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医療の世界はKKD(経験・勘・度胸)

医療の世界はKKD

病院で働いてもうすぐ20年。
かなり早い段階から「医療者って職人みたいだな。」と思い始めました。
ベテランでバリバリ働いている諸先輩方は仕事が早く超人のように見えました。
題名にも書いたKKDは古くから職人の技として古くから続いている手法です。医療の現場でも緊急時ほど優れたKKDを持ったプレイヤーが輝くのも事実です。
でも、最近は古臭くてあまり良くない意味で使われる事が多いと思いませんか?
KKDは「自身が体験してきた過去の事例を基準に打開策を見つけ、『度胸』によってその施策を実行」に移します。その問題点として、「基準がないため判断を行う人によって答えが変わってしまう。」、「KKDを持っている人が転勤・退職などで不在になって残されたKKDのない人にリスクが偏ってしまう。」といった問題が発生します。
経験や勘、度胸なんて簡単に他の人に継承出来ませんから一人のスーパースターに頼った職場なんて状況や、KKDが十分にない人に同じ基準を求めるなんて事も起こるかもしれません。想像するだけで怖いです。
でも、多くの凄いKKDを持った人達によって医療が成り立っているのも事実です。
では、本当に目指したいゴールはどこなんでしょう?

医療安全が目指すゴール

以前、医療安全の目指すゴール「質の高い医療の提供」とお話しました。
もっと具体的言うと、「一定の能力をもった人が、決められた仕事のやり方に従って業務を実施していけば、質の良い製品やサービスが実現できる。」という状態です。
これは質マネジメントシステム(Quality Management System:QMS)と言いますが、経験年数や知識量の異なる人々が混在している現場でどの人が実施しても大丈夫なように、KKDのような人に頼った状態ではなくシステムで保証することです。
患者さんも人によって仕事の質に当たり外れがあったら嫌ですよね。僕は嫌です(笑)

何処から始める?

じゃあ、そんな仕事のシステムを職人気質な人に現場の仕事を精一杯やりながら求めるのは酷ではないでしょうか?
現場で活躍する人とそういった仕事のプロセス(工程や方法)を考える人は得意分野が全く違います。中にはそれに気づいてスタッフをそれぞれの特性に評価分けをして「マネージャータイプの人材を育てろ。」と言っている職場もありますがあまり上手くはいっていません。
その辺りを次回お話しできたらと思います。

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