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ヒマラヤ便り38号 シャクナゲの花でジュースを作る

ナマステ!ウェルカムドリンクって何か、嬉しいよね。ブランシュとかブランと呼ばれる赤い花のジュースは、主にウッタラーカンド州でウェルカムドリンクとして登場するそうだ。ここヒマーチャルプラディシュ州でも市販品が出回り、手に入れることが出来るが、添加物や保存料が入っているため、昔ながらの製法で作られた物をゲットしたいと思った。インドには、「本物」や「ハイクオリティー」の物が確実にあるが、逆もしかりで、ヘッポコツーリストが本物を手に入れるのは、少々努力が必要だ。

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この赤い花のジュースは、ニコに教わって、一人で飲みに行ってから、特に味に特徴があるわけでもなかったが、どんな花を使っているのかとか、いろいろ興味を持っていかれた。赤いジュースと言えば、母がよく作ってくれた赤紫蘇のジュースや、小学生の時におままごとで作った飲めないオシロイバナのジュースを思い出す。やっと、飲める花のジュースが作れるぞ!と興奮した。

しゃくなげ Rhododendoron Arboreum

ツツジ目ツツジ科ツツジ属のシャクナゲ。ヒンディでは、ブランと呼ばれる。標高1500~4000m付近の高山に自生し、3~5月に開花する。花色は、赤、白、黄色がある。ウッタラーカンド州の州木で、ナガランド州の州花である。高さは、一般に12mほどのものが多いが、中には20mまで成長するものもある。世界で最も高いシャクナゲは、ナガランド州で見つかり、高さ33,2m、太さ106cmだそうだ。常緑広葉樹だが寒冷地にも分布している。

学名のロドデンドロンは、ギリシャ語で、「薔薇のような木」という意味です。野生状態でも変種が多く、数百種類あると思われる。毒性があるので、通常食用には適さないが、中国の山岳少数民族のピンクから白のシャクナゲと、ヒマラヤの赤いシャクナゲは伝統的に食用されている。

ヒマラヤには、薬用として使用できる様々な植物が生息しています。甘い蜜で満たされた明るい緋色の鐘形の花で知られるブランも、そういった薬用用途を持つ木の一つです。この木の花や葉は薬用として長い間使われてきました。

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花から作られたジュースは、ウッタラーカンド周辺地域で非常に人気のある飲み物です。人々は、神聖な飲み物だと言い、伝統的に、この飲料でゲストをケアします。爽やかな前菜であり、山の病気を和らげると信じられています。花が咲く季節には、花を食し、アレルギー、喘息、蕁麻疹、花粉症など気候の変化による症状から身を守ります。チャトニー(チャツネ)にして食します。ブラン・パロタ、ブラン・パコラも人気です。

花は、霊性があると考えられ、宗教的機能や装飾の目的でも使用されます。木は、農機具の柄、燃料、工芸品など様々な目的に使用されます。木を燃やした煙は浄化の効果があると考える地域もあります。(アルナーチャルプラディデュ州など。)

強力な抗酸化作用が、日光や酸化による皮膚細胞の損傷を防ぎます。老化を防ぎ、肌の輝きを取り戻します。抗炎症性と抗菌特性は、ニキビの緩和にも効果を発揮します。飲んでも効果がありますが、乾燥した花の粉末とハチミツをまぜて顔に塗り30分パックし、冷たい水で洗い流すと、しわのない、輝くきれいな肌が期待できます。

葉は、虫や虱を取り除くために使用されます。(葉はロドトキシンなど痙攣毒を含みます。摂取で吐き気や下痢、呼吸困難を引き起こすことがあります。)若い葉は、ペーストを額に塗布し頭痛緩和に。収斂効果があり、湿布によって創傷、湿疹、発疹、皮膚炎を緩和します。

花は主に繊維で、カリウム、カルシウム、鉄、VCを含んでいます。明るい赤色はフロボノイド ケルセチンのようなヴィタミンの存在によるものです。フェノール、サポニン、キサントタンパク質、タンニン、フラボノイド、クマリン、などを含んでいます。

アーユルヴェーダでは、炎症、痛風、リウマチ、気管支炎、関節炎、月経障害などの症状緩和に、肝臓の強壮剤として伝統的に使用されてきました。化学的研究により、たくさんの効能が確認されましたが、そのほとんどが、優れた抗酸化特性によるものです。フラボノイド、サポニン、フェノール化合物の抗酸化特性は肝障害の予防、肝臓保護の可能性があり、二日酔いを和らげるのにも役立ちます。

フラボノイド、タンニン、サポニンは抗炎症作用があります。前立腺、腎臓、膀胱の炎症を緩和し、ケルセチン、ルチンは、関節症、口腔、胃腸の痛みを伴う潰瘍の治癒に。

花のジュースからの恩恵

ブランジュースは、心臓、肝臓、腎臓、皮膚のための抗酸化飲料です。ローカルは、花のジュースが心臓に良いと言います。抗酸化特性により、血圧と悪玉コレストロールを下げるのに役立ち、酸化ストレスから心臓を保護し、脳卒中や心臓障害のリスクを軽減します。ケルセチンは、高血圧、アテローム性動脈硬化症、及び心臓障害の治療に処方され、ルチンは心臓発作のリスクをもたらす血栓の予防に役立ちます。従って、心臓や循環器系にも良いです。また、ケルセチンは免疫細胞のアレルギー反応を防ぐのに役立ちます。

特定のグルコース酵素の作用を阻害する能力を有する化合物ハイペリンと、抗酸化特性が起因し、血糖値、コレストロール値を低下させます。インビトロ抗糖尿活性を示し、糖尿病の治療にも使用されます。

抗糖尿、抗酸化、抗炎症、抗菌、心臓、肝臓の保護の他、持久力を高め、パフォーマンスを向上させるスポーツドリンクとしても使用できます。

花と葉の粉末からの恩恵

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伝統的に下痢や赤痢の家庭薬として使用され、乾燥した花弁の粉末、乾燥した葉の粉末のペーストは下痢を和らげるために使用します。フラボノイド、タンニン、ステロール、還元糖が下痢を和らげます。

花と葉は、生理活性ステロイド、フィトケミカルを含有し、その多くは抗菌特性があります。花のアルコール抽出物は、さまざまな濃度の細菌の広い株に渡って有効性が確認され、ケルセチン、p-クマル酸は確立された抗菌作用を有し、p-クマル酸は腸内細菌叢の改変を助けます。

フィトケミカルは、癌を予防する能力を持ち、ケルセチンとルチンは癌細胞の増殖を阻害し、リスクを低下させます。突然変異、及び癌の発症につながる体細胞の損傷を防ぐ抗酸化特性を提供します。

花のジュースの作り方

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200gの花を、内部を取り除き花弁のみにし、水洗いします。
鍋に300mlの水を沸騰させ、15分間煮出します。サフィーかザルで漉し、花を搾って液を鍋に戻す。弱火にかけ、砂糖250gを加え、砂糖が完全に溶けたら火を止めクエン酸4gを加え冷まします。
2~3倍の水か炭酸で薄めて飲みます。


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