我らは飽和状態なのか

理学療法士の人数は確かに増えました。
2000年代から養成校の数が右肩あがりで急増しており、平成11年に3,625名だった養成校の定員が平成27年には13,435名と
約1万人増えています。
参考:理学療法士協会統計情報(http://www.japanpt.or.jp/about/data/statistics/)
この人数は日本武道館がいっぱいになる人数です。平成11年頃はZepp東京がいっぱいになるくらいの人数に開かれていた門戸が、この10数年で武道館を埋め尽くす人数に拡がりました。
それが毎年のことですから理学療法士の数が増えるのは当然のことでしょう。
また平成11年に18歳前後だった方の世代から理学療法士の定員数が徐々に増えてきたため、現在活躍している理学療法士の平均年齢は30代前半となっています。

理学療法士が増えると働く場所がなくなる?
職務経歴書

よく理学療法士が増えると求人がなくなるのではないかと心配されている方がいらっしゃるかと思いますが、おそらく働き先に困るということはありません。
大きな病院などでは辞める人数が少ないが故に求人数そのものが少ないということはあるかもしれませんが、入院から在宅へといった政府の方針で訪問看護ステーションから患者さんのご自宅にリハビリへ伺う訪問リハビリもありますし、障害者の施設や老人介護施設など、活躍のフィールドは無限にあります。これまでは新卒時に病院へ就職することが多かったようですが、新卒でも応募可能な在宅分野や介護分野で就職する方も増えてきているようです。というのも前述したように病院に勤務している理学療法士があまり辞めないので、希望する病院の求人がなく介護施設に就職したという方もいらっしゃるようです。少なくともこの先数年はこのような状況が続くのではないでしょうか。

需要に対して対策を立てて進めていけば、いつか供給は追いつくものです。理学療法士はまさに今、その佳境にあるのかもしれません。周りの理学療法士と差をつけるためには“理学療法士として”というところはもちろん大切ではありますが、その前に“人として”の部分を問われることが多くなってくるでしょう。あなたが採用側だったら明るく元気で笑顔の素敵な理学療法士と愚痴や文句を言ってばかりいる理学療法士ではどちらの理学療法士と一緒に働きたいでしょうか。キラッと光る人間性を持っている理学療法士と一緒に働きたいものです。


オンリーワンの理学療法士を目指せ!
自分らしさ

何かの歌詞みたいですが、数多くいる理学療法士と自分を差別化するためには自分にしかない強みを持つことが大切です。
たとえば小児も成人も両方大丈夫です!という人は在宅では心強い存在になりますし、義肢装具の知識が豊富であったり福祉住環境コーディネーターのような資格を取得することも強みになります。「理学療法士×何か」で自分にしかできないことをたくさん作っていくことは理学療法士が飽和しているこの時代を生き抜く力になるのではないでしょうか。


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