見出し画像

父が育てた"まくわうり"

そもそも、正直好きじゃなかった。

まずメロンが好きじゃなかった。
甘いのに青臭くて、カリッとしてるところが好きじゃないとおもっていた。
だから余計に真桑瓜など好きになれないとおもっていた。

ちなみにメロンと真桑瓜は
共にインド原産のウリ科の果物で、
西側に伝わったものがメロン
東側に伝わったものが真桑瓜だとか、言われているそうな。。

よく、豊作だけれど甘みのない真桑瓜が
漬物になって、
そらもーー大量に、実家の食卓に置かれていた。
あれが好きではなく、食べられない訳でもないけれど、中々箸が進まなかった。

その記憶が濃かったから、
真桑瓜、持っていく?と聞かれたときに、
つい曖昧な態度を取ってしまった。


メロンが好きになったのなんて
ほんのここ1,2ヶ月の最近の話で
真桑瓜なんて美味しく食べられるわけないだろう、と訝しんだけれど

「今年は甘くて、なんにも調理しなくても美味しく食べられるよ」と母が言うので、ありがたく頂戴した。


昨今のスーパーでは、どの野菜も少し前と比べて信じられないほど値上がりしているというのに
自分でも、なんて贅沢な、とはおもう。

おもいますけど、にがてなんだもん。


でもね、
夜ごはん、ほぼ野菜だけだったのでお腹が空いて
早速、切ってみることにしたんです。

真桑瓜の切り方ってどーするんだ?

合ってるかわからないけど、多分合ってるだろう

中身


食べてみるとシャクっと
なんとも歯触りのいい音が、夜更けの賃貸に静かに響くこと。
なにに喩えたらわかりやすいだろう、
あ、あれかな、大根スティックとかが近いかも。
それのもうちょい柔らかい感じ。笑

さっぱりしたメロンって感じで、食べやすい。
独特の瓜の味はあるけど、別に青臭くはない。

あれっ こんな美味しいものか🍈

イメージで食わずぎらいするのも、やっぱり違うなあ、何事もチャレンジだなあ。

そういえば、
今年は梅雨があったのかはっきりとしないようなお天気で、
きっと果物にとっては水が少なかっただろうし、
そんでこの酷暑でしょ、
そういうので、スイカとかメロンとかは、美味しくなったりするものなのかなあ、
なんて、
色々脳内会話しながら、気がつけばお皿は空になっていたのでした。


真桑瓜がにがてだった自分と
真桑瓜が好きになった自分


些細なこの境界線には
実は、真桑瓜にチャレンジしたっていう
ほんの些細だけど、前向きなエネルギーがあって

だから、真桑瓜を食わずぎらいしてた私から
真桑瓜をぱくぱく食べてる私へと
ほんの些細に、進化を遂げたってこと。


そうやって日々の積み重ねがある。


そのさまざまの中に、
たとえば、真桑瓜って食べる気しないよねぇ、で
共感し合ってた"真桑瓜食わずぎらい仲間"友達
がいたとしたら

もう真桑瓜が食べられる私とは共通項がなくなってしまったので、きっと疎遠になっちゃうんだろう。

そのような出会いと別れを孕んでいる。
人だけじゃない、生きるもの全て、触れる物全て


人は成長すると付き合う人が変わる、
なんて言うけどもね
それも正解だと思うし。
ただその過程の、どんな一瞬においても、
自分なりの方法で、関わる全てを大切にしたいと
本当に、本当に心から願っている。

まあ、そりゃあ、言うは易し、なんだけどもね。


父の育てた"まくわうり"
まだまだ、冷蔵庫に入っているので、
丁寧に頂こうと思います🙂‍↕️

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?