にわかアート好きのネイティブ大阪人は中之島美術館にめちゃくちゃ期待している【あとからシテン#3】
実は陰性の濃厚接触者とやらになっておりまして、いつぞやぶりに本格的に在宅ワークに移行しました。
部屋をめちゃくちゃ仕事しやすい感じに整えたら、捗る捗る。
デスク周り整えたい欲がまた上がってあれこれやってるので、いずれまた共有します。どこかで。
■今週(先週)のデザインシテン
今週から新しいシーズンとなったのですが、ここから5週かけて、2月2日にオープンしたばかりの中之島美術館について、江口さんに熱く語っていただきます。
ちょっと今までと毛並みが違うというか、テーマの切り口がタイムリーですが、どうしてもこれをデザインシテンで取り扱いたかったワケを、ぜひ聞いていただければ!
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スタジオを改装しました
冒頭で軽く触れましたが、弊社スタジオ ハコウマ 、先日改装を行いまして、白を基調としたすっきりとした内装に二重サッシによる遮音性能の向上を行いまして、より収録・配信に向いた形になりました。
詳しくは下記に掲載されてます。よかったら読んでやってください。
中之島美術館、ついにオープン!
番外編でも少し触れましたが、先日2月2日、ついに大阪に中之島美術館がオープンしました。
そもそも大阪って、元々美術館がすごく少なかったんですよね。
有名どころでいうと、中之島にある国際国立美術館や大阪市立東洋陶磁美術館、天王寺にある大阪市立美術館くらいのイメージでしかないのですが、調べてみたところ、2018年の社会教育調査によれば大阪の美術館数は全国でまさかの...最下位。
確かに少ないとはおもってましたが、まさかそんなにとは。
そんな環境下に風穴を開ける中之島美術館の存在は、大阪民のアート・デザインリテラシーにとって非常に重要だよねって話なのです。
ちなみに中之島美術館の特別展示第一弾は「Hello Super Collection 超コレクション展」というタイトルなのですが、その特設サイトが情報盛りだくさんだったのでぜひ。
99のものがたり、意外と読んでくとスラスラ読めてしまうので、実際に足を運ぶ前に全部目を通していくと本編がより楽しめそうです。あ、デザインシテンも忘れずに。
美術館構想の軌跡
本編でも何度か触れていますが、構想から完成までえらい時間のかかった中之島美術館構想、どういう話だったのかを、もう少しだけ深ぼってみました。
そもそも誕生のきっかけとなったのは、実業家の山本發次郎氏のコレクション。
岡山から東京の大学を経て大阪の紡績会社に入り、婿入り。船場でメリヤス肌着メーカーを起業したバリバリの実業家。芦屋のヨーロッパ風豪邸に大量の芸術品を集めてたそうです。
死後、そのコレクションの580点が大阪市に寄贈(!)されたとのことで、これを機に昭和58年(1983年)、大阪市制100周年記念事業基本構想の1つとしてこの計画が生まれたとのこと。
彼のお孫さんが甲南女子大の教授で、神戸ローカル紙のインタビューに山本發次郎氏の生涯について詳しく語られていました。めちゃおもしろかった。
計画実現までに40年近く要したのは、途中のバブル崩壊やらで一時頓挫していたなど。
あとこういうのも影響してたんだろなとか(笑)
脱線しますが、橋本知事府政下のころに大学で大阪フィルハーモニーの方のお話を聞いたことがあって、「芸術が殺されている」(そんな言い方はしてなかったと思うけど)的な話をされてたのが、すごく印象的だった。
(全然関係ないけど、こういう記事はいつ書かれたものなのかわかるようにしといて欲しい)
日本とニューヨークにおける「美術館」の立ち位置の違い
個人的な話をすると、ニューヨークにいた頃は割と頻繁に美術館に行ってたのですが、日本では年に一回行くかどうか。
アートに興味がなくなったとかそういうことではなくて、美術館との精神的な距離感が日本では全然違うんですよね。
本編でも触れましたがあっちの美術館ってものすごくカジュアルで、それこそ地べたに座り込んでデッサンをしてる学生がいたり、展示物の前のベンチで井戸端会議してる人がいたり。
アートを高尚なものとしすぎないというか、ものすごく身近にあるものとして捉えている感覚があって、それこそカフェに行くくらいのノリで行ってる人なんかもいたり。ゾロゾロと列をなして目的の展示物を見るというよりは、空間そのものを楽しんでいる人たちが多い印象です。
とはいえ入場料金が安いかと言われたらそういうわけではなくて、メトロポリタンなんかはドネーション制といって最低$1とかでも入れたりするんだけど(意外と知られてない)、MoMAやグッゲンハイム、ホイットニーのような大きいところは、なんかはなんだかんだ$20〜$30近く取られていたような。(でもニューヨークの物価考えたら安い方なのかも)
それでも日常的に行こうと思えるのは、多分たまに外食したいと同じくらいの感覚でアートを摂取したいと思わされる環境というか、街のもつ空気感なのかも。
※もちろんニューヨーカーの全員がそうというわけではなく、あくまで自分が美大生当時関わりのあった人たちや見ていた人たちのイメージです。
未来の日本の感性をもっと上げたくて
アートが身近な環境下で育つことは感性やリテラシーの醸成に繋がるだろうし、ひいては街の文化的な成長にも繋がっていく(と思う)。
前提として、これからの子供たちには今の僕ら以上にアートやデザインを知ってほしいし、それが社会的にもきっと価値のあることだと信じてやまないので(だからデザインシテンをやっているわけで)、中之島美術館には大阪にとっての、そういう文化的成長の足場としての期待を勝手にしてたりします。
そういう意味では、我々はこういう場所に積極的に通わないといけないし、それをもっと子供達にも身近に感じさせないとダメだよね、ってなんかの使命感めいたものすら感じてる次第です。
というわけで、夫婦で中之島美術館の年パス買ってきます。
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