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私がソーシャルワーカーになってから現在のお話

いつも読んでいただきありがとうございます😊
普段は過去を振り返り、私がソーシャルワーカーになるまでの出来事をここで記載させていただいていますが、今日は現在のお話を少しご紹介させていただきたいと思います。

私は現在ソーシャルワーカーとして、地域の認知症の人やご家族の孤立予防や楽しめる場所作りを目指して起業しています。
認知症の人やご家族が気軽に利用して相談もできる古民家カフェを不定期で開催したり、シニア向けのイベント企画•運営をしています。
研修会の講師依頼もあり、普段は認知症の早期発見の啓発内容を話すことが多く、講義では早期診断のメリットをお伝えしています。

しかし、最近は認知症の人との関わりの中で、本当に早期診断が必要なのかどうか少し疑問に思っています。
私が研修会でお伝えしている早期診断のメリットは、

  • 早期に治療ができる(進行を緩やかにする)

  • 早期に診断されることで、自分の意思や思いを伝えることができる

  • 家族で支援体制について話し合うことができ、将来に向けた準備ができる

  • 自分の病状を知ることができて、心構えができる

このような内容です。

早期診断のメリットはお伝えしますが、研修会でデメリットはお話ししたことはありません。

こんなことを言うと、専門職として批判されるかもしれませんが、講義の中で早期診断することで起こってしまうデメリットもお伝えするべきではないかと思っています。

それは、『認知症』と診断された瞬間に、本人は一般の人から『認知症の人』として扱われます。そして周囲の人や家族までも、昨日までとは違う対応になります。

例えば、

  • 1人でいると危ないよね!

  • 私たちがするから何もしなくていいよ!

  • 介護保険申請してデイサービスに行ってもらおう!

  • お金の管理は私たちがするから!

  • 勝手に出かけないでね!一緒に行くから!

急にそんな対応になるので、本人も落ち込んだり、時には腹を立てて怒ったりします。
しかし、その言動がすべて『認知症の人』の症状と捉われてしまうことがとても多いように感じます。

これは専門職の人もそうですが、認知症の診断をされている人に対して、良かれと思って『認知症の人』への対応をします。

必要以上に大きな声でゆっくり話したり、初対面でタメ語を使ったり、しゃがんで子供に話しかけるような感じで話されることもあります(そうではない人もおられますのでご了承ください)。
中には、会うたびに『私のこと覚えてますかー?』と心無い問いかけをする人もいます。
認知症の人に対してなぜ『覚えてますか?』と聞くのだろう?
覚えてたら?覚えてなかったら?何のためにそんな質問してるんだろう?何て答えてほしいんだろう?と不思議に思うこともあります。

認知症と診断されたら、今までと同じように仕事を続けることも難しくなるかもしれません。
今まではミスしても『歳だから仕方ないね』と言われていても、『あー、認知症だから無理だね』と言われるようになることもあります。

そんな場面にたくさん出会って来たのに、私は認知症の講義では、早期発見のメリットだけを話し続けています。
もちろん、早期に診断されることのメリットはたくさんあると思っているし、早く診断された方が良いこともたくさんあると思っています。

しかし、最近は診断されることで本人がとても傷つき、家族も先々のことを必要以上に心配して家族間の環境が悪い方向になっていることもよくあります。

  • 認知症の早期診断をされても、その人を支援する人たちが温かく見守る

  • 認知症の人ができることを奪わない

  • 『認知症の人』への対応ではなく、普通に自分がされて(言われて)嫌なことはしない

と言う当たり前の対応をするだけで、認知症の症状が落ち着いた方もたくさん見てきました。もちろん、すべての認知症の人に当てはまる訳ではありませんが‥

相談の中で、
『今受診して認知症と診断されたら、仕事を辞めなければいけないから困るんです。それなら  “認知症かもしれない”  のままでいいです。』

『認知症と言われるような気がする。今の生活が変わって、周りの対応も変わるかもしれない。それならこのままわからなくなるまで進行してもいい。』

こんな相談を受けることが多いです。
先に啓発することは、早期受診よりもまずは認知症と診断された人への関わり方や寄り添い方の話の方が効果的ではないのかなと最近葛藤しています。

今日は現在のもやもやを書いてみました。賛否両論あるかもしれませんが、読んでいただきありがとうございます😊



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