスを釣り上げておりおすすめな場所である。


《寺泊漁港》
〜大きな漁港と海鮮市場〜

寺泊漁港は新潟の中でも大きな漁港で、岩場、砂地、テトラポットなどの人工物が複合的に存在し様々な種類の釣りを楽しむことができ、狙える魚の種類も豊富である。夏場はサビキ釣りが多く行われ、アジやイワシ、サヨリ、カマスなどが釣れ多くの家族連れに楽しまれている。岸壁からはチョイ投げでシロギスやカレイなどが釣れ初心者にもおすすめな漁港である。テトラポット周りではカサゴやルアー投げでシーバスが釣れます。秋になると外側の堤防でイナダやサワラなどの回遊魚が多く釣れる。

もし魚が釣れなかったとしても、近くには寺泊海鮮市場があり、新鮮な魚介類をはじめ、全国の海産物が大集結している。また、食べ歩きも出来るためおすすめのスポットである。


《新潟東港》
〜青物が沢山釣れる漁港〜

新潟東港は春と秋の青物釣りが有名な場所。立ち入り禁止エリアが増えたが、その広さから様々な釣りが楽しめる。火力発電所が近くにあるため、温かい排水が流れ寒い時期の日本海でも一番早く釣果が聞こえる漁港である。春は三月からサワラ、五月からイナダが多く釣れる。秋にも同様の魚が多く釣れる。夏にはアジがサビキで釣れ、家族連れが楽しんでいる。また夜になり貨物船が停まっている時は、光が海面に反射し幻想的な空間を作り出す事もある。


今回は、新潟の漁港のほんの一部しか紹介出来なかったが、新潟にはまだまだ多くの「漁港」が存在し、現在に至るまで多くの恵を「釣り」と共に人々にもたらしてきた。

また、日本海に面する新潟には「日本海夕日ライン」というものが存在し、上記でも写真で少し紹介したが、見る場所によって形を変える景色も魅力の一つである。

最後に、そんな恵みをもたらす海を守る為にもここ新潟の、しいては日本海全体の現在から未来にかけての現状を見つめていく。

日本海の現状について、知り合いの漁業関係者に話を聞くことが出来た。最近の日本海では通常ではかからない深海魚や外来の魚が定置網にかかる所もあるという。また、著者もよく狙う、サワラなどの魚は、元々日本海ではなく東シナ海に生息していたという。

これらは地球温暖化の影響から水温が上昇し、海洋全体の生態系を崩したことに繋がっている。新潟でサワラなどの魚が豊富に取れることは嬉しいことだが、日本海全体を見れば未来へかけての課題は大きい。

地球温暖化の影響から水温が上昇すると共に、日本海では深層での酸素量が減少している。このままでは、2350年までに日本海の深層は無酸素状態に陥る可能性があるという。深層が無酸素状態に陥ると、植物プランクトンが必要とする栄養素が深層から表層に運ばれず、これを食す魚類の生態系に大きな影響を与えてしまう。我々は海の環境に気を配りながら、調和を図って行かなければならない。(海洋政策研究所参考)

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