PTとAIの共存

人工知能(AI)やロボット技術の発達した未来で、理学療法士はどんな活躍をするのしているでしょうか。AI、ロボットと、どのように共存していくことができるでしょうか。

人と人との触れ合い
理学療法士の仕事には、人との人とが直接の触れ合いが必要です。す。そのため、そのため、AIやロボットといった技術が発展しても、人間の手による理学療法士によるリハビリや医療、特に患者さんと直接触れ合うことが必要とされ続けます。手のぬくもりや会話は、完全に機械に置き換えることはむずしいからです。
ただ、テクノロジーの発展によって、患者さんの身体を支えて持ち上げる、といった重労働などは、ロボットが担っていくことになるでしょう。また、医療の進歩によって、現在はリハビリが必要なパーキンソン病などについて、注射一本で対応することもできるようになるかもしれません。リハビリが必要な範囲が変わってくることものもあるでしょう。
今後さらに高齢化が進み、リハビリの必要な患者さんが増えていく可能性が高いなかで、理学療法士の仕事は、予防の分野に広がっていくことになりそうです。今後さらに高齢化が進むと、リハビリを必要とする高齢者の人数も大幅に増える可能性があります。そうなったときにも、リハビリを必要とするすべての方に十分なケアができるよう、リハビリの必要のない身体づくりに力を入れていくべきと考えられています。理学療法士の仕事は、予防の分野に広がっていくことになりそうです。そして予防の分野についても、臨床は理学療法士が担うことになります。



AIがプログラムを作り、臨床は理学療法士が担当する
では、どのような仕事をAIやロボットが担うことになるのでしょうか。現在、多くの施設では、リハビリのプログラムを理学療法士が作っています。しかしもうすでに、施設によっては、患者さんを撮影し、筋電図をとって疾患や姿勢を分析し、使えていない筋肉を特定するような診断は、タブレット端末で簡単にできるようになっています。
これができると、理学療法士の仕事の負担はかなり減ることになります。こういった分析や診断の一部は、AIが担っていくことになる可能性が高いといえます。
将来的には、診断や姿勢分析、歩行分析、治療方針の決定などは、AIができるようになるでしょう。筋力強化機械のようなものもできるかもしれません。
しかし、分析や診断をAIがすることになっても、最終的に患者さんに対するリハビリを処方する仕事は、理学療法士が担うことになります。すべて機械にまかせることもできるかもしれませんが、患者さんのやる気を引き出すには、やはり人のサポートが必要だと考えられています。患者さんの心へのアプローチを、すべて機械にまかせてしまうのは難しいでしょう。人と人との触れ合いが重要視される分野や、患者さん一人ひとりの生活環境、家族環境を考えたうえで、適切なリハビリを行うことは、機械に置き換えることはできません。
また、AIやロボットを使うこと、例えば患者さんの体型や経済状態なども考えて最適な歩行支援ロボットを選ぶこと、AIが患者さんに最適と判断したプログラムなどが本当にその患者さんに合うかどうかを最終的に判断することも、人間が担っていくことになるでしょう。
このようにして、理学療法の分野では、AIやロボットと理学療法士が、うまく共存していくことができそうだと考えられています。

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